100件以上たまっていた問い合わせ対応が解消! 楽天SOY受賞の腕時計EC、ペリオドの「メールディーラー」活用法
モールや自社サイトなど複数チャネルでECを展開する場合、問い合わせ窓口も複数になり対応が煩雑化する傾向にある。中には素早く対応しないとクレームにつながりかねないものもあり、EC運営において適切な問い合わせ管理は必須と言える。その課題を問い合わせ管理システム「メールディーラー」で解消したのが、海外から腕時計などを輸入して販売する株式会社ペリオドだ。自社サイト「たいようのとけいてん」や複数モールで商品を展開している同社は、「メールディーラー」を導入することで問い合わせ管理を効率化した。
かつて「100件以上の問い合わせメールがたまっていた時期もあった」というペリオドは、どのようにピンチを乗り越え、売上向上につなげたのだろうか。「メールディーラー」導入の効果などについて、ペリオドの代表取締役 飯田康一郎氏とWEBディレクター 上村直己氏、そして「メールディーラー」を提供する株式会社ラクスの山盛有希子氏に話を聞いた。
日本未発売の腕時計を海外から逆輸入しECで販売
――まずはペリオド様の事業概要をお聞かせください。
株式会社ペリオド WEBディレクター 上村直己氏(以下、上村) 主に海外から腕時計や雑貨を輸入し、自社サイトの「たいようのとけいてん」、楽天市場の「つきのとけいてん」と「TIME LOVERS」、Yahoo!ショッピングの「TIME LOVERS(Yahoo!店)」と「Gryps」の合計5店舗で展開しています。
扱っている腕時計は、CASIOやSEIKOなどの海外モデルが中心です。特にCASIOの取り扱いが多く、国内モデルではなく海外輸出用の商品を逆輸入して販売しています。実は、国内販売されているモデルはCASIO全体の中でもごく一部にとどまり、大半のモデルは海外向けに販売されています。そのため、国内の正規店では手に入らないラインナップをそろえています。
──ECサイトの展開はいつ頃から始めたのでしょう。
株式会社ペリオド 代表取締役 飯田康一郎氏(以下、飯田) 当初からECで販売することを考えていたため、会社を設立した2008年8月から始めています。最初は自社サイトを立ち上げ、その後に楽天市場、そしてYahoo!ショッピングという形で展開してきました。
代表取締役の飯田氏は、アパレル業界から転身しペリオドを設立
顧客からの問い合わせを一元管理し効率化を実現
──ペリオド様も導入されている「メールディーラー」の機能についてお聞かせください。
株式会社ラクス ラクスクラウド事業本部 マーケティング統括部 山盛有希子氏(以下、ラクス 山盛) 「メールディーラー」は、問い合わせの対応漏れや遅れを防ぎ、迅速かつ適確な問い合わせ対応を実現するクラウド型の問い合わせ管理システムです。複数人でお客様からの問い合わせに対応する場合、見落としが発生しやすい傾向にあります。また、「誰かが対応しているだろう」といった思い込みで対応漏れが起きやすくもあります。「メールディーラー」では、担当者の振り分けや対応状況をタブで管理し、進捗状況をチーム全体で共有できるので、こうした見落としや対応漏れを抑制できます。
──「メールディーラー」の特色も教えてください。
ラクス 山盛 ステータス・ラベル・フォルダの3軸で視覚的に進捗管理できる点が特徴です。ステータスで問い合わせの対応状況、ラベルでは対応の優先度や緊急度の把握が可能です。そして問い合わせ内容や経路ごとにフォルダを分けることができるので、問い合わせの管理・対応がスムーズに行えます。また、問い合わせごとに担当者の設定もできるので、対応の漏れや遅れの削減に役立ちます。
①ステータスで対応状況、②ラベルで緊急度や優先度、③フォルダで問い合わせ内容や経路を分けて、問い合わせ対応の進捗をひと目で管理できる
複数人での問い合わせ対応やモールごとの管理が課題だった
──ペリオド様では「メールディーラー」を導入する前、お客様からの問い合わせ管理に関してどのような課題を感じていたのでしょうか。
上村 導入したのは2021年の6月頃 ですね。それ以前は、問い合わせ対応を1人で行っていたのですが、今は自社サイトとモール、それぞれ2名ずつでカスタマー対応をしています。担当が複数人になった際に、誰がどこまで対応しているのかがわかりにくくなっていました。
また、楽天市場とYahoo!ショッピングのお客様対応が、メール形式からチャット形式に変わったことも「メールディーラー」導入のきっかけです。全ての問い合わせがメールで一括管理できていたところ、チャット形式では各モールにログインして返信する必要があり、対応履歴が管理しづらくなってしまいました。
──確かに複数人でいくつもの窓口からの問い合わせを管理するのは、情報共有が難しいですね。「メールディーラー」を導入した決め手は何だったのでしょう。
