JECCICA講演大盛況!カメラのキタムラ、ECも実店舗も店員も大変貌!?
JECCICA、開催!ECの今と未来がここにある
一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA(ジェシカ))は、5月22日、定例セミナーを開催した。
JECCICA 代表理事 川連一豊氏が冒頭、挨拶を行い、その中でAmazonの話題に触れ、「最近、AmazonはBMWさえも売るという動きで、今までの車の販売像とは全然違うシーンを演出したばかりです。そして、最近EC業界を賑わせたのは、AmazonPayments に関して。ただ、Amazonが最初というわけではなく、ヤフー、楽天などでもやられていたのですが時期尚早だったのか、そこまでは広がっていませんでした。今後は、これを契機に、一つの商品に対して、様々なサービスの決済窓口が同じ画面に表示される、というような時代がやってくるかもしれません」と、新しいECの時代到来を示唆した。
ECの未来とオムニチャネル〜カメラのキタムラ逸見氏
続いて、今回のメインである、カメラのキタムラの逸見 光次郎氏が登壇した。
逸見氏は「本来、ECと実店舗を切り離し考えてはいけない。EC・ネットは店舗のITと連携することで、小売業のインフラとなる」と説明した。
その言葉の通り、氏が強調し、ここ最近脚光を浴びているのが、オムニチャネルという概念である。「オムニ」=あらゆる、「チャネル」=顧客との接点を意味する。小売と消費者の関係には、大きく分けると下記の通り4つになる。
(1)小売と消費者が一対一の関係(シングルチャネル)。
(2)消費者が小売と一対一の関係なのだが、いくつかそれを選択できる(マルチチャネル)。例:今日は店舗に行って買い物、明日はネット通販。
(3)小売と消費者が複数対複数の接点で関係する(クロスチャネル)。例:カタログを見て、ネット通販をする。
(4)小売と消費者が複数対服数の接点で関係するとともに、情報が統合されているというもの(オムニチャネル)。例:店舗の買い物とネット宅配での買い物履歴が会員IDでつながり、双方で買った買い物履歴からお勧め商品情報とクーポンが送られてくるなど。
こうしたオムニチャネル化が進んだ背景には移動しながら、ものが買え、情報が入手でき、かつ店舗側もその情報を追うことを可能にした、スマートフォンの台頭が大きい。逸見氏は、カメラのキタムラにおいては、早速、本部とEC事業部との業務と統合し、ネットで購入した人も店舗で受け取れるようにし、ネットと実店舗のシステムを統合した。
店舗がECのために。ECが店舗のために。
さらに、最近、カメラのキタムラは、店舗内でチラシを配布して、店員が意識的に、そのチラシを持って、お客様にキタムラの会員登録を促すように動いていることも明らかにした。当然、そのチラシにはECサイトが記載されているため、従来からすれば、実店舗の店員から「ECの売り上げのためになぜ、そんな説明をする必要があるのか」という声が漏れそうだ。だが、それは氏いわく根本的に考え方が違うと説く。
ここで、面白いデータがある。カメラのキタムラにおいて、システムの統合を図ったことで、注文の形態は下記のように2種類、受取も2種類となった。ここに売上額を当てはめてみると、
【注文】
1ネットからの注文(家での注文262億円)
2店頭から注文(店注文167億円)
【受取】
1宅配受取(119億円)
2店受取(311億円)
となる。つまり、ネットで注文した人のかなりの割合の人が、店頭で受け取っていることがわかった。これは、実店舗を持つカメラのキタムラだからこその結果だ。
そして、重要なのは、これを何を意味しているか、だ。お客様にとっては、別にこちらが思うほど、ECであるとか、実店舗であるとかの意識があるわけではないということだ。そのお客様の都合に合わせて、どちらを活用するか、だけの話なのである。つまり、ECの利用機会が増えれば、実店舗を利用する機会も増えるわけで、その逆も然り。だから、実店舗の店員にも、ECへの誘導を促すのである。それは、実店舗の店員自身もわかっている。勿論、自分たちの売上につながるということを。
まさに、これからの時代は、実店舗を持っているところこそ、ECを活用し、お客様の利便性を向上させることが重要だということが非常によくわかる。氏の講演は、まさに、ECのあるべき姿、未来を映し出すもので、来場者にとっても、非常に関心を持って受け取られたのか、多くの質問が飛び交った。JECCICA事務局もまた、来場者から、これからにつながる、非常に有益な内容だったとの声が、多く寄せられた。
次は6月19日!「史上最強のお悩み相談会2015 by.JECCICA」
JECCICAは、6月19日、Eストアー5階セミナールームにて、「史上最強のお悩み相談会2015 by.JECCICA」を開催する。ここではJECCICA講師が集結し、直に相談をぶつけられるという絶好の機会となっている。上記セミナーが好評だったこともあり、定員がまもなく埋まりそうな状況だという。まだ申し込んでいない方は、是非、この機会を通じて、すっきり解決させて、晴れ晴れ、夏を迎えたい!
2015/06/19 (金) 15:00 – 20:30
会場住所
東京都港区西新橋1-10-2 日本
会場アクセス
住友生命西新橋ビル 5F 株式会社Eストアー セミナールーム
申し込みはこちら!
https://ecnomikata.com/seminar/detail.php?id=5252