サイバー攻撃など「予測不能なリスク」多様化・増加 Spectee調査

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ECのミカタ編集部

サプライチェーン・リスク、サイバー攻撃・地政学リスクの脅威が急増

株式会社Specteeは2025年12月11日、「サプライチェーンリスク管理に関する実態調査」の結果を公表した。

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調査概要

調査名称:2025年版製造業のサプライチェーンリスク管理に関する実態調査
調査方法:インターネット調査(調査会社:株式会社クロス・マーケティング)
調査期間:2025年11月14日〜11月15日
調査対象者
▷従業員501人以上の製造業に務める500人
▷経営層50人、サプライチェーン業務に関与、または興味のある社員450人(マネジメント層250人、メンバー200人)
◆出典:サプライチェーンリスク管理に関する実態調査(株式会社Spectee)

サイバー攻撃、地政学リスクが増加

製造業に携わる500人に「サプライチェーンマネジメントで重要視するリスク(複数回答可)」を質問。「自然災害(地震・台風・山林火災・豪雨)(63.4%)」が最多となった。自然災害は2年連続で最多となった。今後、激甚化していくであろうことが予想される自然災害が、継続的なリスクと認識されている。

一方で、重要視するリスクとして増加したのが「サイバー攻撃(+11.1ポイント)」「地政学リスク(+13ポイント)」。昨年の調査(※1)と比べて最も大きく伸びたのは「サプライヤーの倒産(+16ポイント)」となった。

BCP、自然災害、サイバー攻撃への対応が進められる

「直近1年間で、どのような活動・対策を実施しましたか?(複数回答可)」という質問に対しては、「BCP強化(異常時対応フロー、マニュアル整備)(35.4%)」が最多に。次いで「自然災害対応の強化(拠点分散、在庫戦略、防災訓練の実施など)(30.8%)」となった。

重要度が上がったという回答が次点となったサイバー攻撃(33.0%)についても、対策実施の回答は25.8%に達した。BCPや自然災害対策と共に、サイバー攻撃への対応を進めていることがうかがえる。

「今後、対応を重視したい項目はどれですか?(複数回答可)」に対しては、「サプライヤー情報の可視化(42.4%)」が最多だった。

Specteeはこの結果について「昨年の調査(※1)においても、サプライチェーンやそれを取り巻くリスク情報の可視化といった項目が上位となっており、今回の調査でも対応を重視したいとの回答から、現在においてもまだ対応が十分でないと予測できます」とコメントしている。

見えないリスクを可視化し、判断を早める

続いて「日常的にサプライチェーンのリスク把握のために実施されていることはありますか?(複数回答可)」と質問。「サプライヤーの現場(工場など)の定期的な監査・訪問(43.8%)」「サプライヤーと定期的な会議の実施(32.2%)」が上位に上がった。

本調査結果を受けて、Spectee 代表取締役 CEOの村上建治郎氏は次のようにコメントしている。

「サプライチェーン・リスクマネジメントには、リスク情報のリアルタイムな収集や、生産への影響の迅速な把握、さらにサプライチェーン全体像を可視化できる仕組みが欠かせません。AIやリアルタイムデータを活用して“見えないリスクを可視化し、判断を早める”ことが、これからのレジリエンス経営の前提になると考えています」

近年、サプライチェーンを取り巻く環境は、気候変動による自然災害の激甚化、サイバー攻撃や地政学リスクが顕著に影響。こうした予測不能なリスクが多様化・増加している。各事業者は日頃からサプライチェーン全体を把握し、安定した運営体制を構築する必要があるだろう。

※1 Spectee、製造業における「サプライチェーン強靭化」調査 リスク事象の把握とサプライチェーン可視化の課題が浮き彫りに 〜約半数が強靭化の重要性を認識するも、リスク対応の人員や予算について現場と経営層のギャップが明らかに〜(2024年4月3日発表)


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