アスクルの「LOHACO」が支持される理由とは

2016/07/13

利根川　舞

　オフィス用品や現場用品の通販「ASKUL（アスクル）」を行っているアスクル株式会社（以下「アスクル社」）が運営する個人向け通販「LOHACO（ロハコ）」。

　2012年、ヤフー株式会社（以下「ヤフー」）との業務資本提携契約しサービスを開始。7月5日発表された決算によれば売上高は前期比で129億1百万円増収の328億45百万円となっており、成長が著しい。ではなぜそこまで「LOHACO」がこれまで成長しているのか、支持されているポイントをまとめてみた。

　主にパソコンでのテキスト検索などにより、「嗜好品を単品買いするロングテールのEC」から、スマートフォンなどで眺め買いをする「いつでも、どこでも、日常使いのEC」という、第二世代のECを目指す「LOHACO」ならではの取り組みが行なわれている。

約6,4000点の商品が税込1,900円以上で送料無料

◆配送料金が安い
　1回の注文金額の合計が1,900円（税込）以上の場合は配送料が無料となる。1,900円（税込）未満の場合は当日配送が500円（税込）、翌日以降の配送が350円（税込）となる。

◆当日配送可能
　午前10時までに注文した場合、当日の「18:00〜20:00」と「20:00 〜21:00」の配送時間を指定できる。

　当日配送エリアは東京都（大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅島三宅村、御蔵島村、八丈島八丈町、青ヶ島村、小笠原村を除く)、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府、京都府（京都市右京区の一部、亀岡市の一部、南丹市の一部、船井郡京丹波町を除く）、滋賀県、奈良県（奈良市の一部、宇陀市一部、五條市一部、山辺郡、宇陀郡、吉野郡の一部を除く）、和歌山県（有田郡の一部、伊都郡の一部、海草郡の一部、紀の川市の一部、新宮市、田辺市、西牟婁郡、東牟婁郡、日高郡の一部を除く）、兵庫県（姫路市の一部、豊岡市、養父市、南あわじ市の一部、朝来市、宍粟市、たつの市の一部、揖保郡、赤穂郡、佐用郡、美方郡を除く）。

ヤフーと連携で簡単・安心・お得に！

◆支払い方法
　支払い方法はクレジットカードや代引き、コンビニ後払いに加えて2016年5月に開始された「Yahoo!マネー」や「預金払い」などにも対応している。

◆Tポイントが貯まる・使える
　Yahoo!JAPAN IDを利用することで、配送先の情報や支払い情報などを簡単に、そして安全に登録することができる。また、商品価格100円（税込）ごとにTポイントが1ポイント付与され、1ポイント＝1円として支払いにも使うことができる。

約64000点を超える充実の品揃え！

　LOHACOでは食料品、ベビー・キッズ・介護用品、医薬品・ヘルスケア・衛生・文房具などをはじめ、無印良品。成城石井などの商品や伊勢丹・三越・DEAN&DELUCAなど、約64000点を販売。また、全国各地のお取り寄せ商品までと、生活に必要なモノに少しプラスした商品も販売している。

　商品の注文で特筆すべきことというと、第1類医薬品を購入する際には通常の商品購入と手続きが異なる点だ。注文確定後まず薬を使用する対象者への質問を回答、そして薬剤師からの薬の説明が書かれたメールが届き、そこにあるURLをクリックすることで注文が確定する。

LOHACOの顧客満足度向上施策

LOHACOの顧客満足度向上施策「Happy On Time」サービス画面

◆Happy On Time
　「Happy On Time」は「1時間単位ご指定」、「30分単位のお届け予定」、「10分前の直前おしらせ」という、小刻みな時間帯での受取時間指定、配達時間の通知が行われるサービス。AIと物流ビッグデータにより、最適な配送を実現。B to Bの荷物を一緒に運ぶことで配送単価を改善を目指している。こちらは8月末から本格始動予定だ（東京都千代田区、中央区、港区、江東区、世田谷区 / 大阪府大阪市北区、福島区、此花区）。

◆お問い合わせ
　通常の利用ガイドやFAQ、メールや電話に加えて、LOHACOではAI（人工知能）の”マナミさん”を導入。24時間365日問い合わせに対応できる体制で顧客満足度を向上させるとともに、省人化効果は6.5人分という効果をもたらしている。

◆アプリ
　LOHACOではアプリもリリースしており、アプリ限定のセールやマガジンなども提供している。

　今年の秋でサービス開始から4年となるが、次々と新たな取り組みを行っているLOHACO。品揃えだけでなく、アスクルがB toB事業で培った配送という部分も生かされており、これからが「LOHACO」が支持される大きなポイントであるに違いない。「ASKUL」とともにアスクルの主力として同社の売上に貢献しているが、今後どういった施策を打っていくのか、今後も追いかけていこうと思う。

記者プロフィール

利根川　舞

メディア編集部
ロックを聴きつつ平安時代に思いを馳せる文学人間。タイムマシンができたら平安時代に行きたいです。
ライブハウスやフェス会場に出没しては、笑って、泣いて、叫ぶ姿が目撃されている。ACIDMANや10-FEET、ROTTENGRAFFTYが大好き。

サービスやその場の雰囲気がイメージしやすくなるような記事を書いていきたいと思います。