「えがお」を5年間で年商254億円に押し上げた立役者元・専務取締役が語る、“通販の基本”とは?

ECのミカタ編集部 [PR]

健康食品の販売で知られる通販会社大手「えがお」の躍進の裏には、入社したての素人だった専務の奮闘が――。株式会社DMC 代表取締役の高橋貞光氏は、株式会社えがおの元・専務取締役で、わずか5年の間に年商44億円から254億円に成長させた経験を持つ。そんな高橋氏と、高橋氏が推奨するECカートシステムを提供するw2ソリューション株式会社のE-Commerceエヴァンジェリスト 舘野真規氏に、EC事業者が売上を伸ばすために必要な“基本”について話を伺った。

通販業界のレジェンドと、気鋭のエヴァンジェリスト

――まずはお二人の経歴や現在従事されているビジネス、業務内容について教えてください。

高橋氏:私は2007年に、株式会社えがおに課長として入社しました。私自身は通販が初めてでしたし、経理出身で健康食品業界もまったく素人の状態でした。その頃にやずやグループ「未来館」の西野社長とお知り合いになり、通販の考え方や仕事の進め方を一から学ばせていただきました。

えがおの当時の年商は約44億円でしたが、社長から「3年後には100億円を目指したい」とお話がありました。学んだことを私なりに咀嚼して実践した結果、入社3年目には年間売上が168億円になって、5年目には254億円になりました。在任中は経営企画から管理部門、システム、物流、コールセンターまですべての部門を担当し、部分最適だけでなく全体最適までコミットできたのは大きな財産です。

その経験をもとに今から5年前に株式会社DMCを立ち上げ、EC事業者様へのコンサルティングやセミナーなどを行っています。

舘野氏:2005年創業のw2ソリューションは、ECカートシステムの開発を行っている企業で、誰もが知っている大手企業様からスタートアップの事業者様まで、幅広いクライアント様にご利用いただいています。エンジニア比率がとても多い当社の中で、私は「E-Commerceエヴァンジェリスト」として、マーケティングやPRといった活動に加えて、社内外のリソースを活用した認知活動や、さまざまな形でのお客様とのコミュニケーションを行っています。

私自身はインターンの頃からカートシステム業界に従事していて、セミナー企画やLP制作、テレアポなどをしていた学生時代に高橋社長とお会いして、その頃からのご縁で現在でもお世話になっています。

年商100億円を超えるには、データに基づくマーケティングが肝要

――EC企業が大台の「年商100億円」を超えるには、どのような課題が多く見られますか?

高橋氏:共通の課題として、新規顧客の開拓と、リピーターの継続が挙げられますよね。それに優先順位をつけて、しっかりとした計画を立てて取り組んでいく必要があります。

えがおで売上を倍増させた時は、「それまでの2年間で定期のお客さまの継続率を高めるためのCRMに注力した上で、新規のお客様を呼び込めるか」に注力しました。当時のえがおの強みだったテレビショッピングでの集客に予算を集中的に投下して、3ヵ月で23万人ものお客様に新規加入いただきました。

――テレビショッピングや紙媒体などの広告は、Webと異なり予測が難しいと思いますが、どのように計画を立てるのでしょうか?

高橋氏:どれだけ事前にテストできるかが大事です。例えば折り込みチラシを使うなら、最初にスモールなセグメントから始めて、そこでのレスポンスを徹底的に集計して、エリアや対象者、原稿内容を細かくブラッシュアップしていきます。えがおの場合は熊本から始まったので、まずは熊本県内で月に20通りほどの広告を打ちました。それから目標達成したものだけを南九州に打ち出し、さらに精査したものを九州全体へ……という感じで全国に広げていくのです。

たとえ資金があっても、いきなり全国紙で告知したりせず、細かな分析と状況把握を繰り返すことで最高の効率化を目指す。テレビCMなどのマス広告にも同じ理論が適用できます。

舘野氏:当社にもアパレルから健康食品までさまざまなジャンルのクライアント様がいますが、売上額の大きい企業様に共通しているのは、お客様とコミュニケーションを取るために必要なデータを徹底して集めていることです。

「性別・年齢・住所」といった基本的な顧客情報だけでなく、日々のコミュニケーション内容を記録していたり、より細かなユーザー属性を取得したりと、その内容はさまざまですが、成功しているほぼ全ての企業様が、精緻なマスタデータによるマーケティングを行っています。

こちらの内容に関しまして、今月のセミナーで詳しくお話しさせていただきますので是非、ご参加いただければと思います。

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CRMの第一歩は、ターゲットを絞り込むことから

――データ収集のノウハウを持っていない企業はどうすれば良いのでしょうか?

