群馬発、断らない物流倉庫にはメリットしかない!そう断言できる理由とは
EC市場の拡大に伴い、スピーディーかつ効率的な物流の実現が緊急の課題となっている。人員不足の解消や作業効率向上を目的に、物流倉庫内の自動化は加速度的に改革されていると言えるだろう。
しかしその一方で検品や流通加工など手厚い対応が必要な作業もあり、エンドユーザーの買い物体験を左右する重要なポイントにもなっている。
群馬県に倉庫を構え、そのメリットを最大化させているという株式会社Logit Worksの坂本工代表取締役が目指す手厚い物流サービスについて聞いた。
物量に追いついていない物流業界は、 本当にお客様主体になっているのか
――Logit Worksについて教えてください。
坂本: 拠点となる倉庫を群馬県吾妻郡に構えている物流会社で、発送代行、保管、検品、セット組みやJANの発行やバーコードラベルの貼り付けなどの流通加工、受注代行にいたるまで物流業務の一連の流れをアウトソーシングいただいています。私が物流会社で働いていた時に、お世話になっていた取引先から声をかけていただいて、2020年4月に設立しました。
――取引先からお声がかかるなんて、すごいですね。
坂本: コロナ禍でEC業界が伸びた結果、物流業界も活況になりました。業界として注目度も高いですし、今後も需要は高まるでしょう。取引先は物流事業に参入したいと考え、倉庫も用意できた。けれど現場を管理できる人材がいないということで声をかけていただきました。
私は物流会社で現場を5年、営業を4年経験しているので、現場のことも営業のことも分かります。以前から仕事を通してお互いのことを知っていましたから、「誠実に対応してもらえるはず」だと思っていただけたようです。
ここ10年近く物流業界を見てきて、近年特に疑問に思っていたことがあります。それは物流をアウトソーシングされるお客様を主体にしたサービスが、しっかりと提供されていないのではないかということです。先ほどもお話ししたように物流会社はどこも忙しく、短納期や小ロットなど非効率な仕事をお断りすることが増えたように思います。
――どこも手一杯というとこでしょうか。
坂本: 特に都心では膨大な物量をさばくために人員確保が大きな課題で、物流倉庫では費用対効果を求めざるを得ないという側面もあります。結果としてより簡易的に、システマチックになって、人を介さないで仕事を完結させることに注力する傾向にあります。
その一方で化粧品やアパレルなど細やかな検品が必要な商品も多く、物流倉庫の手を借りたいお客様がいるのも現実です。そこには確実にニーズがありますし、私たちのような規模だからこそ細やかに対応できるのではないかと考えています。
立ち上げて気付いた、 群馬県に拠点を置くメリット
――倉庫の特徴を教えてください。
坂本: 約150坪の倉庫を構えています。今後倉庫を増やしていく予定ですが、駐車スペースは広大で、コンテナや大型トラックなどの荷受けも可能です。温度管理の必要な食品以外に対応していますが、お客様は化粧品や雑貨などを扱うメーカーさんが中心です。
物量はさまざまです。最低配送件数を設けていないので、段ボール1箱分でも受け付けています。それからエンドユーザーにとって土日祝日は関係ないと思うので、エンドユーザーのニーズに答えるために土日祝日も対応しています。
――群馬県という立地はメリットになりますか。
坂本: 東京都内や近郊の物流倉庫と比較して、保管費は40~50%ほど安く抑えられています。倉庫がオーナーの所有物でもあるので、より安価に設定できていますね。群馬県に倉庫があることで配送に時間がかかるのではないかとお問い合わせいただいたことがありましたが、世の中の物流網がこれだけ充実している今、東京都内からの発送と比較しても差はほぼありません。
首都圏は物量そのものが多いので、配送料で大幅なコストダウンを狙うのは難しいかもしれません。しかし首都圏と比較して物量の少ない地方都市では、弊社のような物流倉庫を構えたことで物量が増え、地域産業の活性化に寄与できるという実感もあります。配送業者との連携をより強化して、配送料の面でも低コストをご提案していくつもりです。
私も最初はなぜ群馬県なのかと思いました。しかし実際に事業をスタートすると、良い点しかないと思うようになりました。
NGのない物流倉庫でありたい
――他にサービスの特徴はありますか。
坂本: お客様からのご要望に対して、NGのない物流倉庫でありたいです。例えば納品された商品の中に、化粧箱がへこんでいる商品があったとします。お客様に連絡すれば、他にも不良品がないかを確認したいと思われるはずです。
ただ不良品がないかどうかを確認するのはイレギュラー対応になるので、別途作業費が発生したり、上層部に確認したりと現場では判断しきれないことも多々あります。見積もりを出したり、現場で調整を行っているうちに、エンドユーザーへの配送はどんどん遅れます。
イレギュラーなことに対応できないと断られたら、お客様は困りますよね。そんな時に、どこまでお客様の立場に立って行動できるかが大事です。配送日は決まっていますから、組織上の細かい手続きを進めるよりも先に対応したい。対応した後で、仮にお客様から作業費を抑えられないかと相談を受けたら、そこは再度すり合わせを行えばいいこと。そういう信頼関係のもとに仕事をしていきたいです。
――イレギュラーなことが発生すれば、現場は混乱しませんか。
坂本: もちろん迅速な判断や現場への指示は、私が現場と営業の両方を知っている権限保持者であるからこそできることかもしれません。現場は常に収益性と従業員たちの負担、他の仕事との兼ね合いも踏まえて総合的な判断を下そうとします。組織が大きくなればなるほど、現場を混乱させないために仕事を受けないという判断も生じるかもしれません。
しかしお客様は困っているからこそ、私たちに依頼しています。今すぐ動けば間に合うことかもしれないのに、打開策を模索しようともせず、今までの慣習で「これは面倒だから無理だ」と判断するのは、お客様に対して不誠実だと思うんですね。
私は会社員時代に営業としてお客様に依頼されたことを、現場からできないと断られ、何度も悔しい思いをしています。もう同じことは繰り返したくないんです。
――具体的な対応事例を教えてください。
坂本: 商品は完成しているのに配送先のデータが準備できていないなどの理由で、お客様が商品の置き場に困っていることはよくあります。通常であれば商品をお預かりした時点で保管費が発生するものですが、早めに送っていただいた商品の保管費を弊社はいただいていません。
物流フローにもよりますが、通常であれば依頼いただいて1週間から10日ほど準備期間をいただいています。しかし商品を先に送っていただければ、こちらも準備が進めやすいです。保管費を気にして商品を送っていただくタイミングが遅くなることのほうがデメリットなので、商品の置き場に困っている時も遠慮なく相談いただきたいですね。
物流は企業の成長に寄与できる仕事
――今後はどんなことに取り組みたいと考えていらっしゃいますか。
坂本: 物流に限らず何もかもが集中する首都圏で事業を行うのと、群馬県のような地方都市で事業を行うのでは、その意味が違います。お客様にとって最善の物流をご提供するだけでなく、地域の配送業者と連携して仕事を増やしていったり、雇用を生み出すことも大切なことだと思うようになりました。Logit Works自体が生まれたばかりの会社ですから、地域やお客様と一緒に成長していきたいです。
Logit Worksに任せたいと思ってもらえるのが一番嬉しいことなので、物量の大小は関係ありません。昨今はECの運営元が個人事業主ということも多いと思います。どこで配送をお願いしたらいいのかと悩んでいらっしゃる個人事業主の方々の物流も積極的に対応したいです。スポット的な案件でもご依頼いただければ、群馬県から配送するメリットを感じていただけると思います。