韓国No.1 CRMマーケティング“データライズ”のご紹介【データライズジャパン セミナーレポート】
ECサイト運営において、顧客との関係構築=CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)は売上向上の鍵をにぎる。しかし、顧客データ分析やキャンペーン効果の最大化には専門知識やリソースが必要であり、その重要性を認識しつつも具体的な施策に取り組めていないEC担当者も多いのではないだろうか。
そんな中、株式会社データライズジャパンの事業開発 部長 大原龍一氏が「今まで複雑で始めにくかったCRMマーケティングが簡単に始められる」とプレゼンするのが、韓国発のEコマースCRMマーケティングソリューション「データライズ」だ。韓国での豊富な実績を背景に2024年に日本でのサービス提供を開始した「データライズ」の機能と導入メリットを、同年12月に開催されたECのミカタカンファレンスからレポートする。
韓国で圧倒的な実績を誇る「データライズ」とは
大原氏によるセッションタイトルは「韓国No.1 CRMマーケティング ~売上UPの最新術~」。同氏は冒頭、韓国における「データライズ」の高い実績を示した。
「Datarize(データライズ)社は2019年に韓国で創業し、Eコマース専用のCRMマーケティングソリューションを提供しています。韓国国内で500社以上の企業に導入されており、「カカオトーク」(※1)での累計メッセージ配送数は6億通を超えて配信実績は韓国国内で1位です。日本法人は2024年に設立され、Shopify向けアプリの提供を開始しました」(大原氏)
続いて大原氏はECにおけるCRMの重要性に触れながら、「データライズ」の機能領域に話を進めた。
「CRMをかみ砕いて説明すると、『ご利用いただいているお客様の情報をしっかり集めていきましょう』ということです。ECでは、例えば初めてサイトに訪問してくれた方に初回購入を促したり、リピーターやロイヤルカスタマーになってもらうためにメッセージを行ったり、顧客に合わせて適切なコミュニケーションを行うことを意味しています。
現状、ECサイトにおける平均のコンバージョン率は約2.86%というデータが出ています(図1)。特に最近では、新規顧客の獲得単価(リスティング広告等)が既存顧客の獲得よりも5倍コストがかかると言われています。そうした背景からCRMマーケティングは韓国では非常に関心度の高い手法となっており、今後、日本でも導入企業が増えることを期待しています。
ただ、弊社に多く寄せられるご相談として『自社に専門のマーケターがいない』『どうやって始めたらいいのかが難しい』『日々の業務で忙しく、CRMマーケティングは後回しになりがち』といったものがあります。CRMマーケティングを効果的に始めようとすれば、まずサイトの分析を基に課題を見つけ出し、送付対象を決めたり、クリエイティブを作成したり、メルマガの文面を考えたり……と、想定よりも多くの時間がかかるでしょう。この一連の作業を、当社のサービスをご利用いただくことで、簡単にCRMマーケティングを始めることができるようになります(図2)」(大原氏)
※1:「カカオトーク(KakaoTalk)」は韓国発のメッセンジャーサービス
【図1】画像提供:株式会社データライズジャパン(カンファレンス登壇資料より)
【図2】画像提供:株式会社データライズジャパン(カンファレンス登壇資料より)
「データライズ」の主な機能と特徴
現在、日本ではShopify向けのサービスとして提供されている「データライズ」。利用までのプロセスはシンプルで、「データライズ」のアカウントを作成してShopifyアプリをダウンロード、初期設定としていくつかの登録を行えば、キャンペーンを始めることができる。
「『データライズ』を利用して、ECサイト上に蓄積していたユーザー情報や購入情報などを抽出します。スクリプト連携によりユーザーのクリック後の行動情報なども取得でき、その行動データを基にプロファイリングを行って購入可能性スコアや購入周期離脱率スコアを算出することで、より正確なターゲティングができるようになります。ECサイトのデータだけでなく、行動データも統合して分析できる点が、他のCRMソリューションと違う『データライズ』の強みです。
今『データライズ』が日本で提供しているキャンペーンの対応チャネルは、オンサイトキャンペーン(サイト上にポップアップやバナーを表示させるもの)と、メールキャンペーン(メルマガ)の2種類です(図3)。オンサイトキャンペーンでは、画像型、商品のおすすめ型、ソーシャルプルーフの3タイプを表示可能です。また、メルマガはドラッグ&ドロップのノーコードで簡単に作成することが可能です。弊社では来年(2025年)6月を目途に、『LINE』との連携を進めています。メールの開封率は一般的に10〜15%と言われていますが、韓国では『カカオトーク』との連携で開封率を60%まで伸ばすことができるというデータもありますので、『LINE』との連携は非常に魅力的なチャネルになると考えています」(大原氏)
【図3】画像提供:株式会社データライズジャパン(カンファレンス登壇資料より)
クーポンに頼らない「データライズ」の差別化ポイント3選
大原氏は「データライズ」で提供しているさまざまなデータ分析機能を紹介したうえで、「データライズ」ならではのCRM施策を、“差別化ポイント”として紹介した。
「従来のCRMソリューションは、クーポンやポイント中心のキャンペーンが多い傾向にありましたが、弊社ではクーポン以外にも、お客様ごとにパーソナライズするための要素を3つ用意しています。
ポイント1:顧客ごとの関心商品の推薦
クーポン主体のCRMキャンペーンではどうしても売上ROASや購入転換率に目が行きがちですが、弊社では実際の“手残り”である収益ROASに注目し、顧客ごとの関心商品を推薦する形のキャンペーンをおすすめしています。例えば1万人にメール配信する場合でも、『データライズ』を使えば顧客ごとに興味を持ちそうな商品を自動でパーソナライズして提案できます。これはユーザーの行動データを分析しているからこそ実現した技術です。
ポイント2:顧客ごとの購入可能性の予測
『データライズ』ではサイトを訪問した顧客の全ての行動データと、過去購入に至った顧客の類似性を分析し、0点から100点までスコアリングします。100点に近いほど実際に購入される可能性が高いということで、このスコアを基に、例えば『購入可能性が50%以上のお客様』といったターゲティングも可能です。購入可能性の高いユーザーに向けて配信することで、よりコンバージョンが出やすいプロモーションが可能になります。
ポイント3:会員ごとの購入周期離脱率の予測
例として、5名の会員様が過去4カ月間でいつ購入しているのかを考えてみましょう(図4。各丸印が購入タイミング)。オレンジのお客様は購入回数が最も多い4回ですが、購入が最初の1カ月に集中していて以降の購入がないため、購入周期離脱率が最も高いことになります。つまり、お客様によって購入周期や購入回数が異なることを把握する必要があるのです。弊社では購入周期離脱率を0%から100%まで予測しており、例えば『直近30日購入していない層』ではなく『離脱率50%以上の高離脱群』にターゲティングするといった方法が提案できます。
【図4】画像提供:株式会社データライズジャパン(カンファレンス登壇資料より)
データドリブンなCRMで売上アップを
「CRMマーケティングでは、顧客の行動パターンに合わせてキャンペーンを行うことが非常に大切。顧客が新規訪問者なのか、初回購入者なのか、それともリピート購入者なのかという点をデータに基づいて分析し、適切なキャンペーンを打つことが重要です」(大原氏)
締めくくりとして、改めてCRMのポイントを伝えた大原氏。韓国で高い実績をあげている「データライズ」の機能とともに、データに基づいてパーソナライズされた顧客への適切なアプローチが、継続的なEC売上げ向上につながることを示すセッションとなった。