高橋氏:まずは基本を知ることです。まぐれで年商100億円に到達することはあるかもしれません。ただ、それを維持したり、さらに成長させるには、基本的な知識やノウハウが欠かせません。CRMでいえば、顧客データを正しく分析して施策を打てるかどうか。それがないと、続かないでしょう。

舘野氏:当社のクライアント様でよくご紹介させていただいているのが、妊活サプリなどを販売している「はぐくみプラス」様の事例です。妊活サプリをきっかけに、妊娠中、授乳期、子育てからお子様が巣立ったあとの美容まで、入口と出口の設計をしっかりされています。CRMを重視し、新規獲得よりもロイヤル顧客の育成とおもてなしに注力されています。

2年前に当社のカートをご利用いただいて以来、CVやLTVは約30%も改善できたそうです。その大きな要因となったのがデータの取り方で、お客様とのコミュニケーションに使いやすくなったというお声をいただいています。作業の自動化による運用・管理工数の削減や、大きなトラフィックにも耐えられる強いインフラもご好評です。

――顧客データを集める際、注意するべきポイントはありますか?

高橋氏:集客の設計段階で、自分たちのターゲットを明確にすることです。とりあえず多くのお客様を集めれば良いわけではありません。商品の同梱チラシ、メルマガ、LINE広告など何でもそうですが、ただ「今はこれがオススメ」「これを買ってください」といっても伝わりません。お客様とのリレーション構築を図るうえで、ターゲットをしっかり定めて、お客様にとって有益な情報を提供しないと、お客様から喜ばれないし、長続きしません。

――いろいろな商品を扱っている事業者なら、それぞれ細かくセグメントをする必要があるということでしょうか?

高橋氏:そうですね。今の通販会社で多く見られるのは、商品と価格から最初に決めていくやり方です。「この商品が売れているから、こんな商品を作っていこう」とするのですが、それではターゲットがバラけてしまいます。もちろんコミュニケーションの取り方も変わりますので、商品ごとにセグメントが必要になり、体力のない会社は必然的に無理が来てしまいます。だからこそ大事なのは「選択と集中」。ターゲットは絞り込んで、集中的にアプローチしていくことが大切です。関連商品やクロスセルを考えるのはその後です。

大手もスタートアップも、売上を伸ばすために基本原則を知ろう

――今回はCRMに関する話題が多かったですが、その他の領域にも売上アップのためのポイントはあると思います。

高橋氏:その通りです。私が考える、通販事業を伸ばすための基本三原則は、「STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)」、「商品開発」、「CRM」です。そこからさらに派生して、さまざまな要素が関わってくるのが通販事業です。全てはつながっているので、良い部分だけを取り入れるのではなく、全体的に改善していくことが重要です。

――そういった体系的な知識が得られる機会があるとお聞きしました。

舘野氏:10月30日(金)にオンラインセミナーを開催するする予定です。対談形式になっており、やずやグループ「未来館」の西野社長と「DMC」の高橋社長、私の三名が登壇いたします。今回の内容をさらに掘り下げたお話をしていただく予定で、大手からスタートアップまで、さまざまなフェーズの事業者様にとって有益なノウハウをご提供できると考えています。

高橋氏:通販というモデルの原型を作られた西野社長に、「やずや」をどうやって成長させたかをお話しいただきます。続いて私が通販事業の「基本と原則」についてお話しします。参加者様からのお悩みを直接お聞きする質疑応答の時間も設ける予定です。

舘野氏:西野社長と高橋社長が同時に登壇されるのは、とても貴重です。業界のレジェンドたちによる贅沢すぎるコンテンツなので、ぜひ参加していただきたいです。

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