原油価格高騰「家計の購買力低下」懸念 TDB調査

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ECのミカタ編集部

原油価格高騰が物価および家計支出に与える影響

株式会社帝国データバンク(以下、TDB)は2026年3月19日、原油価格高騰が物価および家計支出に与える影響について発表した。

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原油価格上昇は製造業を中心に幅広く波及

本レポートでは、原油価格上昇の影響を把握するため、以下の3つのシナリオを設定。国内の価格動向や、家計への影響を分析している。

◆シナリオ1:原油価格が20%上昇
◆シナリオ2:原油価格が50%上昇
◆シナリオ3:原油価格が100%(2倍)上昇


原油価格の上昇が各産業の出荷価格をどの程度押し上げるかを試算した結果、最も価格上昇が大きいのは、プラスチックや合成繊維の原料を含む「石油化学基礎製品」となった。

続いてポリスチレン、ナイロン、ポリエステル樹脂、塗料、農薬、合成洗剤などの原料となる「石油化学系芳香族製品」、ならびに主としてアスファルトやセメント、樹脂などを用いる「舗装材料」が挙げられている。

TDBは「原油はエネルギー源としてだけでなく、素材産業の基礎原料でもあるため、その価格上昇は製造業を中心に幅広く波及しやすい点に留意が必要である」と指摘する。

※画像元:原油価格高騰が物価および家計支出に与える影響(株式会社帝国データバンク)

家計にとっては実質的な購買力の低下

企業の出荷価格が上昇すると、その一部は最終的に消費者物価へ転嫁される。

品目別にみると、最も押し上げ幅が大きいのは「軽油」であり、次いで「ガソリン」「その他の石油製品」「灯油」「液化石油ガス」が上位に並んだ。とりわけ、シナリオ3では「軽油」が38.76%、「ガソリン」が31.83%上昇すると見込まれる。

※画像元:原油価格高騰が物価および家計支出に与える影響(株式会社帝国データバンク)

原油価格の上昇は、家計にも大きな負担をもたらす。2人以上の勤労者世帯の年間支出への影響を試算すると、シナリオ1では1万78円、シナリオ2では2万5194円、シナリオ3では5万388円の支出増加となった。

試算額はシナリオによって異なるがいずれのケースも「支出増」となった。収入が変わらないと仮定すると、家計にとって実質的な「購買力の低下」を意味する。

※画像元:原油価格高騰が物価および家計支出に与える影響(株式会社帝国データバンク)

家計運営の余裕が削られやすい

本調査結果について、TDBは次のようにコメントしている。

「原油価格の上昇は、企業のコスト増にとどまらず、物価上昇率を押し上げることで実質賃金を下押しし、家計にも負担増という形で影響を及ぼす。とりわけ低所得世帯では、もともと家計に余裕が乏しいため、負担感がより強まりやすい。また、中間層では平均消費性向の上昇幅が相対的に大きくなる傾向もみられる。これは、一定の収入を有していても、エネルギーや生活必需品の価格上昇によって家計運営の余裕が削られやすいことを示唆している」

原油価格の高騰は家計へ大きな影響を与え、結果的に購買力の低下につながることが想定される。EC事業者としては、こうしたコスト上昇や消費マインドの変化を踏まえた、価格戦略や販促施策の見直しが求められそうだ。


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