日本郵便が取り組む 再配達削減の取組みとは?

ECのミカタ編集部 [PR]

日本郵便株式会社 企画役 首藤 公文
1985年郵政省入省。九州郵政局 博多郵便局法人営業課長を経て、2003年より本社勤務。2015年度より現職。EC戦略、拠点受取、越境eコマースを担当。

 宅配業者が値上げや荷受量の規制に動く「宅配クライシス」が話題だが、おもな原因はEC業界の発展に比例して出荷量が増え、配送の現場が追いつかなくなったことにある。ECにおける配送は、顧客の手元にスピーディーかつ確実に商品を届けることで、これは顧客満足度を上げる重要な要素である。つまり、EC事業者は今までのように価格だけで、配送を選ぶ価値観を改める必要があるのではないだろうか。日本郵便株式会社の郵便・物流営業部企画役の首藤公文氏に話を伺った。

再配達増加によるEC業界への影響

――近年、再配達の問題が注目されていますが、EC業界においても深刻な課題だと感じます。
 
 配送の使命は「お客さまにスピーディーに、確実に届けること」です。

 しかしECが発展し、著しく出荷量が増えるにつれて、再配達される個数も増加しています。これによりドライバーの負担が重くなり、結果的に人手不足を招いて人件費がふくらみました。いわゆる「宅配クライシス」が起きたわけです。

 国土交通省の調べによれば、再配達の割合は2割といわれていますが、私の印象では、BtoCに特化すると2割以上あるのではないかと思います。

 再配達によるデメリットはさまざまなところに現れています。まず再配達は、ECの利用者さまに負担をかけます。

 ECが多くの方の生活に浸透するにつれ、利用者さまは、早く欲しいという願いを強く持たれるようになっています。荷物をお届けした際、利用者さまが在宅していれば問題ありません。しかし最近ではライフスタイルが多様化し、共働きのご家庭も増えています。一人暮らしの学生さんも、学校やアルバイトなどに忙しく、不在のことが多いですよね。

 配達の時間帯指定をしたとしても、指定した数時間の間、いつ届くかわからない荷物を待つことになり、ストレスを感じるでしょう。またその間に急な用事が入って出かけることになれば、また再配達となってしまいます。このように、忙しい日々ではなかなか受け取ることができない場合が多いと思います。

 その結果、受け取りが2日、3日と遅れれば「これなら近くの実店舗で買ったほうが早かった」「今度は別のお店で買うことにしよう」と思われかねません。そうなるとEC事業者さまにとっては販売機会損失につながります。

 

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