楽天市場でロイヤルカスタマーを生むためのLINE活用術【日本ECサービス株式会社 セミナーレポート】

ECのミカタ編集部 [PR]

2024年7月9日、ECのミカタ主催の「ECのミカタ カンファレンス~楽天市場編~」にECコンサルティングを手掛ける日本ECサービス株式会社(本社:東京都渋谷区)の清水将平代表取締役が登壇。楽天市場におけるLINEでの顧客コミュニケーションを通した売上アップの方法と、クーポンなどの広告効果を最大化する施策を紹介した。

クーポンはLINEで活きる

日本ECサービスでは、常々、見込み客集めにLINEは欠かせないと説明してきているが、ではその見込み客を集めた後、顧客の購買転換率を上げるためにはどうしたらいいのか。

清水氏は顧客の購買転換率を急激に引き上げる施策がクーポンだという。楽天市場では、イベントに参加している店舗全体で使える300円オフなどのバラエティクーポンを配布している。中には「○○円以上で○○円引き」などの条件付きクーポンもあるため、入口の値引きだけでなく、単価向上も期待できます」と清水氏。

店舗としてはクーポン利用者を獲得して、自店の売上向上と同時にイベントへの参加費用を回収したい。そこで活用すべきツールがLINEだという。LINEはリッチメニューやメッセージを通して購買を促せるため、その場で購入に至らなかった顧客を購買転換できる可能性がある。

「商品ページ上部に大バナーでLINE登録特典のクーポンを表示が鉄則です」(清水氏)。成功事例として紹介された店舗のケースでは、クーポンに紐づいたLINEのリンクを顧客が見落とさないよう、画面上部や説明文にくまなく配置。顧客がクーポンを探してクリックする手間を省いている。こうしたLINE活用の結果、友達登録1000人のうち、訪問者312人で400万円近い月商を達成した店舗もあるという。

また、顧客がお得に購入できる日をプッシュ通知できるのも、LINEの強みだ。毎月5と0のつく日に楽天カードを利用して買い物すると獲得ポイントが4倍になるが、それを忘れている顧客も多い。

「弊社サービスのECマスターズLSEGを使えば、お得な日に顧客へ通知を予約できます。既存のシステムで対応していなかった、RMS(Rakuten Merchant Server)とLINEの連携で、効果測定しながらメッセージやクーポンを送れるので、担当者のモチベーションも上がります」(清水氏)

LINEで広告効果が上がる

クーポンと並んで顧客獲得の機会を押し上げる仕組みが、楽天内で上位表示するRPP(Rakuten Promotion Platform:検索連動型広告)と、楽天外のサービスで広告を打てるRPPエクスパンションだ。今年7月からRPPの表示箇所が増加しており、予算の消費スピードが速くなった一方で露出も増えた。

また、新規集客を目的とした広告出稿ではROAS(広告の費用対効果)も注視してもらいたい。広告出稿する際には、まず自社を認知してもらい、次に購入してもらう必要があるわけだが、「LINEを活用することで、リピーター商材を扱わない店舗でも売上アップが見込めます」と清水氏。

広告から新しくショップに出会った顧客に対して、クーポンでLINE登録を促し、フォローアップすることで、クーポンを出すだけの集客に比べて購買転換率を高められる。よって、ROASも高まる。

もう一つ大きなポイントとして、広告出稿する際は顧客に覚えてもらうために、自店のブランドロゴを商品画像の1枚目に入れておくことだと清水氏。「例えばRPPエクスパンションでは、SNSなどに広告が表示されます。その際に引用される画像は商品ページの1枚目なので、何を専門としているショップかわかるようにしておくことでお客様の記憶に残ることができます」

レビューと購買のループがロイヤルカスタマーを生む

清水氏によれば、ユーザーはレビューの件数によって購買意欲が増減する。「RPPの購買転換率は、レビュー数が10件未満の商品に比べ、1000件以上の商品で3.2倍の差異があります」。店舗はレビューを増やして顧客に安心感を提供する必要がある。ここでもLINEが登場した。

その点、日本ECサービスと協業するGREENWICHの「らくらくーぽん」は、メールやLINEを商品の受注と紐づけることができる。よって、商品が届いたころに自動でレビュー依頼のLINEを送ることで、商品への熱量が高い状態の顧客にレビューを促せます」(清水氏)

レビューを前提とした事前の値引きは規約上できないが、景品の送付や次回使えるクーポンの配布は可能。ショップオブザイヤーを受賞した店舗の多くが注文情報、レビュー依頼、次回クーポンのセット運用でレビューを積み上げているという。

「たとえばツルハドラッグは注文番号を入力した登録者に対して次回クーポンを配布することで、顧客のロイヤリティを高めつつ一斉配信の費用と工数を削減しています」(清水氏)

LINEやX(旧Twitter)など、SNSを通じた商品の紹介やレビューを促進できることも、現代の生活インフラとなったLINEに顧客接点を持つ利点だ。「楽天外に向けて情報を発信してもらうことで、モール外のお客様に自社製品をリーチする機会が増えます」(清水氏)

多機能なECXのサービス

こまめなLINEの運用は、忙しいECモール運営の片手間には荷が重い。ポイントは作業の自動化だ。自動で注文情報とLINEを紐づけてフォローアップのLINEを送ることで、購入を検討している顧客を、購入者、リピーター、ファンへと自動でアップグレードできる。

画像提供:日本ECサービス株式会社(「ECのミカタ カンファレンス~楽天市場編~」より)

「LINEリッチメニューのタブ切り替え機能や誕生月の登録者へのクーポン配布など、Lステップなどの有名サービスと同等の機能を楽天で実現できる機能が実装されています」と清水氏。

日本ECサービスとGREENWICHが連携して運営するECXは、8月末まで月額20000円のベーシックプランを無料で利用できるようにしている。サービスにはRMSと連携したLSEGのメッセージ機能、「らくらくーぽん」のレビュー促進機能、ECマスターズクラブのフォーラム利用権などが付随する。

LINEはメールよりも開封率が高く、配信メッセージにおけるクーポンのクリック率では100倍以上のギャップがあるという。顧客との関係性を密にして、ロイヤルカスタマーを育成したい店舗にとって、関連サービスが拡充されている公式LINEの活用は欠かせない一手となりそうだ。

清水 将平(しみず しょうへい)
日本ECサービス株式会社 代表取締役 ECマーケター 大阪生まれの京都育ち。関西大学卒業後、三菱電機系プロバイダDTIの テクニカルサポートを統括、主要専門4誌にてサポート満足度No.1を獲得。1年間の海外生活後、住友商事グループ企業にてCATVインターネットの普及に携わり、2003年に楽天株式会社に入社。2年間のECコンサルタント時代には最大600ショップを担当し、MVPなど多数受賞。 店舗のセキュリティ、同梱機能、受注・カード決済のAPI化、アフィリエイト推進、社員食堂の運営など数々の事業に携わる。2007年からフリービット株式会社の社長室にて、DTIの買収に携わり、営業全般の事業を統括。2010年に独立後、GMOグループのECアドバイザーを1年半務め、 日本ECサービス株式会社を設立。2014年にスタートした「ECマスターズクラブ」は、全国2,600ショップ以上と日本最大級に。2023年に株式会社ECXグループを設立し、グリニッジ株式会社とあわせて5,000ショップ以上を支援。楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー受賞ショップの3社に1社がサービスを活用。一般社団法人ECスキル認定協会(JECSA)代表理事も務める。


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