中古バッグ・ファッション分野のを海外へ。eBayを活用した販路拡大施策
バリュエンスジャパン株式会社は、アパレル&バッグ・ブランド小物部門で「カテゴリーグロースアワード」を受賞した。対象になったのは中古ブランド品販売の「ALLU(アリュー)」。今や国内外で人気のショップだが、成長・飛躍のきっかけになったeBayでの具体的な取り組みについて、同社の藤本勇人氏に話を伺った。
国内外で人気のユーズド・ヴィンテージショップ
―─「ALLU」とはどのようなブランドなのですか。
ハイブランドの中古品を数多く取り揃えるヴィンテージ・ブランドショップです。東京と大阪に3店舗を構え、ECではオフィシャルサイトのほか「楽天市場」などのECモール、「eBay」「Chrono24」などの海外向けマーケットプレイスを使って国内外に商品を販売しています。
―─eBayに出店した経緯を教えてください。
商品管理のために使用していたリユース販売特化型のEC管理システム「WORLD SWITCH(ワールドスイッチ)」が、eBayとシステム連携したことがきっかけです。元々中古品の越境ECには関心があり、グループ内でグローバルマルチチャネル化を推進していた時期だったので、2020年8月からeBayでの販売を開始しました。
―─出品当初から売上は好調だったのですか。
海外販売用の商品の出品を制限していたこともあり、当初は全く売れませんでした。日本と海外では売れ筋が違うというか。海外への個人顧客向け販売は始めたばかりで、まさに手探りの状態でしたね。
認知向上・顧客獲得のためにオークションを活用
―─売上を上げるために、どのような工夫・努力をされたのですか。
何が売れるか分からなかったので、最初に取り組んだのはオークションです。アパレルやバッグ、時計など全ての商品を数カ月間99セントで出品しました。もちろん赤字のアイテムもありましたが、まずは「ALLU」のブランドの認知を高めることを優先しました。
――どのようなメリットがあったのですか。
「面白いショップだ」と話題になり、新たなファンを獲得できたことでリピーターが増え、売上が一気に伸びました。オークションで現地の売れ筋やニーズを把握できたこともプラスに働きました。こうした積み重ねが今回の受賞につながったのだと思います。
―─バイヤーからの評価も高かったと伺いました。
ALLUでは実店舗でもオンラインでも「接客」に力を入れています。どのようなお問い合わせにも真摯に対応する姿勢が評価されたのだと思います。返品リスクを減らすため、細かい傷や汚れも写真でお見せし、顧客との信頼関係を築きました。
リユース品の海外販売はeBayがおすすめ
―─リユース市場は今後も拡大が見込めそうですか。
サーキュラーエコノミー(循環型経済)の考え方が常識化しつつあるため、国内外でマーケットは拡大すると見ています。ALLUでも一部の商品にリユースによる環境負荷削減貢献量を表示するなど、新たな取り組みを始めました。使わなくなったものは廃棄ではなくリユースするという価値観を発信し、市場拡大に貢献したいと思います。
―─海外展開についてはどのようにお考えでしょうか。
中国や北米向けに、ロレックスなど高額商品の販売を強化したいですね。eBayがPayoneer(ペイオニア)と連携したことで100万円以上の商品が売買できるようになりましたし、真贋保証サービスも取引の安全性を担保する意味でプラスに働くと思います。
―─越境EC成功に向けたアドバイスをお願いします。
まずはしっかり海外ECのチームをつくること。そして失敗を恐れずチャレンジし、スピード感を持ってPDCAを回していくことが大切です。越境EC・海外販売をお考えなのであれば、まずはeBayでスタートすることをおすすめします。
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