決済手数料も無料のモールCart誕生!Cart尼口社長の真意

石郷“145”マナブ(編集長)

Cartがモールに大変身。世界初!出店料も決済手数料も無料

 カート株式会社は、昨年来「Cart」というショッピングサイトを展開、このサイトでは、有名人が商品をクリッピングすることで、消費者の商品の見方を変えて、ECにおける“ものを買う”基準を変えてきた。そして、その「#Cart」をそのままショッピングモールに変えるとの発表が今朝、なされた。

 この新しいショッピングモール「Cart」は画期的で、月額費用や売上ロイヤリティだけでなくカード決済手数料も無料、つまり、販売事業者は一切のコスト負担なくネットショップを開設 することができる。早速、その部分における話を聞いてみたく、カート株式会社 代表取締役の尼口友厚氏を直撃した。

石郷 なんか、新しいことをやるそうで。

尼口 今までの「Cart」のことは忘れてもらった方がいいかなって思っています。今までは、それぞれで店舗を各自で作っていただいて、著名人などのお勧めなどを通して、その商品を扱う店舗へとつなぐ橋渡しをしていたわけです。ところが、これからは店舗に誘導して、という遷移すらなくなる。なぜならCart自体がモールになるからです。

石郷 前々からこういう構想はあったんですか?

尼口 まったく考えていなかったんです。ですが大きな課題が出てきてしまって。5000店舗位、「Cart」には出店いただいているんですが、商品が気になったとしても、その店舗に飛んでいってから、購入するので、欲しいなと思っていても、すぐ買えない。

 会員登録しなければならないし、登録を含め、プロセスも長いもので20工程くらいかかるし、一つ一つの店舗に個人情報を出すのも抵抗がある。確かに、今までだと、店舗にお客様を送り込めているけど、なかなか本当のコンバージョンまで結びついているのか、と。Cartがモールになることで、全てが一気に解決します。20を2とか3ステップになれば、欲しいなという気持ちを熱い状態のままで、購入まで持っていけますよね。

出店にかかるコスト負担もなし、決済手数料も無料

石郷 メルカリみたいですね。Cartの中で会員登録を済ませていたらすぐに注文できちゃう。確かに店舗さんのことを思えば、自然な流れですね。そして、なんと言っても、全てが無料というのも驚きました。

尼口 店舗にあるほのかな不満というか、たとえ無料と言われているところでも、結局、お金かかるんじゃんって。そういう思いを解消したい。でも、僕らが言いたいのは、他社がどうこうじゃなく、クレジット決済とかについて知らなくても、純粋に、自分の可能性を試せる環境を作りたいということなんです。いまや、ネット通販は身近になっていて、ネットショップのオーナーさんにも民主化の波といいますか、初心者化が進んでいるわけです。できるだけ、そういう小さな悩みもすべてとりのぞけるように、全てゼロにしたというわけです。

石郷 確かBASEだとカード決済で3.1%で、stores.jpは5%だったと記憶しています。こういうところも、ゼロってことですよね。

尼口 そうなんです。他に何がかかるかというと、他も何もかからない。そうですね、売り上げを送り込みをする際の手数料が250円、かかるだけですね。他は完全にゼロなんですよ。

既成概念にとらわれない手数料無料、作り方の簡単さ

石郷 でも、なんで無料で実現できているのか、というところが気になります。

尼口 難しく考えることはなくて、やり方が違うだけです。僕らは、ECサイトにお客様を来てくれたとしても、そこで稼いだお金はシェアすることなく、僕らはそこでもらうPVをベースにどうやってビジネスをしていくのか、ということなんです。

石郷 へぇ、なるほど。逆に御社にとっては、ショッピング自体で儲けるというよりは、そこから派生するものに価値を見出して、そこに付加価値をつけて、自らのビジネスの発展性を見ようというわけですね。

尼口 ちょっと例えて説明すると、ECサイトにしたら、PVなんて豆腐屋でいう“おから”みたいなもんなんですよ。おからって、別に売れなくてもいいけど、売れたらラッキーくらいの、そういう副産物なんですね。でも、逆に、僕らはその“おから”を有効活用して、どうやって価値に変えていけるか、を考えていきたいんです。”おから”でいえば、それらを集めて、考えにも及ばなかったような健康食品に作り変えちゃいます、みたいな。考え方をまるっきり変える必要があって、その意味で、手数料などで商売を形成している、今までのモールの考え方とは違います。

ECに新たな光をあてるCartの役割

石郷 そういう一切の面倒な部分がなくなって、いろんな人の可能性が開かれ、門戸が開かれる可能性を思いましたが、サイト自体もすごくシンプルですし、決済手数料の部分以外で、新しい人にチャンスを与えるポイントとかがありそうですが・・・。

尼口 そうなんです。例えば、簡単にできると言っても、3分くらいで作った後、さぁどうしようと。ずばり、売れない。その後お客様とのアプローチに悩むわけです。だから、お店の管理画面の一部なんですけど、そこのプロモーションというメニューを使えるんですね。例えば、商品の画像さえあれば、それを目的に応じて、装飾できるようになっている。じゃあ、オープンニングセールをやろうということになったらボタンひとつで、そのセール用の画像に加工できて、そのまま、LINE@とかで、送れて、お客様にアプローチできちゃう。

石郷 おお、何か新しい発見であるとか、クリエイティブなものが生まれそうな感じがしますね。例えば、センスのあるデザイナーだって、アンテナを張っているバイヤーだって、画像にしても、システムにしても、リテラシーの部分に不安を感じているわけです。でもこれだけ簡単に作れてしまえば、感度の高さを持った人が、感じるままに、そのタイミングで、その高いモチベーションで、そのまま、売り場を作れて、アプローチできるわけですから、今までにない商品がここで産声をあげて、ヒットする可能性も考えられそうに思います。

尼口 もともと、僕らは言葉に出していなかったのですが、世界中のものが垣根超えて、簡単に買えるということがポリシーとしてあるのですね。こういう環境を作ることで、生活の質が向上するような、新しい発見が手に入る、ってことなんです。だからこそ、この「Cart」を通して、新たな才能や、埋もれてしまっていた思いを露出させて、ボーダーレスに、やりとりをするそういうプラットフォームを作れたら、と思います。

 なるほど。既存のモールやカートシステムに対して、どうこう言うつもりもないし、彼らには彼らの存在価値や意義がある。ただ、それとは違った既成概念にとらわれない、Cartには新しい発想を期待したい。それだけのポテンシャルを持っていると僕は感じたから。それぞれがそれぞれの企業ごと、自分たちの持ち味を生かし、僕らがECを通して本当にやるべきこと、お客様にとっての最良の笑顔につながれば、と切に思う。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ(編集長)

ECのミカタ 編集長。キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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