トレンドのAIチャットボット、未来への可能性に迫る

ECのミカタ編集部

EC業界においてチャットボットが流行中!

 年々EC市場は伸びてきており、経済産業省によると2015年のBtoC-EC市場規模は13兆7746億円、前年比7.64%増と発表されている。そんな中、ECでの商売の仕方も時代と合わせて変わってきていて、より消費者が使いやすいように、進化している。

 そして近年EC業界においては、人工知能のAIを用いたチャットボットサービスが流行している。チャットボットとは、人間との自然言語でコミュニケーションを行うコンピュータのプログラムのことであり、生活に身近なものとしてはApple社が販売しているiPhoneに搭載されている。呼びかけると質問に答えてくれたり、会話をしてくれるため気軽にAIとの会話を楽しむ人も多い。EC業界でも最近話題になったのは、通販サイトLOHACOに導入された顧客サポートボットの「マナミさん」で、365日24時間対応で問い合わせの3分の1をカバーするといった活躍を見せている。“マナミさん”について詳しく知りたい方はこちらから。(https://goo.gl/W9hb2X

 また、6月27日にはヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト運輸)が自社のLINE公式アカウントにてAIを用いた荷物の問い合わせ機能が追加されたことが発表した。これにより会話するように問い合わせができるため、荷物状況の確認やお届けの日時・場所変更が一層スムーズになる。自分の荷物が今どこにあるのか、ということを気軽に問い合わせて、答えを素早く知ることが出来れば、顧客満足度も向上していくことが見込まれる。詳しく知りたい方はこちらから。(https://goo.gl/kH62yy

ECでのチャットボットの重要性

 経済産業省のデータから、現在AIチャットボットが重要視されている理由の1つとして、インターネット利用端末においてスマートフォンの割合が多くなっていることが挙げられる。2013年末時点では「自宅のパソコン」58.4%、「スマートフォン」42.4%という結果だったのに対して、2014年末時点では「自宅のパソコン」53.5%、「スマートフォン」47.1%、「タブレット型端末」14.8%となっている。

 ネットショッピングをするシーンとしても、自宅でパソコンの前に構えて行うというよりも、スマートフォンを使って場所を選ばず、例えば移動中の電車などで買い物を楽しんでいる姿も多く見かけるようになった。そんな中でECサイトへの問い合わせも「コールセンター」「問い合わせフォーム」「メール」といったツールよりも、「チャット」で行う方が、手軽であり、コンタクトが取りやすく、疑問なども比較的すぐに解決できるため返事を待つといったもどかしさも少ない。結果消費者の満足度を上げるというのは、売り上げを上げることに繋がっていくだろう。

サイバーエージェントがチャットボット会社を設立

 そんな現代においてAIを使ったチャットボットサービスが続々とリリースされているが、7月1日に株式会社サイバーエージェントのアドテクノロジー分野におけるサービスの開発を行うアドテクスタジオが、AIチャットボット事業を行う連結子会社として株式会社AIメッセンジャー(以下、AIメッセンジャー)を設立したことを発表した。

 そして人工知能を活用したチャットプラットフォームの「AI Messenger(エーアイメッセンジャー)」の提供を開始した。このAI Messengerを提供することにより、WEB上においても実店舗と同じような接客の実現や、企業とユーザーをOne to Oneで結んでいく最適なコミュニケーションの実現を目的としている。

 AI Messengerは、現在世に出ているチャットボットサービスと差別化するために「AI Lab(エーアイラボ)」連携し、自然言語処理技術に基づいた独自の会話エンジンを開発した。この機能には人と自然に会話をするように、商品に関する質問や相談に回答することができる。さらには簡単な雑談にも返答することが可能であるため、本サービスをECサイトで導入すれば、ユーザー問い合わせの回答スピード短縮化・効率化を図ることができる。

 また、企業のWEBサイト上のやり取りに加えて、SNSメディアにも対応している。そのため365日24時間多様なチャネルにてリアルタイムに問題を解決することが可能となる。AI Messengerを取り入れることによって、消費者は個人に合わせたツールでより気軽に問い合わせを入れられるため、離脱率を改善し、ECサイトへ訪れた人のうち、商品を購入する人の割合を増やしていく手助けをしていく。AI Messengerはより気軽に、そして自然に使うことができるため、今後人々の生活に密接に関わってくるのではないだろうか。
 

チャットボットがもたらすECの未来

 AIを利用したチャットボットがEC業界にて普及していくことにより、買い物という存在が実店舗とネットとの垣根を超えていくのではないかと予想している。それは今まで実店舗とECの大きな違いとされてきた“接客”がチャットボットによって実店舗のような接客に限りなく近くなってきているからだ。

 店員と会話をして商品のことを詳しく知った上で商品を購入したいというニーズだったり、実際に商品を見て購入したいというニーズも、AIを用いたチャットボットによって問い合わせ対応も然りだが、商品の魅力付けも人工知能がしていくことができるようになるのではないか。

 そうすると消費者にとってはどこで商品を買うかということが重要なのではなく、最終的に商品を購入できれば、それまでの手段はあまり関係が無くなってくる。そうなったときにECサイトは消費者を購入まで繋げるために一番快適な手段を提供する必要があるだろう。その快適な商品購入の空間を作るツールとして、チャットボットがあるのだと思う。


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