楽天マーケティングジャパン事業説明会 「Rakuten Marketing Japan Conference」

あらゆる消費体験をマーケティングに

あらゆる消費体験をマーケティングに

楽天株式会社が2014年4月より開始した、同社が持つ様々な広告テクノロジーと40以上のメディアサービスを横断して企画提案を行う新組織「楽天マーケティングジャパン」が、広告主および広告会社向けに事業方針や事業戦略の共有を目的とした会合「Rakuten Marketing Japan Conference」を7日開催した。

楽天株式会社副社長執行役員の島田亨氏による、先日弊誌内でもご紹介した決算報告、ビジネスハイライトと業績ハイライトの紹介も兼ねた挨拶を皮切りに、会合はスタートする。

次いで、楽天株式会社執行役員、楽天マーケティングジャパン事業長の濱田斗百礼氏より「楽天マーケティングについて、並びに日本における自事業展開について」の説明が入る。

楽天マーケティングとは「Driving the Omni Experience」をキーワードとした、消費者を核とした「チャネル」「生活シーン」をマネージメントするメディア及びデータ、テクノロジーを活用した統合デジタルマーケティングのことを指している。
元々ニューヨークでリンクシェアを中心に始まったサービスを、この秋より「楽天マーケティング」という名称にグローバル統一を果たしたという。氏の定義する楽天マーケティング事業の役割は、「楽天IDやオンラインサービスなど、楽天グループが保有する事業資産を活用し、様々な生活シーンにおいてデジタルマーケティングソリューションの提供を行う事業」というものである。

2014年4月に、広告事業、メディア事業、リンクシェアの3事業が統合し発足し、2018年には現在の5倍の売上を目指すとしている。
事業者や広告主の抱える問題や課題を楽天を通し解決する、という方向性への一つの見解として「楽天には千の引き出しがある」という氏の言葉が非常に印象的であった。

講義の途中より、楽天株式会社、楽天マーケティングジャパン事業RMJマーケティング部長の向谷和男氏を交え、具体的な数字を上げての楽天市場の分析および、消費者心理の読み解きを行う。
細かいカテゴリー別に国内最大級のデータを保有する楽天市場の実例とし、「楽天マタニティ・ママ市場」においては国内妊婦の約70%が利用しているとのデータが出ているとのこと。他にもいくつかの事例を列挙し、本日のまとめとして楽天マーケティングの総括を行い、カンファレンスはパネルディスカッションへと移る。

楽天マーケティングジャパン事業副事業長、兼営業部部長の林孝憲氏をモデレーターに、さきほど講演を行った濱田斗百礼氏に加え、株式会社宣伝会議取締役副社長兼編集室長の田中里沙氏、日本ロレアル株式会社コンシューマープロダクツ事業本部ロレアルパリ事業部デジタルマーケティングマネージャーの宮野淳子氏、サントリー酒類株式会社宣伝部デジタル戦略グループ課長の篠崎有平氏。以上4名をパネリストとし、「オムニチャネル戦略とデータマーケティング」というテーマについてのトークセッションが開始した。

盛り上がりに起因する話題の脱線を繰り返しながらも、予定していた時間を上回る白熱したトークセッションが展開された。機会(チャンス)と情報が結びつき、楽天の中には確かなオムニチャネルがありシーンを数多く持っている。そのような中で消費活動を行うことにより、自分でも気付けなかった潜在的な「WANTS」に気付くことができると、パネリスト達は言った。楽天が持つ膨大な購買データなどを活かし、現状では海外からの情報の受身が続く市場が多く存在するが、楽天は日本から海外へワールドスタンダードの指針となる情報を発信していけるきっかけを作れるキャパシティを持った企業であるので、今後のさらなる成長と展開に期待してきたいという意見で壇上パネリスト達は大きく頷き、タイムアウトによるお開きとなり盛大な拍手が会場を包んだ。

以上をもって、「Rakuten Marketing Japan Conference」の第一部が終了した。
第二部では、会場参加者である広告事業主や壇上講演者などの意見交換談話と親睦を深めることを目的とした懇親会が催され、軽飲食を交えたイベントは大きな盛り上がりをみせていた。


取材/写真/文:島名