ギフト市場、多様化する贈る側の心理とニーズ オンワード樫山調査
株式会社オンワード樫山のマーケティンググループと株式会社大和は、2025年9月18日、「ギフトトレンドに関するアンケート調査」の結果を発表した。
調査概要
調査主体:株式会社大和
調査方法:インターネットアンケート
調査システム:Questant
調査対象:全国の20代から50代の女性
調査人数:1658名
調査期間:2025年8月5日~8月9日
◆出典:ギフトトレンドに関するアンケート調査(株式会社オンワード樫山)
“カジュアルギフト”の文化が広がりつつある
「直近1年間、どのようなシーンで贈り物をしたか」という質問に対する回答では「誕生日」(59.1%)が最も多く、次いで「季節の挨拶(バレンタイン・お中元・年末年始など)」(21.4%)といった季節行事に関連する回答が多く挙がった。
3位には「なんとなくの気持ち・ちょっとした気遣い」(16.4%)がランクイン。イベントや形式にとらわれず、気軽に贈り物をする“カジュアルギフト”の文化が広がりつつあることが可視化された。
「贈り物を選ぶ際の基準(重視するポイント)」をたずねる項目では、家族や仲の良い友達など“よく知る相手”に対しては「相手が喜びそうかどうか」(69.2%)が圧倒的。一方、会社の先輩や近所に住む方など“あまり深く知らない相手”には、「相手が喜びそうかどうか」は38.9%にとどまり、「実用性」(37.3%)や「価格」(34.4%)や「無難で失敗しないもの」(19.3%)という回答が多くなった。
よく知る相手には“喜んでもらいたい気持ち”が最優先される一方で、あまりよく知らない相手には“失敗したくない”という心理を含めて、さまざまな角度からギフトを選んでいることがうかがえる。
「気軽さ」が人気のソーシャルギフト
近年若者を中心に普及している、相手の住所を知らなくてもメールやSNS上で気軽にギフトを贈ることができるソーシャルギフトの利用シーンと理由についてたずねたところ、「気軽に贈れて楽だから」(23.2%)がトップに。
また「ギフトを選んでわたす時間がなかったから」(19.1%)も上位にランクインするなど、SNS上で贈ることができる「気軽さ」が、ソーシャルギフトの人気の理由といえる。
フォーマルなイメージが強い「カタログギフト」
カタログギフトに対するイメージについても質問したところ、「結婚式や内祝いなどのフォーマルな場面で使うもの」(56.8%)という回答が特に多く、次いで「お中元やお歳暮などの返礼用の印象が強い」(20.0%)と回答した人が多かった。
このことから、カタログギフトは個人間のプレゼントとしての用途ではなく、フォーマルなイメージが強いことが判明したといえそうだ。
さらに「カタログギフトがもっと自由に贈れる存在になるとしたら、どのような特徴があればうれしいか」と質問。「日常のちょっとしたお礼にも使いやすい」(41.2%)、「贈る相手に合わせてジャンルが選べる」(34.4%)、「スマホで簡単に贈れる/受け取れる」(25.4%)との回答が多く、“気軽さ”や“相手に合わせて選べる柔軟性”が、カタログギフトに求められる要素であることが明らかになった。
今回のアンケート結果からもわかるように、近年消費者の贈り物に対する価値観は多様化している。事業者にはこうした変化を敏感に捉えつつ、今後の施策を検討したいところだ。