「越境EC」という言葉が注目されて数年。
新たな販路としての期待から越境ECに参入する企業も増えています。
特に近年は台湾市場が非常に注目されており、既に参入もしくは参入検討をしている企業も多いのではないでしょうか。
今回は長らくEC市場成長率二ケタ台を保つ台湾市場に焦点をあて、
市場規模などの基本データから実際の進出の際にサポートしてくれる協力パートナーの紹介まで、
この特集で全てが分かるように情報をまとめました。

  • 毎年10%以上の市場成長率!注目の台湾EC市場とは?
    台湾国土は九州よりやや小さいにもかかわらず、人口は2018年3月時点で約2,357万人。九州の人口が1,280万程ですから、非常に人口密度が高い国です。

    また、GDPは2017年時点で5,732億米ドル、一人当たりのGDPは24,337米ドル(2017年)となっています。また、実質経済成長率は2.86%(2017年)と、国土は小さいながらも経済成長率が高く、今後も経済の成長が見込まれています。

    これらを背景に台湾EC市場は成長しており、台湾の資策會產業情報研究所 (MIC) では2017年のEC市場規模は約2兆5,061億円と推計しています。日本の16兆5,054億円に比べると、規模が小さいように見えますが、台湾のEC市場は毎年10%以上の成長率を見せています。

    だからこそ、今、台湾が越境ECのターゲットとして注目されているのです。

    台湾EC市場、5つの特徴
    では、台湾のEC市場はどの様な特徴があるのでしょうか。
    1、インフラ事情
    台湾ではインターネットインフラが整っており、観光地や公共施設でも無料のWi-Fiが完備されています。また、物流面では国土が狭いということもあり、同じ市内間の配達であれば最速3時間で届くほどです。また、日本の物流企業も複数参入しています。決済手段としては多様化が進んでいますが、代金引換、コンビニ支払いなどが多く使われています。

    2、コンビニ受け取りが主流
    人口や国土の割合に対してのコンビニの数が多く、台湾に住む人々にとってコンビニは非常に身近な存在です。また、台湾では共働きの夫婦が多く、ECで買い物をしてコンビニで受け取るという方法がよく選ばれるようです。

    3、モール
    決済の管理
    EC人口の多い台湾ですが、ECモールの使用率が高いようです。よく使用されるモールとしては「PChome」や「momo購物網」などのモールに加えて、日本国内でもおなじみの「Yahoo!購物中心」や「樂天市場 」も人気です。

    4、親日性の高さ
    日本政府観光局(JNTO)の調査によれば、2017年の訪日台湾人は456万人、そのうち観光客は436万人となっており、これは訪日外国人の国別ランキングでは中国、韓国に次いで3番目の数字です。また、2020年にはオリンピックやパラリンピックがあるため、今後も訪日外国人は増えていくことが予想されます。もともと、日本の商品は人気ですが、訪日をきっかけにさらに日本の商品を知ってもらう良い機会になるでしょう。

    5、ライフスタイル
    決済の管理
    台湾では日本と同様に晩婚化が進んでいるそうです。また、先にお伝えしたように結婚したとしても、共働きであることが多く、金銭的にも余裕が出てきている人が多いようです。また、日本に比べて物価も安く、購買率が高いのです。

    越境EC、まずは台湾から挑戦
    資策會產業情報研究所 (MIC)が2017年に行った調査によれば、台湾消費者の約40%が海外サイトで商品の購入をしているようです。

    国内市場で売上が伸び悩み、新たな市場開拓として海外展開を進めている企業は少なくありません。ECでは世界中の人々がお客様になる可能性を秘めていますが、越境ECでは言葉や法律、物流などの障壁に加えて日本と異なる国民性、商習慣など、文化の違いも把握しなければなりません。

    ですから、まずは成長性がありインフラも整っている。そして、すでに日本の商品を知っていて、親日家が多いなど、好条件が揃っている台湾市場から、越境ECを始めてみてはどうでしょうか。本特集には成功事例や頼れるパートナー企業の情報を多数掲載しています。ぜひ参考にしてみてください。