インフルエンサー市場拡大も消費者からの信頼度に課題 ミンテルジャパン調査
株式会社ミンテルジャパン(以下、ミンテルジャパン)は2025年5月29日、ミンテルジャパンレポート「ソーシャルメディア・トレンド(インフルエンサー)日本-2024年」にて、日本のインフルエンサーマーケティング市場を発表した。
伸長するインフルエンサーマーケティング
サイバー・バズの調査では、2024年のインフルエンサーマーケティングの市場規模(年間収支額)は、前年比16%増加し約860億円と見込まれている。同社はこの要因の一つとして、「インフルエンサーが作成するコンテンツの、広告主のマーケティング活動の中での役割や価値が高まっている」と指摘。その他、TikTokに代表される縦型のショート動画が普及したことによる、画面のレイアウトの違いを生かした表現も市場拡大の追い風となっている。
また、インフルエンサーマーケティング関連の市場が今後も継続する中、短期的にはSNSユーザー数も右肩上がりの増加を継続すると考えられている。
出典: サイバー・バズ/デジタルインファクト調べ
SNSユーザー増加に反比例する信頼度
インフルエンサーから何かを購入する際に購入判断に影響する要素を質問した結果、日本の消費者の57%が「インフルエンサーに勧められた製品やサービスは買わない」と回答し、他の選択肢に大差をつけた。
ミンテルジャパンはこの結果について、「多くの消費者にとってインフルエンサーは単なる投稿者であり、購入に影響を与えるほどの力を持っていないと言えます」と述べる。
その他の回答には、「自身の興味やニーズに関連していること」「うまい商品や効果の解説」「専門知識」などが上位にランクイン。これらの回答から、消費者はトレンドに乗ったインフルエンサーよりも「必要な情報を正確に伝えてくれる」ことを重視している様子がうかがえる。
調査対象:18歳以上のインターネットユーザー2000人(出典: Mintel、2024年7月)
シニアインフルエンサーの可能性
日本の高齢者層の多くは、すでに情報収集の手段の一つとしてオンラインの活用を受け入れている。ミンテルジャパンレポート「シニアのライフスタイル - 日本 - 2024年」では、シニア層(60歳以上)が商品購入の際に参考とする情報源として、オンラインを挙げる回答は40%前後に達し、最も多い情報源のテレビに次ぐ回答となっている。
高齢化が進む日本では、スマホをはじめとしたデジタル機器の操作に習熟したシニア層も増加。このような中で、シニアインフルエンサーも登場し、デジタル化の影響を受けるシニア市場を今後開拓できる可能性があるとした。
調査対象: 40歳以上のインターネットユーザー1,800人(出典: Mintel、2024年2月)
ミンテルジャパンは「高齢化が進む日本の特性を強みに変える、専門性と信頼性を核としたインフルエンサーマーケティングの展開が、企業の成長を左右する重要なビジネスチャンスとなっています」とコメントする。
市場拡大、売上向上を目指す事業者は本調査結果も参考に、今後の施策を検討してほしい。
◆出典:ミンテルジャパンレポート「ソーシャルメディア・トレンド(インフルエンサー)日本-2024年」より