EC業界News1週間まとめ〜Yahoo!他、決済の進化。Amazon楽天等セール近況

石郷“145”マナブ

6/26〜7/2のNewsをギュギュっとまとめました

こんにちは。1週間まとめの時間がやってきました。
結構、プロフィールを見る人って多いのか、卵焼きが好きなんですよね?とたまに取材先に言われます。なのでこれからはちょっと変えていこうと思って、私の苦手な食べ物を書いておきました。(笑)。

さて、今週読まれた記事は下記になります。

【速報】ヤマト、AI使いLINEで荷物状況問い合わせ!
https://ecnomikata.com/ecnews/9751/
ヤフーの本気が物流と決済に〜流通総額1.5兆円突破のその先は
https://ecnomikata.com/ecnews/9810/
Amazon「プライムデー 2016」は7月12日に開催!
https://ecnomikata.com/ecnews/9829/
同時開催のヤフー・楽天セール、今回の傾向はいかに
https://ecnomikata.com/ecnews/9787/
BASEの20万店舗が「PAY ID」を導入!その意図は
https://ecnomikata.com/ecnews/9745/

抜け目ないヤフー陣営のECに対する施策

抜け目ないヤフー陣営のECに対する施策

今週も色々なニュースがありましたね。

 よく読まれた記事にヤフー関連の「ヤフーの本気が物流と決済に〜流通総額1.5兆円突破のその先は」というニュースがあります。関連子会社のアスクルが運営する「LOHACO(ロハコ)」で配送で新たな取り組みをするというのです。それは、一部の地域限定(東京都千代田区、中央区、港区、江東区と大阪府大阪市北区と、福島区、此花区)ではありますが、日付指定の際に、時間の指定を1時間単位でできるというものです。前日にはさらに、30分単位で教えてくれるそうで、1回あたり3900円以上購入すれば無料でできるとしています。例えば、日付指定をしていても、その宅配業者が来るまでの時間を無理して待っている必要がありません。

 先日もネットショッピングをしたところ、8時から12時までと書いてあって、11時58分に来ていたりしましたので、例えば、こういう時もより絞られていると、その日の予定を無駄にすることなくできる、というわけです。

 こういう話を見るにつけ、根本的な話ではあるが、昨年、ヤフーがアスクルを子会社化した効果がジワジワっと見えてきたんじゃないかなって思うわけです。これまでも、ヤフーのEC強化においてその動きが大きなものだったことは、決算発表を見るに、アスクルの事業がかなりの増収増益であり、それが本体のヤフーの数字にも良い影響を及ぼしていることからも分かりますが、ただ、その部分だけ見て、よかったね、というのではあまりに勿体無い。

LOHACOの利便性向上、Yahoo!マネーなど機能の追加は何をもたらす?

LOHACOの利便性向上、Yahoo!マネーなど機能の追加は何をもたらす?

 そもそもLOHACOを運営するアスクルは、もともとBtoBにおいて圧倒的な品揃えと企業の信頼に足りる流通網があるわけです。そういう部分があるから、もとより、関東や近畿では一部エリアを除いてだが、午前10時までに注文すれば、その日の午後6時以降に届けることができるというサービスを実現している。送料についても、税込1,900円以上であれば無料になる。きちんとしたベースと安定感があるように思うのです。

 その長年培ってきた強みを、一般消費者にも還元しようという流れが続々生まれれば、それはECにとっても大きな動きであり、消費者の満足度を高めます。と同時に、それはヤフーやアスクルの一層の売上アップが約束されているわけですから大きい。また、EC店舗にとっては、ここも意識していかなきゃいけない。今回にしても、流通で差別化できるメニューを用意してきた、というわけです。ここに、ヤフーの今後の勢いを予感させるものがあるわけです。

 記事では合わせて、Yahoo!マネーについても触れさせてもらっており、これは、Yahoo!ウォレットの中の新たな機能として、追加されています。これまでも、Yahoo!ウォレットの決済手段としてはクレジットカードと口座振替が中心だが、追加された新機能が今話した「Yahoo!マネー」と「預金払い」です。この「預金払い」は、対象の口座を「Yahoo!ウォレット」に登録すると「ヤフオク!」「Yahoo!ショッピング」「LOHACO(ロハコ)」での買い物において、お支払いの際に銀行口座から即時に代金が引き落とされる決済手段なのです。

 Yahoo!マネーは、電子マネーであり、事前にチャージしておけば、それを活用して物を購入することも可能で、何より注目なのが、ヤフオク!をこれで決済すると、お客様には落札価格の2%が支給されるというのだからお得。ヤフオク!に出店している店舗においては、注目しておきたい機能です。今後の展開を占う上で、この辺の決済絡みの変化も押さえておきたいところです。

PAY.JPによる決済の利便性向上は、新たなマネタイズの可能性を引き出す

PAY.JPによる決済の利便性向上は、新たなマネタイズの可能性を引き出す

 さて、その他で注目したのは、BASEの動きで、PAY IDということに関するニュース。以前、取材の合間、BASEの鶴岡社長が、前々から決済事業はやりたかったと話していたように記憶していますが、その決済事業は、このPAY IDをもって、本格化するんじゃないかなって思います。

