InsightXがシリーズAで6億円の資金調達実施 共同代表制で経営体制も強化

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ECのミカタ編集部

CX変革AIプラットフォーム「InsightX」を提供するInsightXがシリーズA 1st closeで6億円を調達。同時に共同代表制を導入し経営体制を強化

「シェルフ型レコメンド」をコアプロダクトに、CX(顧客体験)変革AIプラットフォーム「InsightX」を提供する株式会社InsightXが、DNX Venturesを引受先とした第三者割当増資により、シリーズA 1st closeにおいて総額6億円の資金調達を実施したことを発表した。

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「顧客体験のパーソナライズ」をリードする存在となることを目指す

2025年12月9日に発表された資金調達の概要は以下の通り。

●調達金額:総額6億円(シリーズA 1st close)
●調達方法:第三者割当増資
●引受先:DNX Ventures


InsightX社では、本件により、以下の3領域に投資を集中し、AI時代における顧客体験のパーソナライズをリードする存在へと成長する方針を掲げている。

【1】プロダクト開発の強化
「InsightX」のさらなる進化。ファッション・アパレルで培った技術を、あらゆるBtoC企業に展開可能なプロダクトへ。

【2】営業・マーケティング体制の拡充
ファッション・アパレル業界で蓄積してきた実績とノウハウを基盤に、BtoC業界全体へと営業・マーケティングを加速。あらゆる業界のBtoC企業の顧客体験のパーソナライズを支援する体制構築。

【3】組織体制の強化・ハイクラス人材の採用
エンジニア、営業、カスタマーサクセス、ビジネス開発など、各領域でハイクラス人材を募集。AIネイティブなプロフェッショナルチームの構築。

オンワード、パル、アーバンリサーチなどが導入

「シェルフ型レコメンド」は、ユーザーのインサイトに合わせて“商品の切り口”そのものをパーソナライズする独自のAI技術。導入企業は「シェルフ型レコメンド」をプロダクトとして利用できるだけでなく、InsightX社がECサイトにおけるCX改善を一気通貫で支援する。

すでにオンワード、パル、アーバンリサーチといった自社ECサイトを運営する10社以上が「InsightX」を導入しており、以下のような成果が出ているという。

●自社ECサイトの売上向上:
エンドユーザーの買い物体験を改善することにより、サイト全体の買い物効率が上がり結果として売上向上を実現。
●既存の魅力的なアセットのフル活用:
新しいコンテンツを作る手間なく、既存情報を活かして一人ひとりに最適な体験を提供。
●運用工数の大幅な削減:
手動でのセグメント設定や施策出し分けが不要となり、運用負荷を軽減。

※画像出典:株式会社InsightX

2025年12月より共同代表制を導入

InsightX社は2025年12月より、共同代表制を導入。この体制変更により「プロダクト開発と事業推進の両面から迅速な意思決定を実現し、さらに成長を加速させていく」としている。

●新経営体制(2025年12月付)
▷代表取締役CEO:中沢弘樹
▷代表取締役CEO:佐竹佑基(元取締役COO)

新たに代表取締役CEOに就任した佐竹氏は、「AIとパーソナライゼーション技術の進化により、BtoC業界全体のビジネスモデルは大きな転換点を迎えています。ユーザー1人ひとりのニーズは異なり、刻々と移り変わっていく——この変化に適応できるAIネイティブな企業だけが、次世代の顧客体験を創出できると確信しています」とコメント。

中沢氏も「ビッグテック企業の特権であったパーソナライズを、あらゆる企業が当たり前に実現できる世界。この実現に向けて、今回の資金調達と共同代表制の導入により、1段ギアを上げて事業を推進してまいります」と語る。

生成AIの登場によりECサイトにおける商品訴求コンテンツが増加する一方、ユーザーが「情報の海に溺れる」リスクも高まっている。そうした中で、独自のパーソナライズ技術を有し、事業者のCX変革を支援する同社の今後に、引き続き注目したい。


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