【まとめてみた】Amazonログイン&ペイメント一年の動向

ECのミカタ編集部

Amazonアカウントで他サイトにもログイン、決済ができる「Amazonログイン&ペイメント」の動きが活発だ。提供開始当初は導入ウェブサイト、企業の数は限られていたが、今や多くのサイト、企業で相次いで導入されている。日本での開始から約1年、ここまでの動きをまとめ、今後の広がりを考えてみる。

Amazonログイン&ペイメント導入の今

 Amazonログイン&ペイメントを導入しているECサイトは、2016年4月末時点で400社以上にのぼる(Amazonログイン&ペイメント公式サイトにて紹介されているサイトをカウント)。ジャンルとしては、アパレル、ホーム&キッチン、食品&飲食などのサイトで多く導入されている。中でも比較的初期に導入され、注目のサイトとされているのが、出前館、劇団四季、SUPER CLASSICだ。

 ECサイトにとってのAmazonログイン&ペイメント導入のメリットとしては、主に、新規顧客獲得率の向上、カゴ落ち率の低減といった点があげられる。EC通販を利用するユーザであれば、Amazonアカウントの保有率、利用率は高いだろう。他サイトで新規登録することなくそれを利用できるということは、とても便利なことであるし、いろいろなサイトに個人情報を登録することの煩わしさや不安も解消することができる。

 また、Amazonログイン&ペイメントは、決済手数料が比較的安く、メールアドレスなどのクレジットカード番号以外の顧客情報は、顧客の同意があればサイト側に渡されるため、自社サイトの顧客として、きちんとリストを作ることができる。

 実際、SUPER CLASSIC代表の南氏いわく、Amzonログイン&ペイメントを導入してみて、新規顧客が増え、導入した2015年の施策の中で一番効果が高かったという。コンバージョンレートでいうと、PCサイトでは33.01%が44.2%に、スマホサイトでは28.73%が42.66%にまでなったそうだ。個人情報入力は、スマホではより手間と感じるようになる。そこが改善されるというのは、スマホユーザの増え続ける中にあって、大きな利点と言えるだろう。

EC支援企業から見た、Amazonログイン&ペイメント

 前述のようなECサイトに訴求できる利点があることで、ECプラットフォームプロバイダー、デベロッパーなどECサイトを支援するサービスを提供する企業においても、Amazonログイン&ペイメントの導入が進んでいる。

 2016年4月には、そういった企業に対してのAmazonの公式認定制度「グローバルパートナープログラム」が開始された。公式パートナーとして認定された企業は、営業・技術・マーケティングの面で、Amazonの支援を無料で受けることができる。パートナー企業にとっては他社との差別化を図れるものであるし、そのサービスを受けるEC店舗にとってはAmazonログイン&ペイメントをより効率的に導入することができ、AmazonにとってはAmazonログイン&ペイメントの信頼性や利便性を広めることになるだろう。このプログラムは、現在、日本・アメリカ・ドイツ・イギリスの4ヶ国で招待制で実施されている。

 日本でのグローバルパートナー企業は、2016年4月末時点で、Premier Partnersが3社(フューチャーショップ・ecbeing・ビービーエフ)、Certified Partnersが8社(フラクタ・アイピーロジック・五反田電子商事・フラッツ・喜信堂・NHNテコラス・ロックウェーブ・GMOメイクショップ)となっている。

 実際にEC店舗の反応はどうなのだろうか。2015年9月にAmazonログイン&ペイメントを導入したフューチャーショップでは、導入開始後4ヶ月間、導入キャンペーンを実施した。その間に導入する意向を示した451店舗にアンケートを行ったところ、回答のあった301店舗(回答率67%)のうち、キャンペーン期間中に稼働したのは229店舗(稼働率76%)、継続意思を示したのは216店舗(94%)、83%の店舗が「効果を感じた」「見込めそう」と答えている。

 こういったアンケート、また実際にパートナーとなる企業が増えていることからも、Amazonログイン&ペイメントはEC店舗にとって益となるものであり、そこにサービスを提供する企業にとっても、大きな価値が感じられるサービスであると言えるのではないだろうか。

外部アカウントでログインする、これからの流れ

 Amazonログイン&ペイメントのように多くのユーザが使っているアカウントで、他のサイトにもログインできるようにするというサービスが広がってきている背景には、EC市場が拡大する中で、ユーザにとっては、あまり知らないEC店舗で個人情報を入力することに対する抵抗感、またさまざまなEC店舗で個人情報を入力することの不安感や煩わしさもあるだろう。外部アカウントログインでこの点を解決することができれば、EC市場のさらなる成長に寄与してくれるかもしれない。

 Amazonのようなアカウントを持つ側の企業にとっては、自社のアカウント利用が増えることに加え、EC事業に欠かせない要素である、決済の部分を持つことも大きいのではないだろうか。Amazonログイン&ペイメントの場合は、ここで利益を出すというよりは、さまざまなサービスに活用してもらうことを重視している感がある。まずサービスのつながりを広げ、ユーザの利便性を向上させ、そこから新たな展開へ移る。それはAmazonのサービス全体に通じる在り方であるようにも思う。そういった意味でも、Amazonログイン&ペイメントの今後の動きは目が離せないものであるし、他サービスも含めた外部ログインサービスが、今後各社どのように特徴を出し動いていくのか、引き続き追いたいと思う。

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