T2、レベル4自動運転の社会実装へ向けた2つの実証を開始
株式会社T2(以下、T2)は2025年7月中旬以降より、「自動運転トラック輸送実現会議 ~L4 Truck Operation Conference~」の参画企業5社とともに、「関東―関西間の日中運行のオペレーション構築」と「遠隔での車両の監視および緊急時の対応の手順を確認する」という2つの実証を開始することを発表した。
2つの実証実験を開始
T2と「自動運転トラック輸送実現会議」参画企業5社は、現状のレベル2自動運転トラック(※1)から、レベル4自動運転トラック(※2)を社会実装させるにあたって固有の課題となる2つの実証実験を開始する。
◆実証①:日中時間帯を有効活用した運行オペレーションの構築
▷時期:2025年7月23日〜7月24日
▷場所:関東―関西間の高速道路の一部区間にて実施
▷役割:
・福山通運・三井倉庫ロジスティクス:積載貨物の提供、輸送オペレーションの提供
・T2:全体マネジメント、実験用車両の提供、関東―関西間の輸送
▷トラック:T2が開発したレベル2自動運転トラック(ドライバーが乗車し、レベル2相当で実施)
▷積載:福山通運、三井倉庫ロジスティクスの荷物
▷検証内容
・日中輸送における運行ダイヤ(切替拠点の通過時間等)の検証
・上記ルートにおける運行オペレーション・走行リードタイム検証
・想定したオペレーションパターンの有効性検証
※画像元:レベル 4 自動運転の社会実装に向けた固有の課題を解決へ(株式会社T2)
◆実証②:遠隔での車両監視および緊急時の対応
▷時期:2025年7月中旬以降
▷場所:関東―関西間の高速道路の一部区間で実施
▷役割
・KDDI:通信ネットワーク・遠隔監視システム提供、正常監視、異常時切り分け対応
・三井住友海上:緊急時の対応、現場駆けつけ・レッカー手配
・日本郵便:一時退避場所(高速道路外)の提供
・T2:全体マネジメント、実験用車両の提供
▷トラック:T2が開発したレベル2自動運転トラック(ドライバーが乗車し、レベル2相当で実施)
▷検証内容
・遠隔監視での異常検知時の対応における実効性や課題の検証
・継続輸送体制構築に向けた検証
・関係機関との議論に向けた課題の検証
※画像元:レベル 4 自動運転の社会実装に向けた固有の課題を解決へ(株式会社T2)
レベル4自動運転トラックに向けた準備を加速
2024年11月に設立した「自動運転トラック輸送実現会議 ~L4 Truck Operation Conference~」には現在、物流企業や自動車メーカーなど14社が参画。レベル4自動運転トラックの社会実装に向けて毎月、協議を重ねている。今回、同会議に参画する企業間での共創が必要な課題を中心に抽出。2つの実証を実施するに至った。
レベル4自動運転トラックによる幹線輸送では、インターチェンジ付近もしくは直結するエリアに、一般道における有人運転と高速道路における無人運転の切り替えを行う拠点(以下、「切替拠点」)の設置が前提となる。そのため、時間帯によっては上記拠点のキャパシティがオーバーする恐れがあり、運行ダイヤの適正化が課題となっている。
また、レベル4自動運転トラックで事故や故障などの緊急事態が発生した際に、適切かつ迅速な対応を取ることができる体制を構築する必要もある。
T2は今回の実証を通じて、オペレーションの実効性検証や課題の洗い出しを進め、レベル4自動運転トラックの社会実装に向けた準備を加速させる方針を示している。持続可能な物流の実現に向けた一歩として、実証後の進展にも注目が集まる。
※1:ドライバーの監視の下に行われる、特定条件下での高機能自動運転
※2:特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態