情報解禁!実店舗も財布不要のスマホ決済 Origami Pay

ECのミカタ編集部

アップルストア表参道にて。
左から、鈴木おさむ氏、康井義貴氏(Origami 代表取締役)、伏見慎剛氏(Origami)

2016年5月19日(木)、アップルストア表参道にて、株式会社Origamiによるスマートフォン決済サービス「Origami Pay(おりがみぺい)」のローンチイベントが行われた。「Origami Pay」は2015年10月より「Origami 決済 β版」として提供されていたが、このイベントを持って公式にサービス開始となる。このサービスを使うことで、消費者はオンライン・オフラインを問わずスマホ一つで簡単かつ安全に決済をすることができ、店舗側は決済に関わる業務を効率化、消費者一人一人にパーソナライズされた提案をすることができる。EC店舗もリアル店舗も、その在り方を大きく進化させる可能性を持っている、この新たな試みを紹介するとともに、決済方法の未来を考えてみる。

日本のモバイル決済の夜明け(Origami 伏見慎剛)

 「Origami Pay」の紹介に先立ち、株式会社Origamiの伏見慎剛氏より、「スマートフォン決済の現状」について話があった。

 モバイル決済というのは、世界の市場で見ると非常に早い成長の過程にあり、様々なサービスが登場しているという。その中にあって、単にモバイルで支払いができるというだけのサービスは既に陳腐化しており、競争に勝てない状況だ。特に中国の成長は早く、一方日本では少しずつ立ち上がりつつあるという状況だ。日本の場合、様々な業界で日本独自のルールが存在しており、サービスがガラパゴス化する傾向にある。また、店舗側からすると、次々と登場するサービスに合わせて新しい端末を入れることに疲弊しており、普及にそれほど積極的になれないという傾向もあるそうだ。

 そんな状況を改善するために、日本も政府として積極的に取り組む姿勢にあるという。その中で、ポイントが3つあるそうだ。1つ目が、店舗における決済作業の利便性・効率性を向上させるということ。2つ目が、インバウンドでも積極的にお金を使ってもらえること。そして3つ目が、セキュリティの保証だ。クレジットカード利用では、加盟店のカードスワイプ端末からの情報漏洩、カード情報の保持保管による不正利用が少なからず起こっており、モバイル決済においても同様の事態が起こる可能性は十分にあり、対策が必要となる。

 Origami Payは、この3つのポイントを押さえたスマホ決済だ。スマホ1つあれば、現金もクレジットカードも必要なく、消費者・店舗のいずれの側にも安心かつスピード感のある決済方法を提供し、便利でお得な買い物体験を提供していく。その詳細について、株式会社Origami 代表取締役の康井義貴氏より続けて話があった。

決済のイノベーション (Origami 代表取締役 康井義貴)

 株式会社Origamiの誕生は4年前、もともとはECの会社として成長してきた。その中で、スマホ決済サービスを提供することになったきっかけは、テクノロジーが進化する中で、電話が無料でできるようになったり、物流が安く利用できるようになったり、モノの移動についてはコストが下がっているのに、お金の移動についてはイノベーションが起きていない、また、特にEC市場においてはテクノロジーが進化しているのに、それがオフラインの小売市場には活かされていないという思いがあった。

 EC店舗の販促施策にあたる動きとして、リアル店舗においては、スタンプカードやポイントカードなどのメンバーシップがある。これらのサービスは、来店者の約10%が利用しているという。その会員に対して、店舗はDMやメルマガなどを送る。だが、DMの効果測定は難しく、特にリアル店舗の場合、配布した数だけしか把握していないということも珍しくない。ある程度数字を追えるメルマガにおいても、開封率は10%程度で、メルマガ内のリンクをクリックするのは20〜30%ぐらい、そこから購入する率は限りなく少ないという調査結果もあるそうだ。

 だが、スマホを利用すれば状況は変えられる。Origami Payは、店頭でスマホを使って簡単に支払いができるということに加え、店舗側は、新たな端末を導入する必要はなく、お客さんのデータを活用して、メッセージやクーポン、商品案内など、適切なタイミングで適切な提案をすることができる。もちろん、リアル店舗とEC店舗とで連動もできる。昨今話題のオムニチャネルにも適したツールだ。消費者にとっても、いつも持ち歩いているスマホさえあれば、現金もカードも不要になり、セキュリティも担保され、無駄な案内がなくなるというメリットがある。テクノロジーの力を使って、オンライン・オフライン問わず店舗とお客さんをつなげる、これがOrigami Payの目指すところだ。

三者対談:「なんでだろう?」を形にしたら

 最後に、Origami代表の康井氏、伏見氏に加え、ユーザー側の視点として、放送作家の鈴木おさむ氏がわわり、Origami Pay誕生の背景、そしてその特徴などが挙げられた。

 鈴木氏いわく、Origami Payは、世の中にあまたある「何でだろう?」という疑問の1つ、EC店舗で買い物をすると時にはワンクリックなのに、リアル店舗では何で簡単に支払いができないのか、それを解決するサービスだという。ネットで簡単に映画を観られるようになっても映画館に行く人がたくさんいるように、EC市場が発達しても実店舗での買い物というのは求められる体験だと鈴木氏は言う。だが、そこで不便だった点が決済で、それが解決することで、実店舗での買い物はもっと楽しくなるはずだ。

 康井氏、伏見氏によると、Origami Payは、当初発案から2年ほどで実現化できるだろうと考えていたが、結果的には4年ほどかかってしまったという。そもそも、スマホ決済についての定義が、役所でもカード会社でも、店舗でもはっきりしていなかった。そこをクリアにしつつ、商業施設に入っている店舗などとは契約関係について調整しつつ、やはり資金もまとまって必要になるのでそこも対応しつつで、ようやくスタートにこぎつけた。

 EC店舗がどんなに便利になっても、実際にお店に行って、手で触れて、試して買い物をするという、ECに代えられないリアル店舗の価値もあると、康井氏も言う。そこを、ECとリアルで区切るのではなく、つなげようとしているのが、Origami Payだ。

まとめ:今後の展開に期待大、決済市場はどう動く?

 Origami Payはローンチとともに、大手商業施設、映画館、サロンやアパレルショップ、レストランなどでも導入され、今後さらに拡大される予定だという。新しいサービスを普及させるためには、まずはユーザーに使ってもらう必要がある。そのため、導入店舗ではほとんど、割引や特典など、Origami Payによる決済が一番お得という状態を作っているそうだ。

 また、鈴木氏いわく、Origami Payには、もともとのECのショッピングプラットフォームがあり、そこではユニークかつ良質な品がそろっている。そこで作り上げられてきた信頼感が、Origami Payの導入にも役立っているのではないかと言う。

 さらに、実はOrigami Pay決済時の音は、なんと人気クリエーター・アーティストの「サカナクション」が作曲している。この印象的な音が流れることにより、決済の瞬間に楽しみをもたらしたり、Origami Payの認知をより広げるのではないだろうか。

 Origami Payのローンチ発表からは、単に新しいサービスの発表という以上に、日本のEC市場とリアル店舗をも巻き込んだ、決済のイノベーションの可能性が感じられた。このイノベーションが起これば、市場はきっともっと成長することになるだろうし、成長したい店舗はそこに柔軟に対応することが求められるだろう。

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