【eBayセラー成功事例】戦略的多国展開を実践! ブランドリユースのパーパスは「eBaymag」でアメリカ→欧州に商圏拡大

最終更新日:

ECのミカタ編集部 [PR]

株式会社パーパス 係長 山本ゆい氏

中古のハイブランド品やジュエリー、高級腕時計といった商材は、その価格帯ゆえに日本国内では限られた顧客層向けのイメージを持たれがちだ。しかし海外に目を向ければマーケットは大きく広がる。今や越境ECは、個人でも企業でも挑戦できる時代。小さく始めてスケールさせるケースも多い中、すでに国内市場で実績のある企業が、eBayを活用してグローバルに躍進するケースも増えている。

そうした事例の中から、今回は名古屋を拠点にラグジュアリーアイテムの販売と買取を手がけ、eBay Japan Awards 2024のカテゴリーグロースアワード(ジュエリー カテゴリー)を受賞した株式会社パーパスの山本ゆい氏に、eBayでの歩みと成功の秘訣を聞いた。

イーベイ・ジャパンへのお問い合わせはこちら

高級リユース品を複数チャネルで国内外に販売

──まずは、パーパス社の事業概要について教えてください。

当社はブランド品、時計、ジュエリーなどの高品質なリユース商材を、オンライン販売と実店舗で取り扱っています。リユース事業はジュエリーからスタートして事業拡大とともに徐々に扱うジャンルも増え、来年(2026年)で創業40周年を迎えます。

ECには比較的早い段階から参入していて、楽天市場での販売歴も今年で16年になります。現在ではオンライン販売が売上の7割ほどを占めており、自社ECや国内のECモール、フリマサイト、海外向けのマーケットプレイスなど国内外に10以上の販売チャネルを展開しています。

──その中でも、eBayでの販売を始めた理由を教えてください。

当社の商品はラグジュアリーアイテムが中心で、国別で見るとアメリカが最大のマーケットです。Amazonなども検討しましたが、リユース品や一点物に強く、想定する顧客層ともマッチしていたのがeBayでした。10年ほど前に本格的に参入しましたが、それ以前にも楽天グローバルマーケット(現在はサービス終了)などで越境ECを少しずつ試していた経験があり、「本腰を入れるならeBayだ」と判断しました。eBayがアメリカ市場に強いのは、商材の特性から見ても大きかったです。

──山本様ご自身はeBayでの販売をスタートした当初から、プロジェクトに関わっていたのですか。

当時、私は実店舗で買取業務を担当していたのですが、会社がeBayで越境販売を本格化させるタイミングで自分から手をあげました。もともと他の会社に勤めていた時にECの経験があり、パーパスでeBayをスタートさせてからは、受注処理業務から商品の撮影、ページ作り、クレーム対応まで一通り経験してきました。立ち上げから10年経った今でも、やることは尽きません。

株式会社パーパスはeBay以外でも、楽天市場、楽天ラクマ、Yahoo!ショッピング、メルカリShopsといった国内ECモールでもアワードを受賞(画像は自社ECサイト

言葉より大切な「気持ちよく買い物をしてもらいたい」顧客目線

──eBayを始めた当初は、どのような課題や難しさを感じましたか。

最大の壁は“文化の違い”でした。返品は当たり前で、クレームも遠慮なく届く。日本国内とはまったく違う常識に、最初はかなり戸惑いました。

配送中に“中身”が抜かれたり、破損したりといったトラブルも経験し、だからこそ梱包やテープひとつにまで工夫を重ねました。例えば、途中で開封されたかどうかが判別できるようにロゴ入りのテープを使ったり、バブル緩衝材の厚さを変えたり。トラブルに遭遇するたびに「どうしたら防げるか」をチームで考え、今の品質基準をつくり上げてきました。

──eBayの運用は、現在どのような体制で行っていますか。

スタート当初から大きくは変わっておらず、私を含めて3名のチームでショップ運営をしています。受注や顧客対応、梱包、発送業務まで、ほぼ全て社内で完結させています。商品登録やバナー、キャンペーンページなどのページも社内で作っていて、システムの深い部分以外は外注に頼らずにやっています。

「ロジスティクスは3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)に任せたほうが効率的なのでは?」という声もあるかもしれませんが、「お客様がパッケージを開けた瞬間にどう感じるか」を追求したら、今のやり方が適していると考えています。

──グローバルの顧客とやり取りするうえで、特に意識していることはありますか。

私は海外での生活経験があるわけではないですし、英語もネイティブではありません。でも、言葉より大事なのは「気持ちよく買い物をしてもらいたい」という思いを持って接することだと思います。

