東西のEC戦略拠点が稼働 SBSはECをスケールさせたい事業者とともに未来へ

ECのミカタ編集部 [PR]

SBSホールディングス株式会社 Eコマース事業推進部長 大森茂氏

SBSグループが運営するEC野田瀬戸物流センター(千葉県野田市)の開設から1年が経過した。最先端のロジスティクステクノロジー(LT)を多数導入したEC専用区画は、中小規模の事業者やスタートアップ企業が“相乗り”で利用でき、汎用性や柔軟性、コストパフォーマンスにおいて高い競争優位性を持つ。さらに2024年11月にオープンした物流センター八尾(大阪府八尾市)をはじめ今後も同様の施設を全国各地に建設予定で、これらがEC物流業界に大きなインパクトを与えることは間違いない。事業を統括するSBSホールディングス株式会社 Eコマース事業推進部長の大森茂氏に、EC野田瀬戸物流センターの特長や稼働状況、将来を見据えた事業展開について話を聞いた。

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最新設備でEC物流の“価格破壊”目指す

──2024年2月のEC野田瀬戸物流センター開設から1年が経過しましたが、改めて施設の概要を教えてください。

野田瀬戸物流センターは、SBSグループが土地開発から携わった大規模物流センターです。常磐自動車道「柏IC」から7分(3.9km)の距離にあり、地上4階建て、延床面積約4万坪の広さがあります。4階の1フロアと1階の一部には合計約1万7500坪のEC専用区画を設け、EC物流のあらゆるフェーズをワンストップでサポートする「EC物流お任せくん」のサービスを提供する“戦略拠点”となっています。

――EC専用区画には、どのような特長がありますか。

最大の特長は、先端ロボットソリューション検証施設「LTラボ」で収集した実証データをもとに選定したマテハン機器やロボットを多数導入している点です。荷主様は相乗りでこれらをご利用いただけます。稼働に向けた準備を行っており、今期中の本格稼働を目指しているところです。

設備面ではドライ倉庫のほか、危険物保管庫や冷凍・冷蔵設備などを備えています。細かい流通加工に対応するための各種設備や撮影スタジオも併設しており、EC物流に関するさまざまなメニューをワンストップで提供できる点が強みです。

――本格稼働を控えるロボットについてもお聞かせください。

従来の倉庫作業は人が商品棚の間を歩き回り、必要な商品を保管、ピッキングしていましたが、ここでは棚搬送ロボットやACR(Autonomous Case-handling Robot/高層型自動ケースハンドリングロボット)を導入し、保管効率を高め、かつ、作業の自動化・省人化を進めています。

ただし、複数の荷主様が同じシステムを使うため、汎用性の高い仕組みになるように工夫しています。今後もLTラボとの連携を強化し、荷主様へ高いサービスレベルの実現とパフォーマンスの最大化を実現していきます。

野田瀬戸物流センターで導入されているACR「HAIPICK」

――ECプラットフォーム事業の第1号戦略拠点と位置付けるEC野田瀬戸物流センターによって、EC事業者にどのような価値を提供できるとお考えですか。

当社が最終的に目指すのは、物流の“価格破壊”です。これまで人手でやらなければならなかった作業を自動化することでコストメリットを生み出し、規模の経済を活かしながら荷主様の経費削減・売上拡大につながる環境を整備して参ります。

また、SBSグループでは読売新聞の販売店ネットワークを活用した宅配便サービス「YCお届け便(※1)」や置き配サービス「SBS Ecoロジ便(※2)」など、新しい枠組みの配送サービスを拡充しています。物流センターの運営ノウハウを加味して開発した倉庫管理システム(WMS)もご用意していますので、ECに関する全ての物流業務は当社グループにお任せください。

大森氏の足元にあるのが、棚搬送ロボット「EVE」

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事業拡大を狙う荷主に寄り添いサービスを改善

――どのようなEC事業者様が、どういった理由でEC野田瀬戸物流センターを使用されていますか。

原材料費や人件費が高騰していますので、やはり物流コストの削減を目的にご利用いただくお客様が多いですね。時期・施策などによって上下する物流波動への対応や拡張性のあるスペースを求めて、当社にリプレイスされる企業様も少なくありません。

