広告のプロはLINE広告をどう分析するのか

ECのミカタ編集部 [PR]

インターネット広告費は年々増加し、多くのEC企業がデジタル広告に出稿するようになった。GoogleやYahoo!のリスティング広告、TwitterやFacebookなどのSNS広告など、出稿可能な媒体も増え続けている。

様々な媒体の中で、月間アクティブユーザー数(以下、MAU)が8,400万人(2020年3月末時点)と最も多い媒体がLINEであり、「LINE広告」はそのLINEに広告が出稿できるサービスだ。ユーザー数以外にも独自の特徴を持つLINE広告について、実際に運用や提案を行っている担当者3名に話を聞いた。

(左)株式会社ワンスター 野上 優氏
(中央)株式会社ブリーチ 水谷 慶氏
(右)株式会社売れるネット広告社 藤田 純氏

広告のプロはLINE広告をどう分析しているか?



大きく2点、挙げられます。1点目はユーザー数です。TwitterやFacebook、InstagramなどもEC事業における集客・販促には無視できないツールだと思いますが、LINEはどのSNSよりもMAUが多い媒体です。広告出稿主としては、多くのユーザーへリーチできることは重要なポイントです。リーチできるユーザーが多ければ多いほど、獲得件数も大きく伸ばすことができるため、売り上げの観点からも無視することはできないメディアだといえます。

2点目は、ユーザーの目的によって様々な使い方が存在することです。LINEは当初、家族や親しい友人と連絡を取るためのコミュニケーションアプリとして利用されていました。それが、ユーザー数の増加に伴い新規サービスも追加され、コミュニケーション以外でも様々な用途で活用されています。

現在、連絡手段に限定してLINEを活用する人は少数で、LINE NEWSやLINEマンガなどのコンテンツ閲覧、LINEショッピングでの買い物など、様々なユーザーニーズを満たすアプリとなりました。配信面の種類も豊富なため、訴求方法を1つに絞らなくても効果が出やすく、同一のクリエイティブを表示し続けても、広告の“疲弊スピード”が他媒体と比較して遅いと認識しています。



ユーザー数が多いという点では、LINEユーザーの年齢層の幅広さも大きな特徴です。例えば、Instagramなどは若者の利用率が非常に高い媒体のため、若者向けの商品とは相性がいいと言えます。

一方、LINEは若者から年配の方まで幅広い利用者を抱えています。ユーザー属性を指定してのターゲティング配信でも配信母数が確保しやすい点は、他のSNSにはない特徴だと思います。



LINE広告は、広告出稿の際に行われる審査もユーザー目線で行われている印象があります。捉え方によって厳しいという意見もあるかもしれませんが、実はメリットの方が大きいと考えています。

残念ながら、Web広告全体ではユーザーが不快に感じたり、過度に不安感を煽ったりする広告を見かけることがあります。確かにクリック率などの数値は上がるかもしれませんが、クリーンな広告運用を行っている企業からすれば、割を食う形になってしまいます。その点、LINE広告ではユーザー目線を加味した適正な審査が行われているため、競合他社とも公平公正でブランド毀損が起こりにくい場が整っています。もちろん、審査に通過するためにしっかり準備を行う必要はあります。



確かに、LINE広告は良質な広告案件が多い印象を持っています。広告主側でも、LINE広告の審査をメリットと考えている場合が多いのではないでしょうか。また、LINE公式アカウントを併用すれば、審査を通過した優良な広告主とユーザーが1to1のコミュニケーションを行う場を持つことができるため、LTV向上にも貢献すると思います。

CTRだけでなく、CVRやLTV向上にも貢献

―――日々、広告を運用されている立場の皆様はLINE広告にどのような印象を持っていますか?



他のメディアと比較して、売上の規模が大きいこと、かつ“勝率”が高い印象を持っています。LINE広告は月間広告費で1,000万円以上の案件を創出しやすいことから、弊社では欠かせないメディアとなっています。

また、大きなアップデートから1年以上が経過して自動最適化配信の精度が上がり、データも蓄積できています。以前よりも予算に見合った配信が可能になり、代理店としては非常に助かっています。


「同案件、同オファー、同LP」で予算を増やし続けて1年以上が経過しますが、いまだに獲得効率が落ちていないため、常に新規のアクティブユーザーにリーチが可能なサービスだと評価しています。LINE内で新規サービスが増え続けているのも理由の1つだと推測しています。LINEチラシやLINE家計簿など、ユーザーの生活に根差したサービスもローンチされているので、LINE広告との連携に期待したいです。成果面でもGoogleディスプレイネットワークと同程度のCTRのため、非常に優秀だと感じています。



日々、LINEの審査基準や機能アップデートに対応しながら広告を運用していますが、確実に成果として結びついています。今後も審査基準は厳しく維持してもらい、よりUIを意識した管理画面のアップデートにも期待しています。

―――「LINE広告」で獲得できるユーザー層に関して、他媒体と異なる特徴などはありますか?



新規率が高いです。商品の購買につなげる広告案件では、新規顧客の獲得がとても重要な指標となるため、大きなメリットになっています。



LINEは生活に必須のアプリとして活用されているため広告への接触率が高く、広告内容にもよりますが、他媒体よりもCTRが高いと感じています。また、LINE上でポイント獲得や交換、スマホ決済を行っているユーザーも多く、同一プラットフォームでの購買行動に抵抗がないように思えます。実際、LINE広告の単品通販案件はCVRが高い傾向にあります。



LINE公式アカウントなど他サービスと併用が可能なため、LINE広告で獲得した顧客は他媒体と比べてLTVが高い傾向にあります。EC事業の場合、新規と同様にLTVも重要視すべき指標なので、新規獲得だけでなくユーザーと継続した接点が持てるLINEは貴重な媒体です。

広告のプロは今後のLINE広告に何を期待するか



日本の人口と現状のMAUを考えると、これ以上、劇的に利用者数を増加させることは難しいと思います。しかし、1日に利用するユーザー数が維持され、かつ新規サービスが展開されていくことで広告の配信面は広がり、ユーザー属性も細分化されていくと推測されます。そのため、広告サービスとしてこれからも拡大を続けていくと考えています。広告配信機能も追加されていくと思うので、広告主にとっても優良な媒体になることは間違いないと思います。


今後、レコメンド広告など、1to1のコミュニケーション精度が高くなっていくと思います。「広告のパーソナライズ」は今後のキーワードになると思うので、そこがLINEに期待している部分です。他にも、AIアシスタントのLINE Clovaと連携した音声広告などが出てきても面白いのではないでしょうか。



LINEは先進的なテクノロジーを活用したサービスが多いため、5Gと関連して動画広告なども増えていくのではないでしょうか。LINE広告ならではの動画訴求ができると、ユーザー側も広告を楽しむことができるかもしれないですね。



我々広告代理店も、LINE広告の機能をしっかり理解していく必要があります。LINE広告が、より良い広告をユーザーに届けることができる媒体・メディアになることを望んでいます。

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