【朝刊】”国民性”はECのスパイス(4月12日版)

ECのミカタ編集部

休日の暖かさはどこへやら・・・。今週は北風が冷たい月曜日からのスタートですね。満開の桜の下を歩くのも良いですが、ひらひらと散り始めた桜の花びらの下を歩くのもなんだか風情があります。さて、今回のまとめのキーワードは”ECと国民性”。日本人だからこそ、受け入れられることってたくさんありますよね・・・。さあ、たまに差す太陽の光にホッとしながら、今週も張り切っていきましょう!

”国民性”への理解が越境ECへのカギか

春になって新生活が始まり、このタイミングで買い物をする方も多いのではないだろうか。そんな”買い物”という行動に対する中国人の特徴がわかる、興味深いニュースが発表された。

それは、中国のユーザー参加型SNSコミュニティ「公主说(プリンセストーク)」がオープンしたというニュース。この「公主说(プリンセストーク)」は、ユーザーが日本の様々なトピックスに対して意見や感想等を投稿・閲覧する仕組みとなっている。

実はこのような、ユーザー参加型SNSコミュニティは、中国の消費者にとってはECを行うときに必須ツールとなる。例えば、中国最大のSNSと言われる「微博(ウェイボー)」も、中国人はECを行うときに必ずといっていいほど利用している。

なぜこのようなユーザー参加型SNSコミュニティが中国では必須なのか。それは、中国人がECを行う動きの中で、必ずそのSNSコミュニティで商品に対する”口コミ”を参考にするからだ。というのも中国人は物事に対して、あまり”信用”していないため、商品に対してまず、それが本物なのか偽物なのかという疑いを持つのだ。

その点、日本人は初めから疑いを持って買い物をすることが常識的ではない。なので、BtoCのECだけではなく、消費者同士”CtoC”のマーケットも幅広く流行している。そして、そういった市場のうちの1つとして流行っているのが「ハンドメイドマーケット」だ。

株式会社クリーマが運営するハンドメイドマーケットの「Creema」では、この度、従来のアクセサリーや家具などの様々なハンドメイド商品に加え、「フード」というカテゴリーで手作りの食品までも販売できるようになった。フードの出品は事前審査制となり、営業許可証が必須であるため、個人間の売買でも安心して購入することができる。

こだわりのハンドメイドを、安心・信頼と共に提供できるのは、日本ならではなのではないだろうか。様々なネットショップを取材していても思うのだが、どのネットショップも”どうしたら相手に喜んでもらえるか”をとてもよく考えながらお客様と向き合っている。そこには、”誠実”という日本の国民性が光っている。

”EC”という無機質な響きの中に国民性が絡み、国ごとでECの様々な表情が見れる。同じ行動をしていても、実は隣の国では違うECのかたちが生み出されていたりするのだ。これから海外進出を考えている店舗や企業は、国ごとにECの仕組みを理解しなければ、ユーザーの心をつかむのが難しそうだ。

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