Yahoo!ショッピング ストアカンファレンス2014 プレス特別セッション体験記

ECのミカタ編集部

成功する事業やプロジェクトの秘訣 企業家小澤隆生氏が語るその仕組み

9月17日(水)に、都内で開催された「Yahoo!ショッピングストアカンファレンス2014」。当イベントのプレス公開セッションの模様をご紹介したい。
起業家、YJキャピタル株式会社代表取締役、ヤフー株式会社執行役員・ショッピングカンパニー長など様々な顔を持つ小澤隆生氏が登壇し、満席の約500人の聴衆を前に、オープニングセッションとして「成功する事業、プロジェクトについて、成功の秘訣」というテーマを自らの起業経験を元に語ったほか、メインとなる「Yahoo!ショッピング」の今後の戦略について語った。
数多くのベンチャー企業、様々なプロジェクトに関係してきて見えてきたという成功の共通点。事業者の聞きたいコアな部分に徹底的な解説のメスが入る。

父親が商売をやっており、幼い頃から大変裕福な家庭で育たれた小澤さんだが、氏が大学二年生の時分にバブルが崩壊。父親の会社が倒産目前となり、60億ほどの借金を返さなくてはならなくなった際に考えた。60億の借金を返そうと思ったら 60億位上稼いだ人の経験を真似ればいい。後に系統だったロジックになる、「成功事例の研究」という概念の始まりであった。そこから、起業をするという考えを持つに至り、一番儲かるビジネスを最小限のコストで行える ITの世界に飛び込んだ。 1993年のことであった。
95年に IT起業に就職し、 SEになるも成績不調で営業へと回される。二
年ほど同僚と仕事の合間に勉強し、 97年に中古品をネットで販売するECサービスを開始。99年からインターネット・バブルが到来し、2001年には楽天、 ebay、 Amazonなど名だたる企業よりオファーが殺到する。起業して楽天に買収された後に数年の紆余曲折を経て、個人投資を始め、その頃より様々なベンチャー企業と触れ合う機会に恵まれるようになる。また、 YJキャピタルでも様々な会社に投資をし、その中で十五社中三社が上場する。その経験より、氏が考える成功に重要なことは、まず環境であるという。「成功している人、努力している人の輪に入る」、適切なタイミングで適切なことをやっていれば誰でもヒーローになれる、ということに氏は気付いていく。

宝くじで一億当たった人間は周りにいないが ITを始め何億何十億のビジネスに携わる人間はいる

身近な存在の方が ITの世界では大成功を収めている一方、宝くじで一億当たったという人間は一人もいない。周りに宝くじで一億当たった人間がいれば自分も買うかもしれない、しかし周りにいた人間は ITで成功していた。彼らのようになりたいという気持ちになり、成功している人の話を聞く。やり方を聞き、羨ましいから勉強をする。彼らでも成功したんだから自分も、と思える「環境」が大切だったと、氏は懐古する。自らの経験より編み出したロジックで、氏が投資先の社長に求める条件は次の5ステップ。

・成功事例の調査、分析
・成功理由を導き出す
・仮説作り
・小さな実験
・正解を大胆に展開

さらに追加要素として次の二点を提起する。

・右肩上がりの業界で商売する
・ひとつの事業がどのようになりたっているか要素分解し、出てきた要素のどれか一つをNo.1にする。No.1でない他の要素も平均以上を保つ。

このステップと追加要素の例として、実際に氏が携わったEC弁当事業、クリニック事業、フェスティバルプロジェクトについての紹介があった。

自らのバックグラウンドから始まり、様々な実体験より収集したデータからはじき出されたロジックとモノの考え方。それらを日々当たり前にこなしていけば、それが成功の秘訣に繋がると氏は語った。
「成功された事業者からよく聞く言葉ですが、真似をされたらどうしよう、競合がでてきたらどうしよう、というもの。しかし、日々当たり前のことをしていれば大丈夫なんです。成功事例の研究、成功理由の分析、仮説と実験、そして展開、さらには物事の要素分解。本日お話しした内容は、万物に当てはまるというわけではないかもしれませんが、実作業の五つを皆様方が知るべき手法の一つとして頭にとどめておいていただけたらと思います」
そう締めくくり、氏のプレス公開セッションは盛大な拍手に包まれ幕を閉じた。

Yahoo!ショッピングの今後 目指す戦略や方針について

休憩に続き次に同氏は、ヤフー株式会社執行役員・ショッピングカンパニー長として「EC革命の成長と方向性」について、Yahoo!ショッピングの諸々を紹介し解説をおこなった。

eコマース革命の成長と方向性について。

Yahoo!ショッピング開始から15年が経過した。昨年の10月7日、同カンファレンスで会長の孫正義氏がeコマース革命を宣言した。あれから一年が経ち、Y流通総額は一年前の革命前と比べ、Yahoo!ショッピング全体がやっと右肩上がりになってきている。実際、ゴルフカテゴリや靴カテゴリなど急成長しているカテゴリも出てくる。これらは130~140%に伸び成長軌道に乗っている。ストアでも、一千万以上の流通総額を上げているストアデータで180~200%の急成長ストアが多数出てきている。

次に、昨年の同カンファレンスで約束した「料金」「集客」「機能」の三つ、それぞれに対してどうなったのか振り返る。
「料金」に関しては出店料やロイヤリティなど無料になったので未だ持って継続中である。
「機能」は、ストアクリエイタープロなど新機能のリリース、消費税8%対応なども実施。エンジニアの数も数十名だったものを二百人ほど増員できた。それによってきめ細やかな対応も可能となった。「集客」は、知恵袋の連携などあまりうまくいかなかったこともある。期待し課題としていた集客はそこまで達成できなかったという実感がある。今後の課題として継続し改善に向けアクションを起こしていく。
それらを振り返り、これからどうするかという点については、次の五つの方針に則って一つ一つ実現していくつもりだ。

・出店数/商品数
・訪問者数
・購買率
・リピート率
・EC関連サービス

この五つの切り口で、各種サービスのクオリティを向上させ課題の完全クリアを目指す。

実際革命後には、ランキングリニューアル、トップリニューアル、タブレット版トップページリニュアール、お気に入りリストリニューアル、スタンプラリーリリース、商品カテゴリの拡充と売り場のリニューアル、ブランドページリリース、商品画像アップロード時の画質改善、など、改善施策を続々実施している。購買率も順調に伸びてきている。
他にも、第二第四木曜限定の価格均一セールや、水曜日一時間限定の半額セールなども実施。ポイント還元やメルマガ強化、クーポンによるリピート率向上施策など、Yahoo!ショッピングを「何度でもお買い物をしたくなる売り場」として認識してもらえるよう日々課題解決に向け取り組んでいる。

Yahoo!ショッピングとして、これら基本方針に対し誠心誠意尽力し、しっかりYahoo! JAPAN内外よりお客様を集め、各ストアのコンバージョン率を共に高めていきたい。しかし、 Yahoo!ショッピングは「入れ物」である。中身となる出店企業様にも、商品と価格の面で切磋琢磨していただき、よりお客様にとって心地良い環境を提供できるよう、今後も共に努力を重ねていきましょう、と小澤氏は締めくくった。

eコマース革命より一年で様々な変化のあった Yahoo!ショッピング。来年の同カンファレンスの席で、より成長したYahoo!ショッピングによりどのような話が展開されるのかが、今から楽しみになる。


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