8割以上が季節イベントの準備にECサイトを利用 AtoJ調査
株式会社エートゥジェイ(以下、AtoJ)は2025年7月31日、季節イベントの準備時にECサイトを利用する経験者を対象にした、「ECサイトの利用頻度」や「購入検討時の情報源」に関する意識調査の結果を公表した。
調査概要
◆調査名:メルカート 季節イベント準備時のECサイト利用に関する調査
◆調査期間:2025年4月18日~4月21日
◆調査対象:季節イベント準備時にECサイトを利用する経験者
◆有効回答数:20代~60代の男女(500名)
◆調査方法:インターネット調査
◆出典:メルカート 季節イベント準備時のECサイト利用に関する調査(株式会社エートゥジェイ)
8割以上が季節イベントの準備にECサイトを利用
さまざまな季節イベントの準備において、ECサイトを「毎回利用する」「時々利用する」と回答した人は全体の82.6%(毎回利用:18.4%、時々利用:64.2%)にのぼった。
回答者属性は男性:60.2%、女性:39.8%。年代別では60代:33.4%、50代:30.2%、40代:24.0%、30代以下:12.4%。若干、高齢層が多い構成となったが、全世代でECサイト利用が広がっている様子が見受けられる。
AtoJはこの結果に対して、「これまで『対面購入』や『実店舗での準備』が中心だった年中行事も、今やECサイトが生活インフラの一部として広く浸透していることがわかります」とコメントする。
また、イベント準備の開始時期については、「1ヵ月以上前」が43.0%、「2〜3週間前」が41.2%と、合計84.2%が早めに準備を始める傾向が明らかになった。EC事業者にとっては、早期注文を促すキャンペーンや、長期にわたってイベント特集を展開することが、集客や売上拡大の有効な施策となるだろう。
購入時に重視する要素は「価格の安さ」がトップ
購入検討時の主な情報源としては「ECサイトの特設ページ(商品ページ)」29.4%、「購入者レビュー」24.4%が上位となり、公式情報と第三者の評価をバランス良く参照していることがうかがえる。
年代別では「ECサイトの特設ページ」を最も参考にする割合が、60代34.1%、50代29.8%、40代27.5%、30代以下19.4%と、年代が高いほど公式情報を重視する傾向が顕著になった。一方、30代以下では「SNSや動画プラットフォーム」を参考にする割合が19.3%と高く、若年層は“推し活”やトレンド発信を受けて新しい商品やサービスに出会っていることが強く感じられる結果に。
購入決定時に重視する要素としては「価格の安さ」が22.0%、「送料無料や配送条件の良さ」が15.4%、「商品レビューや口コミの信頼性」が11.8%が上位に挙がった。価格や配送条件、第三者評価が購買の決め手になっていることが浮き彫りになった。
この結果はECサイト側にとって「価格訴求や送料無料キャンペーンの強化」だけでなく、「レビュー・ブランドストーリーの充実や配送体験の向上を重視した施策」が重要となってくることを意味している。
パーソナライズされた体験提供が不可欠
これらの結果について、株式会社エートゥジェイ メルカート事業責任者/取締役である渡邉章公氏は、以下のようにコメントしている。
「本調査ではECサイト利用者の年代や利用頻度によって、求める情報や行動様式が大きく異なることが明らかになりました。特に、若年層はSNSや動画など多様な情報チャネルを活用し、シニア層は公式ページやレビューを重視する傾向が見られました。これらから、今後のイベント商戦やECサイト運営には幅広い世代に対応した情報発信チャネルの整備と、パーソナライズされた体験提供が不可欠になると考えられます」
また、「今後のECサイトには単なる“買い物の場”にとどまらず、ユーザーが参加・体験し、発見やワクワク感を得られるような仕掛けも重要。AIを活用したユーザー参加型の企画や、季節や嗜好に応じてパーソナライズされた体験の提供は、ブランドの新たな価値創出につながるでしょう」と続けた。