AI経由のユーザー「購買意欲が高い」傾向 Contentsquare Japan調査

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ECのミカタ編集部

AIの影響で消費者がブランドを発見するプロセスが大きく変わる中、顧客体験とロイヤルティがさらに重要に

Contentsquare Japan合同会社は2026年2月19日、「2026年デジタルエクスペリエンス・ベンチマーク」の最新データによる分析を発表した。

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調査概要

◆世界中の6500のウェブサイトから収集された、990億を超えるセッションと5000億のページビューに加え、2200万件に及ぶカスタマーサービスを通じた会話を分析し、2024年と2025年の第4四半期(10月〜12月)のインサイトを比較。
◆コンバージョンのベンチマークでは、コンバージョンのデータを収集するサイト(製造、小売、通信、旅行・ホスピタリティ)のみが含まれている。また、匿名性を確保する厳格な集計方法が採用されている。
◆出典:2026年デジタルエクスペリエンス・ベンチマーク(Contentsquare Japan合同会社)

AI経由のソースが新たに登場

今回の分析で特徴的なのは、AIが紹介するソースが新たに流入元の内訳に加わった点である。2025年の第4四半期において、こうしたAI経由の流入は全体の0.2%にとどまったものの、前年同期比で632%増と急速に拡大している。

このように、AIの直接的なシェアは依然として少ないとはいえ、その影響はすでに従来の主なチャネルに及んでいる。

「AIによる概要(AI Overview)」によって、クリックなしで答えが得られるようになったため、オーガニック検索経由のトラフィックは9%減少。消費者がブランドにたどり着く方法に構造的な変化が生じている様子がうかがえる。

AIの影響を受けたソース全体で「直帰率」改善

AIに導かれたユーザーは「購買意欲が高い」ということも重要なポイントだ。AIを経由した流入のコンバージョン率は前年比55%増の1.3%に上昇。「検索」のような、従来のチャネルと似た役割をAIが担い始めている。

また、AIの影響を受けたソース全体で直帰率が改善。AI経由の訪問では直帰率が5%減少している。

一方、有料検索とオーガニック検索経由の訪問でも、有料検索で3%減、オーガニック検索で4%減など直帰率に改善が見られた。

訪問者のサイト滞在時間が7%減少している。この結果についてContentsquare Japanは「カスタマージャーニー(※1)の成否がより短時間に決まることを浮き彫りにしています」と分析している。

また、関心が向けられる期間が短くなり、フリクションに対する許容度も低下している。

人間とAIエージェントを相手に事業を展開

また、人間とAIボットが連携する場合、顧客からの問い合わせの57%が解決される。しかし、ボットのみの場合、解決率は29%にとどまった。

多くの会話の始まりがネガティブであるものの、センチメント(※2)の改善に成功したインタラクション(※3)では、問題が解決される確率が2倍以上高くなる(28%から67%に上昇)。このように、経験を積極的に好転させる機会を会話が提供することが明らかになった。

Contentsquareのマーケティングおよびパートナーシップ担当最高責任者のJean-Christophe Pitié氏は、本結果について次のようにコメントしている。

「今やブランドは、人間とAIエージェントの2層からなるオーディエンスを相手に事業を展開しています。これは従来のルールを覆すものです。AIトラフィックが占める割合は今のところ小さいものの、圧倒的に高い購買意欲を示すサインがすでに見られます」

顧客体験の小さな改善が、「一時的な訪問」と「長期的なロイヤルティの構築」の違いを生むことが明らかになった。本調査結果は今後のサイト設計や施策検討において示唆を与える内容となっている。

※1:顧客がブランドと接し、関係を深めていくプロセス全体を指すマーケティング用語。
※2:市場参加者や顧客が抱く「心理、感情、雰囲気、見通し」を指す。
※3:2つ以上の要素が互いに影響を及ぼし合う「相互作用」や「やり取り」を指す。