Amazon、映画に本腰!EC業への影響は!?
記者の論点:アマゾンが映画作成に力を入れることは、単純に映画業界に影響を与えるだけでなく、アマゾンが「コンテンツ」プラットフォームとしての地位も築いていく可能性を秘めている。
Amazon、スターウォーズ好調!映画がEC牽引?
2015年12月27日、アメリカのアマゾン・ドットコムのCEOであるジェフ・ベゾス氏が映画作成にも本腰を入れ、年間16本の劇場映画を作成、「アカデミー賞を狙う」と発言し、注目を集めた。映画の製作はアマゾン傘下の「アマゾンスタジオ」が担当するという。
アメリカでは、来年のアカデミー賞候補として、動画配信サービス大手のNETFLIX(ネットフリックス)が作成した映画が挙がるなど、ネット業界から映画業界への進出が目立っている。さらにアマゾンは自社で製作した映画を劇場公開から最短でネット配信する予定で、映画の在り方が大きく変わる可能性がある。
ご存知の通り、アマゾンの本業はEC業。映画進出との親和性も気になるところだが、先日の「スターウォーズ フォースの覚醒」公開の際にはスターウォーズ公式コーナーが開設され、今もなお、賑わいを見せている。また、ブルーレイ化された映画をアマゾンで購入した経験がある方も少なくないだろう。そのように考えると、アマゾンは自社で製作した映画の関連商品をAmazon.comで独占販売、優先販売などといったことも可能になる。
また、映画公開の時期に合わせて、ある一定数の関連グッズの売り上げを見込め、世の中の動きに左右されることなく、自分たち自身が販売戦略の売り上げの波を作っていけるというビジネス上のメリットもあるだろう。
こうした動きは、Amazon自体が「ものを売る」プラットフォームだけでなくて、「コンテンツ」のプラットフォームとしての地位も手に入れるようとしている事を示唆している。オーディオ機器メーカーだったSONYが、コンテンツを求めて、ソニーミュージック、ソニーピクチャーズと様々なエンタメに進出していったように、Amazonは、世界のあらゆるジャンルを凌駕する企業になるのだろうか。
映画のネット配信に関しても話題が出ているが、プライム会員限定で映画を公開し、さらにプライム会員を増やすということも考えられるだろう。つまり、アマゾンが映画に力を入れるということは、映画業界を揺るがすだけでなく、EC業界においてアマゾンがより優位に立つ可能性も秘めているということだ。今後の動きに注目したい。