ポンパレ越境ECに本腰か?言葉の壁をアプリで解消!

ECのミカタ編集部

ポンパレが爆買い加速に一手、商品情報を母国語で

本日2月8日、中国などの中華圏では中国春節(旧正月)を迎えた。今年は更に円安の影響もあってか、より多くの訪日中国人の数が見込まれる。

株式会社リクルートライフスタイル(以下、リクルートライフスタイル)が運営するオンラインショッピングモール『ポンパレモール』と株式会社チャプターエイト(以下、チャプターエイト)は、訪日観光客が日本の商品情報を母国語で理解するためのアプリ『LOOK』を共同で開発した。

2015年の訪日外国人の人数は1,973万人(日本政府観光局調べ)、その消費額は3兆4,771億円(観光庁調べ)となり、いずれも過去最高であったが、なかでも中国人観光客の人数は全体の約25%となる499万人、消費額は40%を占める1兆4,174億円と、1年が終わってみれば「爆買い」という流行語を象徴するかのような記録が残った。私たち日本人も例外ではないが、外国人が異国の地で買い物をする時には様々な問題が発生する。例えば、買い物客にとっても実店舗のスタッフにとっても、またはネットショップにとっても、ネックになってくるのは「言葉の壁」だ。

『LOOK』は、商品バーコードをスマートフォンでスキャンすることで、あらゆる日本の商品情報を、あらゆる言語で閲覧可能にしたアプリであり、訪日外国人が日本の商品情報を母国語で理解し、その情報を母国にいる家族や友人に共有することもできる。先述でも記したが、目的として日本語がわからない訪日外国人と外国語対応が難しい店舗のミスマッチの問題を解消することを目指しているのだ。まずは、英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語・タイ語・インドネシア語・日本語に対応し、アップルストアでのダウンロードは近日中に可能となる。

『LOOK』を使用することによって、今まで商品やサービスの情報が言語の壁により理解できず購買に至らなかった人々への購入を促進し、接客のコストを削減しながらも訪日外国人の購買増による売上向上への期待が高まる。更に、店舗側はすぐれた日本の商品やサービスを、訪日観光客を起点に世界の人々へアピールできるチャンスとなる。

消費者側は商品情報を正しく理解することで商品を購入しやすくなるだけでなく、おみやげや代理購入の際にも自分で写真をとって説明しなくても、写真と母国語の商品情報をすぐに共有することが可能となるわけだ。

また、消費者が気になった商品がチャプターエイト社の運営する「Jselection」という代理購入サービスに掲載されていれば、対象国の消費者は「Jselection」経由で商品を購入することもできる。「Jselection」とは、海外から日本の『ポンパレモール』で販売されている商品を買うことができるサイトである。

ポンパレモール、越境ECへの挑戦

『ポンパレモール』といえば、先月27日より、国内ECサイトの海外発送をサポートするtenso株式会社(以下、tenso社)と共同で、中国語圏・英語圏向けECサイト『Ponparemall JAPAN』の運営を本⽇2016年1月27日より開始したばかりだ。2016年が開始したと同時に、リクルートライフスタイルの越境ECに対するビジネス展開が大きく動きを見せてきた。今回のアプリ製作にあたっても、訪日外国人が日本の商品に何を求め、海外では何が流行っているのかをリサーチする手段の一つとして利用するのだろうか。

今年も更なる訪日外国人の人数が見込まれる中で、『LOOK』のようなアプリから越境ECのヒントになる多くのデータが収集できるようであれば、訪日外国人の買い物に対する様々なサービスが展開され、訪日外国人の買い物の形も変化してくるのではないだろうか。先ほど触れたとおり、ポンパレモールは越境ECを強化しており、『LOOK』で培った商品がそれらの越境EC施策の力強い後押しになるかもしれない。日本で何が購入されたのかが分かれば、ポンパレもールの越境ECの未来を大きく左右するわけであり、その点においては、このLOOKの果たす役割は大きいのではないかと思う。そして、今後も越境ECに対するリクルートライフスタイルの躍進に注目していきたい。


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