上村 問い合わせを一元管理できる機能が魅力的だったのはもちろん、当時利用していた受注管理ソフトと連携できたことも大きな理由です。ECサイトの運営においては、各種サービスとの連携が重要です。「メールディーラー」は数多くのサービスと連携できるので、将来的な拡張を考えても安心できると感じました。
WEBディレクターの上村氏。今後は越境ECも展開したいと話す
お客様満足度が向上し、導入翌年には楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーを受賞
──実際にペリオド様が導入して、特に便利だと感じた機能をお聞かせください。
上村 タブで進捗状況を分けられる機能は非常に見やすかったですね。また、電話での問い合わせ内容を入力できる点も助かっています。以前は電話での会話内容を記録していなかったため、お客様との話が食い違うこともありました。特に修理に関する問い合わせはトラブルにつながりやすいので、電話も含めて「誰が、いつ、どういった内容をお話した」と時系列で一元管理できるのは役立っています。
──時計という商材を扱ううえで、修理はお客様の満足度に関わる大切な対応ですね。その他にも「メールディーラー」の使い方で工夫している点もお聞かせください。
上村 お問い合わせを内容ごとに分類・集計できる機能を活用しています。例えば、1カ月間の問い合わせ内容を集計し、納期に関する内容が多ければ、サイト上の納期表示を改善するなど、お客様満足度を高めるための改善点が見つかります。
──導入後、どのような効果がありましたか。
飯田 お客様のレビューでの評価が確実に上がりました。対応の早さや、クレームになりそうな問い合わせに適切な対応ができるようになったことが評価されているのだと思います。結果として、「メールディーラー」を導入した次の年の「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2022」の受賞(※1)にもつながりました。
上村 ピーク時には100件以上の問い合わせがたまっていた時期もあったのですが、導入から3カ月ほど経った頃には、全ての問い合わせが解消できていました。今では毎日30〜40件ほどの問い合わせが届きますが、継続して全てに対応できています。
飯田 ECでは、お客様の信頼を得ることが売上に直結します。信頼はカスタマー対応の質によって左右されると考えており、「メールディーラー」は信頼獲得に大きく貢献してくれています。
※1:「つきのとけいてん」は「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2022」で腕時計ジャンル賞を受賞(発表は2023年1月)
今後も充実したサポートと機能追加を継続
──ラクス様では、導入される事業者に向けてどのようなサポート体制をとっているのでしょう。
ラクス 山盛 「メールディーラー」は自由にカスタマイズできる分、最初に自社に合わせた設定が必要です。そこで、お客様の業務内容や改善したい点をヒアリングしたうえで、メールボックスの分け方や状況管理の設定など、画面を見ながら丁寧に導入を進めます。
EC企業のお客様に対しては、ご希望があれば、EC企業の問い合わせ管理をする上で必要な設定を行った状態で環境発行も可能です。その分、初期設定の負担や手間もかかりません。
運用が安定するまでは毎月のミーティングも実施し、その後も電話・メール・チャットなどさまざまな形でサポートさせていただける体制を整えています。
──導入当初、ペリオド様はどのような設定をされたのでしょう。
上村 導入時に設定した主なものとしては迷惑メール対策ですね。当時は受信メールの8〜9割が迷惑メールという状況でした。それらを適切に迷惑メールフォルダに振り分けるために、細かな設定を一緒に行っていただきました。迷惑メールを1件ずつ確認する作業は非常に大変なので、自動的に振り分けられるようになったのは助かっています。
ペリオドの自社サイト「たいようのとけいてん」。新入荷やランキング(上写真)だけでなく、スナップを集めたページなども用意されている
──最後に、ペリオド様、ラクス様それぞれの今後の展望をお聞かせください。
上村 私たちが扱っている逆輸入した商品は、海外のお客様からの需要も多いため、今後は越境ECを考えています。正確な情報と丁寧なサービスを提供し、国内外のお客様に腕時計や雑貨を届けていきたいです。
ラクス 山盛 今後は、AIを活用した問い合わせ対応効率化機能の拡充も検討しています。直近では「AIクレーム検知(※2)」をリリースしました。届いたメールの内容をAIが感情分析し、クレームになりやすいメールかどうか判定する機能です。早期にクレームリスクに気づいて対応できるため、問題の拡大を防ぐことができます。引き続き機能を充実させ、EC事業者様をサポートしてまいります。
※2:「AIクレーム検知」オプションは、「メールディーラー」で受信したメールの内容をAIが感情分析を行い、クレームリスクのあるメールを事前に検知する機能