Z世代の支持厚い「Qoo10」、渋谷にeBay初のライブコマース専用スタジオを開設

広瀬 敬代

左からeBay Japan合同会社マーケティング本部本部長 キム ジェドン氏、代表取締役グ ジャヒョン氏、俳優 髙橋ひかるさん

2024年2月28日、ECモール「Qoo10」を運営するeBay Japan合同会社が、専用機材、常駐スタッフを揃えたライブコマース専用の新スタジオ「Qoo10 Live Studio」をオープンした。世界190の国と地域で展開するeBayとして初めての常設ライブ配信スタジオとなる。

Z世代に人気のQoo10ライブショッピング

アメリカに本社を置くグローバルEC企業eBayが日本で展開するECモール「Qoo10」は、10~30代の女性を中心に支持されている。2010年から運営されており、会員登録数は2300万。取扱商品は韓国コスメをはじめ、ファッション、美容家電、家具、食品、eチケットなど多岐にわたる。特に、年に4回行われる大規模なセールイベント「メガ割」は集客率が高いことで知られている。

中でも2021年9月に開始したライブコマース「Qoo10 Live Shopping」は、影響力が強い。ユーザーはQoo10アプリやQoo10公式X(旧Twitter)から手軽に視聴でき、その場でコメント機能を利用して、「like」をつけたり、質問を投稿したり、アンケートに答えたりしながら、商品のブランド担当者やインフルエンサーと直接コミュニケーションをとり、ショッピングを楽しむことができる。「Qoo10 Live Shopping」だけの価格や特典、特別な商品も用意され、視聴者が参加できるイベントも開催されるなど、顧客満足度の高さも評判だ。「Qoo10 Live Shopping」の最大Views数は120万、最大いいね数は700万、1回の配信で1億円以上売り上げたこともあるという。

eBay Japan合同会社代表取締役グ ジャヒョン氏は「ライブコマース専用のスタジオの開設によって、今後はライブショッピング事業をさらに拡大していく。スタジオでは、ライブショッピングを中心に、ファッションなどの質の高い撮影ができる場としても活用する。『Qoo10』のファンの多くのZ世代の皆様と直接交流できる場所としても展開していきたい」と、今回の開設の目的を話した。

eBay Japan合同会社代表取締役グ ジャヒョン氏

専用機材完備。充実度が高いライブコマース

今回開設された「Qoo10 Live Studio」は、渋谷駅から徒歩6分ほどとアクセスが良く、タワーレコードの先にありMIYASHITA PARKからも近く、情報発信基地としても好条件だ。

スタジオは2階で構成され、1階に「Qoo10 Live Shopping」の撮影や配信ができる専用ブースがある。カメラ操作のためのスタッフが常駐しているほか、商品を360度回転させながら撮影できるORBITVU(オービットブイユー)社の高性能な商品撮影機材が導入されているのが魅力。スタジオ利用は、「Qoo10」のファッションEC「MOVE by Qoo10」の出店者で、事前にオンラインでの予約が必要となるが、すでに多くの反響が寄せられているようだ。

1階には「Qoo10 Live Shopping」の撮影や配信ができる専用ブースがある

スタジオの2階にはポップアップスペースやミニスタジオ、メイクアップルームを完備。Qoo10アンバサダーに任命されたインフルエンサーが撮影場所として活用できるほか、その場でSNSにアップしたり、ライブ配信したりすることも可能だ。基本的に視聴者は利用できないスペースだが、今後は、視聴者が参加できるさまざまなイベントの開催を検討してるようだ。

1階の「プロダクションスペース」は、Qoo10セラーが商品撮影拠点として活用できる(事前にオンラインでの予約が必要。予約は「MOVE by Qoo10」セラーのみ可能)

2階には「ポップアップスペース」や「ミニスタジオ」がある。Qoo10アンバサダーとして任命されたインフルエンサーが撮影場所として活用できる

「Qoo10 Live Shopping」は毎日配信予定で、20時からの配信がメインだが、今後は12時、17時からと配信回数を増やしていく予定。また、有名インフルエンサーや視聴者を招待したライブイベントや、エンタメライブなども行っていくという。eBayマーケティング本部長キム ジェドン氏によれば、「3月1日から始まる『メガ割』に合わせて、2月28日から3月12日まで13本のライブショッピングを実施する」という。

2月28日に行われた第1回「Qoo10 Live Shopping」には、ゲストに女優の高橋ひかるさんが登場。「いつも母と一緒に通販番組を楽しんでいて、気づくとカートがパンパンになっていることも。通販番組への出演は憧れだったので今回はどんな商品との出合いがあるのか楽しみにしている」と語った。12時から配信された第1回目は、ライブ中のViews数が3万に達した。

まさにZ世代に人気の髙橋ひかるさん

Z世代のファンが多数を占める「Qoo10」は、EC事業者にとって、今後のECビジネス拡大のための魅力的なマーケットといえる。出店するための固定費は無料なので出店しやすいメリットがあるほか、視聴者と直接コミュニケーションがとれる「Qoo10 Live Shopping」は、商品開発にも重要なマーケティングの場となりそうだ。SNSや動画に慣れ親しんでいるZ世代の声を反映し、ブルーオーシャンを開拓できる可能性も広がるのはもちろん、EC事業を強化していくために今後、ますます目が離せない。


記者プロフィール

広瀬 敬代

東京都出身。広告制作会社、編集プロダクションを経て、フリーランスに。旅雑誌の編集経験を生かした執筆の他、食、健康、白物家電、ビジネスギア、調理道具などの雑貨の検証を担当。その後ビジネス媒体での編集・執筆も行っている。

広瀬 敬代 の執筆記事