EC専用区画は現在、化粧品や健康食品、生活雑貨などを扱う計27社のお客様にご利用いただいており、月間で38万件ほどの出荷があります。

――ゼロから立ち上げた物流拠点ということで、対応に苦労されたことはありませんでしたか。

例えば、それまでの倉庫で保管していた荷物の移転や、保管スペースのレイアウト変更の際でも物流を止めたくないお客様はいらっしゃいますので、その時は緻密に計画して作業工程を事前にご提示し、専門スタッフが移転サービスを行うことで機会損失を防ぎました。繁忙期やセール時には2交代制で特別シフトを作成し、出荷対応にあたったこともありました。

毎日さまざまなご要望をいただき、解決に向けた最適解をお客様と一緒に考えていく作業は、まさに“筋トレ”のようなもの。当社もこの1年でだいぶ筋力がついたと思います。

――荷主様の希望や要望に、可能な限り応えていこうと考えられているわけですね。

そうですね。Eコマース事業推進部は営業担当と現場スタッフの距離が非常に近いため、作業現場で感じる課題やお客様のご要望を部内で共有しやすい環境にあります。それにより迅速な意思決定ができるからこそ、さまざまな課題解決策をご提示できているのだと思います。

ただ、ここまでの道のりは決して楽なものではなく、1年を振り返ると本当に反省の連続でした。トライ&エラーを繰り返しながら前進してきましたが、そういった中でもSBSグループのEC物流に価値を感じてくださる荷主様が多くいらしたことは本当にありがたいことでした。

――御社のECプラットフォーム事業には、業界から高い期待と関心が寄せられているようですね。

このEC野田瀬戸物流センターは、EC事業をスケールさせたいという強い意志をお持ちの事業者様にぜひ使っていただきたいです。私たちの考え方やサービス運営に共感していただける事業者様としっかり目線を合わせ、売上利益につながるサービスを継続的に提供していきたいと思います。

拠点の増設で2030年に“EC物流関連売上1000億円”規模へ

――EC野田瀬戸物流センターに続いて、SBSグループの関西エリア初となるEC戦略拠点も稼働が始まりましたね。

2024年12月から、大阪の八尾に地上4階建て、延床面積約8000坪の物流センター八尾が稼働しています。そのうち約2000坪がEC専用区画で、野田瀬戸と八尾の東西2カ所にSBSグループのEC戦略拠点ができたことになります。在庫を分散して保管すれば、納品先までの距離が短くなるため、配送コストの圧縮やリードタイム短縮が可能です。災害時などのリスクヘッジにもなるでしょう。

物流センター八尾。大阪市中心部まで10km圏内、大阪府内のラストワンマイル配送にも適した好立地

――今後もこのようなEC専用区画のある物流拠点を計画的に増やされるのでしょうか。

SBSグループは2030年までにEC物流関連売上1000億円を目指しています。この目標達成に向けて、今後は野田瀬戸や八尾のようにEC専用区画のある大型物流センターを20カ所ほど作っていく計画です。拠点が増えれば増えるほど配送コストを抑えられ、リードタイムも縮められるので、これまで以上にさまざまなメリットを荷主様に還元できるようになるはずです。

――2030年までに1000億円とは、かなりチャレンジングな目標ですね。

EC物流拠点のフラッグシップと位置付けるこの野田瀬戸物流センターの成否が、目標達成の鍵を握っています。目標を達成するためには、早期に野田瀬戸を満床にし、高度なQCD(品質・コスト・デリバリー)を安定的に提供できる環境を構築することが重要です。

野田瀬戸で蓄積したノウハウを他の拠点にも横展開できれば、成長スピードは加速度的に速まるはずです。確かに野心的な数値目標ではありますが、まずは足下の野田瀬戸物流センターの成功に向け、全力を注いでいきます。

俳優の高橋文哉を起用した「EC物流お任せくん」のCMも野田瀬戸物流センターで撮影。このメイキング動画では内部の様子も見ることができる

※1:「YCお届け便」の詳細はこちら

※2:「SBS Ecoロジ便」の詳細はこちら

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