T2、自動運転トラックによる幹線輸送の商用運行を開始 佐川急便、日本郵便ほか5社が参画

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ECのミカタ編集部

T2、国内初となる自動運転トラックによる幹線輸送の商用運行を開始

株式会社T2は2025年7月1日より、関東〜関西間で自動運転トラックによる幹線輸送の商用運行を開始した。商用運行のユーザーとして、佐川急便株式会社、西濃運輸株式会社、日本郵便株式会社、福山通運株式会社、三井倉庫ロジスティクス株式会社の5社が参画するという。

5社が参画する自動運転トラックによる幹線輸送事業化

T2の発表によると、自動運転トラックによる幹線輸送の事業化は国内初(※1)の事例であり、その先駆けとして、佐川急便、西濃運輸、日本郵便、福山通運、三井倉庫ロジスティクス株式会社の5社から開始される。

5社とはT2の自動運転トラックが各社の既存の運行と同等の輸送品質や安全性を担保できることを実証で確認し合ったうえで、商用運行のユーザーとして参画してもらうことで合意しているとのこと。初回の各運行ルートは以下の通りで、今後は定期運行を目指すとした。

▽佐川急便
東名高速道路・綾瀬スマートIC~京滋バイパス・巨椋IC
▽西濃運輸
東名高速道路・厚木IC~京滋バイパス・久御山JCT
▽日本郵便
東名高速道路・厚木IC~京滋バイパス・久御山JCT
▽福山通運
東名高速道路・綾瀬スマートIC~名神高速道路・豊中IC
▽三井倉庫ロジスティクス
東名高速道路・綾瀬スマートIC~名神高速道路・吹田IC

2027年にはレベル4自動運転を目指す

今回の商用運行は、ドライバーが乗車した上でハンドルから手を放すレベル2(※2)自動運転トラックを用いて行われ、2027年にはドライバーの乗車を必要としないレベル4(※3)自動運転による幹線輸送の実現を目指すとした。

商用運行の開始後は、従来比で運行本数を4倍以上に増やし、運行頻度も週1回から週5回程度へと拡大(※4)。さらに、T2のエンジニアがドライバーと同乗していた運行から、自動運転トラックを運用するために必要なトレーニングを積んだドライバーによる「ワンマン運行」に切り替え、T2の運行管理拠点のみでオペレーションを完結させることで、通常の運送会社と遜色ない、自立した成熟体制の構築を目指す。

20社を超える企業との協議も進行中

T2は2022年の会社設立以来、自動運転トラックによる幹線輸送の実証に取り組んできた。同社では、数々の実証を通じて自動運転トラックという新たな輸送オペレーションの有効性を検証するとともに、関東〜関西間の長距離を自動運転で走行する上で必要な技術が確立した状況を踏まえ、今回商用運行を開始するに至ったとしている。

運行区間は、東名高速道路の横浜青葉IC(神奈川県)から、2025年6月に走破を達成した阪神高速道路の魚崎出入口(兵庫県)までの約500キロを設定した上で、今後、四国・九州へ延伸を図る。

今回ユーザーとしての参画が発表された5社だけでなく、T2では20 社超の企業との協議も同時に進めているという。トラックドライバー不足などの物流危機に対応するための取り組みとして、商用運行の本格化や区間延伸、レベル 4自動運転トラックによる幹線輸送と、今後の動向も注目を集めそうだ。

※1:公開情報をもとにしたT2調べ(2025年7月時点)
※2:ドライバーの監視のもとに行われる特定条件下での高機能自動運転
※3:特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態
※4:本数・頻度いずれも2025年1月比。なお本数は商用運行および同時並行して行う実証を合わせた全体

※出典:株式会社T2