AIは敵か味方か?コミュニケーションロボットは脅威?【クロス・マーケティング、ビッグローブ調べ】
コミュニケーションロボットの接客に抵抗?
株式会社クロス・マーケティング(以下、クロス・マーケティング)は、一都三県(東京都・神奈川・千葉・埼玉)に在住する20歳~79歳の男女を対象に「コミュニケーションロボット」による接客に関する調査を実施した。
コミュニケーションロボットによる接客の利用意向は、「利用したい・やや利用したい」が24.7%、「全く利用したいと思わない・あまり利用したいと思わない」が43.3%となり、利用意向は高いとは言えない。また、利用したい理由は「楽しそう」(50.0%)、「気を遣わなくて良さそう」(39.5%)が挙がった。一方、利用したいと思わない理由では「会話の微妙なニュアンスなど、人間の接客の方が良い・勝っている」(27.4%)、「人間より時間や手間がかかりそう」(26.9%)となり、“技術面での不足感”が強いことを感じている人が多い。
さらに、コミュニケーションロボットの存在を知っている人は80.1%と高いが、そのうち、店頭などで接客を体験したことがある人は、わずか7.1%だった。接客体験者の評価では「楽しい」(67.1%)と大多数の人が楽しさを感じており、次いで「親しみやすさ」(49.4%)、「気軽に利用しやすい」(41.2%)となった。
また、コミュニケーションロボットが接客をすることについては、「非常に抵抗がある・抵抗がある」が25.1%となった。だが、約半数の48.5%は「抵抗は無いが、違和感がある程度」との回答にとどまっている。
コミュニケーションロボットで思い付くものとは?
クロス・マーケティングとは別であるが、ビッグローブ株式会社(以下、ビッグローブ)も「AI」に関する調査を実施していた。対象は、インターネットを利用する全国15歳~84歳の男女、合計1,114名だ。この調査結果を上部の調査内容に合わせて一部紹介する。
「AI」という言葉に関して、62%が「意味を知っている」と回答した。また、「聞いたことがあるが、意味は分からない」と回答した人29%を合わせると、91%が「AI」を認識していることとなる。さらに、「AI」で思い付くものを尋ねた質問には、ソフトバンクのロボット「Pepper」と回答した人が66%と最も多かった。次いで、囲碁で人間に勝利した「アルファ碁」が23%、IBMが開発したAI「ワトソン」が20%となった。なお、18%で続いた「スカイネット」は、映画「ターミネーター」に登場するAIで、架空の存在ながら上位にランクインした。
また、「「AI」に期待しているか、脅威を感じるか?」という質問には、「どちらかと言えば脅威に感じる」が20%、「かなり脅威を感じる」が8%で、合計28%が「AI」に脅威を感じていると回答した。さらに、同対象に「「AI」に対して脅威と感じることは何か?」という質問に関しては、「システムエラーによる事故や社会混乱」と回答した人が58%だった。続いて「知能が人類を超え、制御不能になる」(46%)、「自分の仕事を奪われる」(25%)となった。その他に「自我を持って人類の敵になる」も24%で、AIが意識的に人間に敵意を持つ可能性を不安視する声もあった。
コミュニケーションロボットが存在するおかげで、作業がスムーズに進んだり、お客さんを待たせることが無くなったりとメリットがある。だが、お客さんは、「利用したくない」や「脅威を感じる」などと思っていることが多いことが調査結果から分かった。一見、コミュニケーションロボットの発展により、業務的にも助かっており、お客さんからも好印象のように見えたが、この調査により一転した。とはいえ、コミュニケーションロボットの存在を良く思っている人が居ることも事実であるため、利用の仕方を工夫すると多数の人に好まれるようになるかもしれない。