楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2024、総合グランプリは「越前かに職人甲羅組」 トップ10が大きく入れ替わる

田中凌平

2025年1月30日、楽天市場の年間ベストショップを表彰する「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2024」が発表された。今回総合グランプリに選ばれたのは、株式会社伝食が運営する「越前かに職人甲羅組」。その他、総合賞10店舗、ジャンル賞118店舗など合計159店舗(※1)が受賞した。

※1:同一店舗による複数賞受賞の重複を含む、のべ店舗数。「ふるさと納税賞」受賞の3自治体も店舗としてカウント

「越前かに職人甲羅組」が総合グランプリを獲得!

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」は、楽天市場に出店する5万店舗以上(※2)の中から、ユーザーによる人気投票および店舗の売り上げなどを総合的に評価し、特に優秀なショップを選出するもので、今回で27回目を迎えた。

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2024」では、総合賞10店舗、ジャンル賞118店舗(42ジャンル)、サービス賞20店舗、特別賞11店舗の計159店舗が受賞。受賞ショップは全体の0.25%、大賞に選出されたのは0.08%、トップ10に入ったのは0.02%という、まさに「選ばれた」ショップと言えるだろう。

その中で見事、総合グランプリに輝いたのが、2011年の創業以来「本場のカニ料理をもっと身近に」を合言葉に掲げ、国内のみならず世界中から新鮮なカニを提供する「越前かに職人甲羅組」だ。

また「Rakuten最強翌日配送」のスタートに伴い、2023年にあった「あす楽賞」がなくなり、「最強翌日配送」ラベルを積極活用したショップに贈られる「最強翌日配送賞」が新設。有限会社ズーティーが運営するファッションECショップ「イーザッカマニアストアーズ」が同部門の大賞を受賞した。

※2:2024年11月時点

総合賞受賞店舗一覧

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2024」において総合賞を受賞した10店舗は、以下の通りだ。(受賞コメントは一部)

◆総合グランプリ 「越前かに職人甲羅組(DENSHOKU)」

受賞コメント「2011年に福井県敦賀市で創業し、当初はワンルーム8畳のアパートの一室で始まりました。融資を受けるために銀行に提出した事業計画書には、10年で年商50億円を目指そうと書いたのですが、銀行の方に『夢を追いかけるのはいいけれど、現実を見てください』と言われ、10年で10億円に変更しました。しかし10年後、年商100億円にしました。創業から14年経ち、今は年商は約140億円と順調に成長しています。事業を始めたときの夢に向かって自分を信じたこともありますが、楽天市場というプラットフォームがあり、何より大切なのは一緒になって夢を追いかけてくれる仲間がいることです。明日からまた初心に戻り、仲間とともに頑張ってまいります」


◆総合賞2位 「アイリスオーヤマ公式 楽天市場店」

受賞コメント「1年間を振り返ると、本当に苦しいときもありました。しかし、苦しいときこそ楽天の皆さんが仙台まで来て弊社のスタッフを励ましてくれ、色々な提案をいただいて、そして年末まで走り切れたことが受賞につながったと感じています。引き続き2025年も、アイリスグループとアイリスプラザは精一杯日本のために頑張っていきますので、ぜひともよろしくお願いいたします」


◆総合賞3位 「リカーBOSS 楽天市場店」

受賞コメント「まず、日頃からご注文いただいているユーザー様に心より感謝申し上げます。また、日頃の業務運営に携わってくれている従業員やパートスタッフの皆さん、そして多大なるご協力をいただいている卸様、さらには応援してくださるメーカー様の支えがあってこその成果だと感じています。私たちは北陸・富山の中小企業ではございますが、ローカルの強みを最大限に活かして、ここで満足することなく日々精進していきたいと思います」


◆総合賞4位 「イーザッカマニアストアーズ」

◆総合賞5位 「LIFEDRINKオンラインストア」

◆総合賞6位 「アンカー・ダイレクト楽天市場店」

◆総合賞7位 「NIKE 公式 楽天市場店」

◆総合賞8位 「atRise(アットライズ)」

◆総合賞9位: 「お酒の専門店 リカマン楽天市場店」

◆総合賞10位: 「イルミルド公式ショップ」


2022年と2023年で総合賞(グランプリ~10位)を連続で受賞したのは3店舗だったが、今回はさらに減って「リカーBOSS 楽天市場店」のみが2年連続の総合賞受賞となり、年を追うごとに上位を維持し続けることが難しくなっているとわかる。また、上位3店舗は地方を拠点としており、全国に販売できるECの強みを最大限に活かしているのだと考えられる。

ジャンルやサービスに特化した賞も

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2024」では総合賞の他にも、ジャンルやサービスに応じたショップに対しても賞が送られ、合計159店舗が受賞した(複数賞受賞の重複を含む)。

◆ジャンル賞:118店舗
レディースファッション、ベビー・マタニティ、肉・野菜・フルーツ、スイーツ・お菓子、家具・収納、ペットフード・ペット用品、コスメ・香水、家電、アウトドア・レジャー、などのジャンル賞

◆サービス賞:20店舗
ラ・クーポン賞、最強翌日配送賞、リユース賞、定期購入賞、ギフト賞、ROOM賞、ショッピングチャンネル賞、スーパーDEAL賞

◆特別賞:11店舗
新人賞、ベスト投票賞、サステナビリティ賞、ふるさと納税賞、NATIONS賞

全ジャンルにおいて2年以上連続で大賞を受賞したショップに送られる「ダブルイヤー賞」を受賞したのは、前回に引き続き10店舗。2021年の20店舗からは半減しており、どのショップも油断できず、常にサービス向上と向き合う必要があるだろう。

最多の4部門で受賞となったのは、レディースファッションを扱う「イーザッカマニアストアーズ」と、美容アイテムを扱う「イルミルド公式ショップ」。両ショップが多大な努力を重ねてきたことがうかがえる結果となった。

最後に楽天グループ株式会社 代表取締役会長兼社長 最高執行役員 三木谷浩史氏が総評を述べ、スマートフォンやクラウド、AIと技術は発展しているが、ECは「究極の対面販売」であるという本質は変わっていないと語った。

複雑化する国際情勢も含め、2025年もさまざまな変化が予想されるが、新たなチャレンジによって成長していく楽天市場出店ショップから目が離せない1年となりそうだ。


記者プロフィール

田中凌平

フリーライター。東京都生まれ。ラグジュアリーブランドでの接客経験を活かし、話し手に寄り添ったインタビューが得意。上場企業の経営層から個人まで幅広く対応。ジャンルを問わずSEO記事やコラムも執筆し、取材記事を含めてこれまで300本以上の記事を執筆。

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