ECで最も購入される化粧品は「スキンケア用品」、“試せない不安”解消のために重要視するものは? ウルロジ調べ
EC物流代行サービス「ウルロジ」などを展開するディーエムソリューションズ株式会社(以下、DMソリューションズ)は、全国の20〜40代の女性で日常的にコスメ・化粧品をECで購入している500名を対象に「コスメ・化粧品のECでの購買課題に関する実態調査」を実施し、その結果を公表。同調査において、ECサイトでよく購入する化粧品のカテゴリーを尋ねたところ、約76%が「スキンケア用品」と回答したという。
調査概要
◆調査対象:20〜40代の女性
◆調査人数:500名
◆調査条件:日常的にECでの購買が多い、またはECでしか買わない層
◆調査対象エリア:全国
◆調査期間:2025年5月5日~5月8日
◆調査方法:インターネット調査
◆調査元:ウルロジ調べ
◆引用元:コスメ・化粧品のECでの購買課題に関する実態調査(ディーエムソリューションズ株式会社)
ECサイトでの購入カテゴリーのトップは「スキンケア用品」
ECサイトでよく購入する化粧品のカテゴリーを複数回答で聞いたところ、「スキンケア用品」が76.2%と、他カテゴリーを大きく引き離してトップに。「ベースメイク(50.2%)」「クレンジング・洗顔料(43.6%)」「ポイントメイク(40.4%)」といった他のカテゴリーと比べても、その差は顕著だった。
DMソリューションズはこの結果について、「スキンケア用品は個人の肌状態に深く関わるため、自宅でじっくり情報を集め、自分のペースで検討・購入できるECの購買スタイルと相性が良いと考えられる」と分析。ECサイトにおけるスキンケアカテゴリーの商品展開、詳細な情報提供、効果的な訴求が、サイト全体の売上や顧客エンゲージメントを高める上で極めて重要であると続けた。
「試せない不安」と口コミの絶大な影響力
EC購買における構造的な課題と言える「実店舗のようにテスターを試せないこと」の不安について尋ねると、半数以上が「不安を感じる」と回答(※1)。
すぐに効果を実感しにくいとされるスキンケア用品においても、テスターによる使用感やテクスチャーの確認が重要視されており、「試せない」というECの構造的な制約が、顧客の購買行動における不確実性を高めている様子がうかがえる。
※1:「ECサイトでは実店舗のようにテスターを試せないことについて、どの程度不安を感じますか」という質問に対して、「非常に強く不安を感じる」が9.2%、「やや不安を感じる」が42.4%という回答結果だった
こうした「試せない不安」を解消するために、ユーザーはどのような情報やサービスを重要視しているのか。「不安を感じる」と回答した258人にこの点について質問したところ、最も多く挙げられたのは「多様な使用者による口コミ・レビュー(58.1%)」という結果に。
テスターで体験ができないECにおいては、他のユーザーの「生の声」が不安を払拭するための強力かつ有効な代替手段となっていることが示唆された。
6割以上の顧客が「選択疲れ」を経験
今回の調査では、ECで高頻度で化粧品を購入する女性ユーザーの63.0%が、ECサイトの情報過多により「選択疲れ」を経験していることも判明した(※2)。
この「選択疲れ」を軽減し、自分に合う化粧品を効率的に見つけるために役立つと感じる機能や情報について尋ねたところ、「成分や肌悩みなどによる絞り込み検索機能」(38.2%)、「信頼できる情報源による製品比較やランキング」(37.2%)、「購入者レビューの要約やポジティブ/ネガティブ意見の分類表示」(36.4%)が上位に並んだ。
※2:「ECサイトで化粧品を探す際、小ひにゃ情報の多さから、どれを選べばよいか迷ったり、選ぶことにストレスを感じたりしますか」という質問に対して、「よくある」が12.2%、「時々ある」が50.8%という回答結果だった
この結果からは、ユーザーは単に商品を一覧表示されるだけでなく、自分の目的や条件に合わせて情報を絞り込み、比較し、判断するためのツールを求めている様子もうかがえる。
この結果についてDMソリューションズは、「ユーザーの肌悩みといったパーソナルなニーズに寄り添ったレコメンド機能は、ユーザーの心をつかみ、購買体験をパーソナライズすることで、よりスムーズな意思決定を支援し、選択疲れを軽減する上で鍵となると考えられます」と考察している。
ECサイトでの化粧品購入が一般的となる中、消費者の購買行動やサイトへの要望は変化し続けている。コスメや関連商材を扱う企業は、本調査も参考に、今後の施策を検討してほしい。