特に「お客様の目線に立つ」という感覚は、実店舗で学んだことが大きいです。ECだと顔は見えませんが、だからこそメールの文章ひとつで印象が決まると思っていて。例えば返品希望の対応でも、ただ処理するのではなく「どうしたらお客様に納得していただけるか」と考えて言葉を選ぶようにしています。ひと手間で、信頼は大きく変わると思うんです。

お客様の質問や不安に対して、できる限り丁寧に対応する。その姿勢があれば、英語に完璧さは求められない。国内ECとは少し違った対応が必要ですが、逆に自分自身も毎回学びながら対応力を磨いている感覚です。

──eBayでの10年間を通して、印象的な出来事はありますか。

(2025年3月に授賞式が開催された)eBay Japan Awards 2024は、やはりとても印象に残っています。過去に何度か他のアワードにも関わらせていただきましたが、今回は実際に他のeBayセラー様とも交流ができ、とても刺激を受けました。同じカテゴリーの商材を扱う方と情報交換したり、リアルな現場の話を聞けたり。自社の強みを再確認するきっかけにもなりましたし、「もっとできることがある」と感じる、良い意味での焦りも得られた気がします。

受賞セラーが一堂に介した「eBay Japan Awards 2024」

──国内とeBayでは、顧客層や売れ筋にどんな違いがありますか。

まったく違いますね。例えばバッグひとつとっても、日本では小ぶりなサイズが好まれますが、アメリカでは大きめのものやトランクも人気です。ジュエリーのデザインにしても、日本ではあまり一般的とはいえない亀やドラゴンをモチーフにしたものが、海外でとても人気を得るといったケースもありました。

eBayを始めてから「日本では売れなかったけれど、海外では即完売した」という商品が増え、仕入れ担当者も新しい仕入れにどんどんチャレンジするようになりました。結果として、在庫回転率も格段に上がりました。

イーベイ・ジャパンへのお問い合わせはこちら

「eBaymag」を活用し商圏をヨーロッパにも拡大

──eBayが提供しているサービスの中で、特に活用しているものを教えてください。

「eBaymag(イーベイマグ ※)」は本当に便利ですね。これまでUSのeBayサイトで販売していた商品が、簡単な操作でヨーロッパ・オーストラリアなど最大8カ国に同時出品できるようになり、販路が一気に広がりました。

──新しい国への販売に挑戦するのは、大変なのでは?

むしろワクワクしています。「eBaymag」を使えば他の国にも簡単に出品できるし、反応があると「日本の商品って本当に世界中で求められている」と実感します。どの国でどのような反響を得られるかは実際に出品しないとわからないことも多く、毎回チャレンジの連続ですが、それが楽しいです。「チャンスがあればつかみにいきたい」という気持ちは、ずっと変わらないですね。

──ストア運営で心がけている、他のストアと差別化する工夫や施策について教えてください。

まず積極的にeBayのキャンペーンやクーポン企画に参加しています。実際にクーポンは購入率を大きく左右しますし、新規顧客を呼び込む導線にもなります。海外では日本のように“ポイントを貯める文化”が根付いていない分、「割引がある=お得」という直接的なディスカウントの効果があると感じます。

ストアページのブランディングにも力を入れています。例えばジュエリー、バッグ、時計にはそれぞれ違った見せ方があるので、商品写真のトーンや背景色などはジャンルごとに調整しています。チーム内でディスカッションしながら、魅力的なストアづくりを目指して常にアップデートしています。

※「eBaymag」はeBay公式の多国展開ツール。最大8つのeBayサイトに同時に出品でき、各サイトの言語への自動翻訳や通貨換算、eBayサイト間の在庫連携などの機能を備える

パーパスのeBayストア「PURPOSE.JPN」

●参考記事:越境EC、アメリカ以外にも大きな商機! 最大8カ国のeBayで同時出品を可能にする無料公式ツール「eBaymag」とは?

eBayで広げたチャンス。さらなるグローバル展開へ

──最後にeBayの魅力と、今後目指していることを教えてください。

eBayはしっかり対策していけば着実にチャンスが広がるサービスです。eBayに出店してから、日本以外の国に販路を広げられたことで、会社全体の売上も大きく伸びました。誠意を持って対応し、前向きに学びながら試行錯誤してきた結果だと思います。

今後はこれまでの販路の中心だったアメリカに加えて、ヨーロッパやアジア圏での認知拡大にも注力していきたいです。特にヨーロッパは最近、需要が高まりつつあるので、今後さらにチャレンジしていくつもりです。

直近ではライブコマース対応のショールームを備えたオフィスを立ち上げましたし、「できることを増やし、販路を広げていく」ことは常に考えていて、これからも新しい試みはどんどん続けていきたいです。

eBay公式サイト内各部門受賞者インタビューはこちら