「MOVE by Qoo10MOVE」にEC物流代行サービスが誕生 「メガ割」時にも対応し一気通貫で出店者を支援
インターネット総合ショッピングモール「Qoo10」を運営するeBay Japan合同会社は、ファッション専門ECモール「MOVE」で新たなEC物流代行サービスを開始した。出店者の物流に関する負担を軽減することで、販売促進やブランディングなどのコア業務にリソースを割きやすくするのが狙いだ。急成長する「MOVE」で誕生した新サービス「MOVEフルフィルメントセンター」は、出店者や利用者にどのようなメリットをもたらすのか。eBay Japanでライフスタイル事業を統括する営業部長 丸山恵未氏に、同サービス誕生の背景や具体的な支援内容、今後の展望について話を聞いた。
動画活用で20~40代女性の圧倒的支持を集める「MOVE」
――まず、「MOVE」とはどのようなサイトなのでしょうか。主な利用者層を含めて教えてください。
「MOVE」は、総合ショッピングモール「Qoo10」から生まれたファッション専門ECモールです。行動(MOVE)、動画(MOVIE)、最新トレンド(MOVEMENT)、感動(MOVED)という4つのコンセプトを掲げ、2022年4月にローンチしました。日本・韓国を中心に約850ブランドが公式ショップを出店しており、トレンドに敏感な20~40代の女性が主な購買層です。
――ファッション専門ECモールとしては後発になりますが、どのような特徴があるのですか。
動画コンテンツを多用することで、写真やテキストだけでは表現できない商品の魅力や情報を伝えやすいサイトです。商品の“リアル”を直感的に訴求できるため、ブランディングがしやすい点で優位性があります。利用者も商品理解が深まり、着用イメージがわきやすいため、レビューを獲得しやすいという利点もあります。2023~2024年で販売商品数は78%、流通額は28%伸びた急成長中のサイトです。
――「MOVE」では新たなEC物流代行サービスの提供が始まりましたが、これにはどのような背景があるのでしょうか。
ECショップ運営において、受発注や在庫管理、商品発送などの物流業務を負担に感じている事業者様は少なくありません。特にアパレル業界からは「リソース不足で配送まで手が回らない」「これまで実店舗中心の運営だったので、EC業務自体に慣れていない」などの声が多く寄せられていました。そこで、出店者様のECに関わる業務負担を少しでも軽減するため、これらを当社が代行するフルフィルメントサービス「MOVE フルフィルメントセンター」の提供を始めました。
「MOVEフルフィルメントセンター」は2025年3月26日にサービスを開始
「MOVE」の入口と出口をつなぎ、一気通貫で出店者を支援
――具体的にはどのようなサービスを提供されるのですか。
「MOVE フルフィルメントセンター」は、国内から「MOVE」に出店している企業様を対象に、受発注や在庫管理、ピッキング、梱包、発送など一連の物流業務を当社が代行するサービスです。神奈川県相模原市に約4000坪の専用倉庫を構えました。
同サービスをご利用いただく場合、まずは商品を倉庫に預け入れていただきます。荷主様にやっていただくことは基本的にここまで。倉庫内では最適なロケーションを組み、当社が在庫管理や検品を請け負います。
注文が入ったら商品のピッキング、仕分け、梱包を行い、指示通りに出荷する流れです。商品を事前に預け入れることなく、受注分だけを倉庫に送っていただき、そこから我々が購入者様に発送するというBtoBtoCのような使い方も可能です。
――顧客の要望に応じてフレキシブルに対応するということですね。
そうですね。ブランドごとにさまざまな考え方がありますし、セール時など特定の期間だけサービスを利用したいというニーズもあるので、出店者様の作業負担軽減のため可能な限り柔軟に対応していこうと考えています。
――「MOVE」ならではのサービスや、御社の強みが活かされたサポートなどはありますか。
「MOVE フルフィルメントセンター」では物流サービスだけでなく、ご希望があればカスタマーサービス(CS)にも対応させていただきます。また、出店者様には東京・渋谷にあるライブスタジオで、ORBITVU社の360°回転撮影システムを使った動画撮影サービスを無料で提供したり、プロモーション支援を行ったりもしています。「MOVE」というプラットフォームの入口と出口をつなぎ、一気通貫で出店者様を支援できる点は当社の強みが活かされていると思います。
eBay Japan合同会社 ライフスタイル事業室 丸山恵未氏
リソース不足を解消し、コア業務に集中できる環境を
――このサービスを利用することで、出店者にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
一番大きな利点は、出店者様の業務負担が軽減されることで、コア業務にリソースを割けるようになる点でしょう。配送スピードや物流クオリティーに関しても一定レベルを担保しているので、安心して販売を継続していただけます。
特に「20%メガ割」など大型セール時には商品が大きく動きますが、そうした物流波動にも対応できる体制を整えているのでご安心ください。
――「MOVE フルフィルメントセンター」は、特にどのような事業者におすすめのサービスですか。
事業規模にかかわらず、リソース不足で物流業務に十分な人員を割けない企業様にはおすすめです。また、これまで実店舗を中心に事業を展開してECに慣れていないブランド様、MDやプロモーションに注力するため物流業務の外部委託を検討されているブランド様にもぜひご活用いただきたいです。
――最後に「MOVE」や「MOVE フルフィルメントセンター」の将来的な展望、今後の計画・目標を教えてください。
「MOVE」は2025年、前年比で販売商品数を94%、流通額を25%引き上げ、1000ブランド様とのお取引を目指しています。その目標達成に向けた施策の一つが、今回ご紹介したMOVE専用のフルフィルメントサービス「MOVE フルフィルメントセンター」です。
今後はこのサービスの認知拡大を図りながら、物流面やカスタマー対応の負荷を軽減することで出店者様が“売り”に注力できる環境を整備してまいります。また、商品を立体的に撮影できる360°回転撮影システムの活用、ライブスタジオやポップアップストアでのリアルイベントなども行い、支援の幅を広げたいと考えています。