 基本は、PAY.JPという決済が礎となっていて、それとPAY IDをセットにして考えると、わかりやすい。PAY.JPがどういうものかと言うと、僕の中では、それは、ネット上での「財布」だと思っています。例えば、インターネットでどこかでお金を払わなければいけない場面があるとします。もし、 PAY.JPで決済ができるようになっていたら、そこが窓口になって、サクッと決済が完了ですわけです。これがあることで、ネット上のサービスに、お金を払うということができる。それは、必ずしも、店の体裁を整えていなくてもいい。仮の話ですが、ECのミカタにこのPAY.JPをつければ、記事を有料化することだってできるわけです。

 ではなぜ、IDとセットで考えるとわかりやすいかというと、PAY.JPというものがあるおかけで、お金を払う行為ができるようになったわけですが、そのPAY.JPを使うロケーションが変わるたび、一回一回、クレジットカードを登録をするとしたら、それは面倒ですよね。だから、PAY IDとして自らのアカウントの登録ができていれば、その登録の個人情報の中でクレジットカードを登録していたら、自分のIDを呼び出せば、それすらも紐付けされて登録されているので、ログインだけすれば、入力しなくていいというわけです。

次のページでは、ヤフーのセールの売上結果と、Amazon・・・

BASE鶴岡社長が考える、PAY.JPに見る決済の未来とは?

 PAY.JPが浸透すれば、そこでのアカウント、つまりPAY ID自体が財布のようにして、必要に応じて、お金を払ってサービスを受けられるというわけなんです。また、PAY.JPを採用する企業にとっても、これによりクレジットカード払いなどで、躊躇していた人がお金を払ってもらいやすくなり、売り上げ増につながります。また、決済手数料も良心的で、VISA,マスターカードでは、3.0%、その他で3.6%となっています。

 今よりもっと、ネット上のサービスとして、この決済が浸透することは、いろいろなことに、今よりもっとお金を使いやすくなることを意味しており、EC業界の発展ともつながります。以前、これも鶴岡社長が話していたこととして、BASEでお店をやっていただく人がいる一方で、そこで成功された方の行き着く先は、お店での売り上げを伸ばすことのほか、物を売る以外の独自のサービスで収益を狙うことだってあってもいいということがありました。つまり、今よりもっと、違った形で、お金を支払う仕組みができれば、人々の中にあるその潜在的な可能性は、その仕組みを通して、事業として成功して、その人自身の人生を開花させるかもしれない。だとしたら、すごく面白いことだと思うのです。

Yahoo!ショッピング大感謝祭セールは前年同期比2倍以上!Amazonもプライムデー!!

Yahoo!ショッピング大感謝祭セールは前年同期比2倍以上!Amazonもプライムデー!!

 ここ最近、割と同じ時期に合わせて、各ショッピングモールがセールを実施する傾向がみられ、先日も、ほぼ同時期に、「楽天スーパーSALE」と「Yahoo!ショッピング20周年大感謝祭セール」が開催されました。

 楽天は、セールの打ち出し方ひとつにとっても「買えば買うほどポイントアップし、最大35倍のポイントゲット」とあるが、「どのようにしたら35倍もポイントをもらうことができるのか」などに触れ、セールの盛り上げだけに流されることなく、お客様が正しくセールを理解して、購入してもらう配慮が見られる。いかに不快感をなくしてショッピングをしていただくかに重きを置いた最近の楽天らしい一面かもしれない。

 なお、Yahoo!ショッピングに関しては、20周年大感謝祭という祭り感の演出に力を入れ、TVCMの投下など、いい買い物の日以降に顕著に見られる積極的にアピールをしていく戦略で、進めています。以前、執行役員の小澤隆生さんが言っていたが「他のモールがどうこうではなく、ヤフーとして考えているのが、今のEC市場のパイを取り合うのではなく、あくまでEC化率をもっとあげられるのではないか」ということです。ヤフーにおける様々なコンテンツに関わるお客様は多く、それらのすべての人に、ショッピングの勢いを見せ、また、CMなどを通して、まだ訴求できていなかった層にアピールすることで、まずは一度、買ってみようという気持ちにさせることが主眼に置かれているように感じます。結果的に、昨年同期比の2倍以上の売り上げとなったそうで、Yahoo!の攻めの姿勢は、今後も続くでしょう。

 となると、Amazonは…?となりますが、やはり、つい先日、7月12日に日本、アメリカ、イギリス、スペイン、イタリア、ドイツ、フランス、カナダ、ベルギー、オーストリアの計10ヵ国で同時開催するとし、日本では7月12日の午前0時から様々な商品のタイムセールを展開する。こちらは、昨年に続く2回目だ。昨年のデータを見ればわかるが、その迫力はすごく、2015年に「プライムデー」を実施した9か国では、2015年のこの日だけで3,440万点の商品が購入。これは毎秒あたり398点の商品が購入されたことになる。今年もこれと同水準、もしくはそれ以上が考えられ、Amazonの勢いを感じさせる1日となるであろうことは容易に想像できます。

 ただ、楽天、Yahoo!と戦略の違いを垣間見ることもでき、Amazonだけは、参加条件としてプライム会員になっていなければならなく、売り上げを上げることよりも、有料会員であるプライム会員を増やし、安定した収益源を作ることと、プライム会員にとっては、数々の特典があるが、会員が受ける恩恵の一つとして、このセールを位置付けていくと思われ、多くの消費者が、会員になるかどうかに迫られる日となるでしょう。

 というわけで、今週は、こんな感じで。また、来週お会いしましょう。どうか笑顔溢れる一週間でありますように。では!


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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