悪評・クレームが多い業種「無店舗小売業」が1位に アラームボックス調査

最終更新日:

ECのミカタ編集部

【2025年上半期 インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種を発表】EC・通信・医療・飲食など、生活密着型サービスに不満が集中

アラームボックス株式会社(以下、アラームボックス)は2025年8月26日、「2025年上半期 インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種」を発表した。本記事では、EC事業者に関連する内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査期間:2025年1月1日〜6月30日
◆対象企業:アラームボックスでモニタリングしていた企業のうち、1万1230社
◆対象データ:インターネット上に投稿された口コミのうち、アラームボックスが「悪評・クレーム」と分類したもの
◆出典:2025年上半期 インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種を発表(アラームボックス株式会社)

無店舗小売業がランキングトップ

無店舗小売業がランキングトップ

ネット上に存在する口コミなどの定性情報を業種別に分析したところ、ECを展開する無店舗小売業で悪評・クレームの投稿数が最も多い結果となった。商品に対する不満としては「傷や汚れ」「不良品」「説明と異なる素材やサイズ感」などの指摘が多く、品質や表示への信頼を損ねる内容が多く確認された。

悪評・クレーム全体の中で、特に多かったのが「注文後に連絡が取れない」「返信が遅い」「返品・交換がスムーズに進まない」といった“対応面”への不満が目立つ。

この結果についてアラームボックスは「連絡の遅さや対応の不透明さがユーザーの不満を高める要因となっていました。発送予定や対応の見通しなどを適切に伝えることは、顧客の不安を和らげ、不要な悪評・クレームを防ぐ上でも重要であるといえます」とコメントする。

◆無店舗小売業の悪評・クレーム頻出単語(名詞のみを抽出)

小売業におけるクレームも多数

3位にランクインした「各種商品小売業」では、百貨店や総合スーパーの接客対応に関する悪評・クレームが多く確認された。特に「店員が高圧的だった」「明らかにやる気がない」といった、店員の態度や言動に対する不満が目立つ。

近年は店舗だけでなくオンラインショップを運営するケースも増えており、非対面での対応機会が拡大している。その中で「問い合わせに返答がない」「指定した配達日に届かない」といった、対応の煩雑さに関する指摘も複数確認された。

また、8位の「その他の小売業」においては、ECと実店舗それぞれにクレームが寄せられた。ECに関しては「不良品が届いた」「商品の状態が記載と異なる」といった商品品質に関する投稿が多く見られ、特に中古商品やコスメなど、商品の状態が重要となる商材に対しての不満が目立った。

クレームは中長期的なリスクを示唆する情報

アラームボックスは本調査結果の考察を一部、抜粋して紹介する。

「オンライン対応が中心となっている業種では、問い合わせへの未返信や、注文後の状況が把握できないといったケースが多く見られ、企業との接点が見えづらいことが顧客の不安につながっている点も特徴的です。(中略)悪評・クレームは、単なる一時的なトラブルにとどまらず、企業の運営体制や顧客との信頼関係に起因する、中長期的なリスクを示唆する情報でもあります」

EC事業者としては、今回の「悪評・クレーム」のケースを参考にして自社はもちろん業界全体のイメージアップのためにも、リスクの早期察知と評判管理を強化する姿勢が求められる。