独自取材 Stylink〜LACOSTE等コンパクトに店を表現するアプリ

石郷“145”マナブ

LACOSTE、coen、ozoc、rienda、SWATiなどブランドが続々登場!

 「スマホでウィンドウショッピングをしよう」そんなアプリがある。
F.F.B. 株式会社( 代表取締役 遠藤健一郎  以下、F.F.B.)が提案する「stylink」というファッションアプリだ。同アプリは、実際のブランドショップに並ぶ、コーディネートが施されたマネキンを撮影したものを、アプリで閲覧できるようにしたものである。ブランドにはLACOSTE、coen、ozoc、rienda、SWATi等、名だたるブランドが名を連ねる。

 このマネキン画像には「Love it」(=いいね)を付けられるようになっている。マネキン画像をタップすると、一つ一つの商品の詳細が出てきて、ブランドショップの店舗情報のページやEC店舗へとアクセスできるようになっている。

 F.F.B.の遠藤健一郎氏は「ファッションの広告予算は、1000億円と言われる。そのうち5割は、ファッション誌(紙媒体)に費やされている。もっと大きな市場と広告予算を持つ業界は数あれど、そのどの市場よりも、ファッション誌に広告予算を使っているのが、ファッション業界」と話す。

 しかし「今や紙媒体だけでなく、スマホという便利なデバイスが登場したことで、ファッション誌以外にも、ブランドの良さを伝える手段があるのではないか」と続けた。実際「stylink」はブランドから広告費を得ているが、広告費はそのブランドの閲覧者数に比例するようになっている。閲覧者数=雑誌の購読者数のイメージだという。とはいえ、閲覧され、「Love it」につけられたからといって、購入につながっているかどうかはわからない。でも、その費用を払っているということは、ブランドはファッション誌だけでなく、それとは別の視点で、「stylink」の「Love it」でも十分お客様にアピールするのに見合うだけの価値があるとしているわけだ。

Stylinkはなぜマネキンで表現するのか?


 また、なぜマネキンなのか?という問いをしたところ「ファッションの原点は、店にある」から、とした。ブランドショップは店作りからこだわっていて、ブランドのメッセージがディスプレイの中で表現されている。「stylink」はそんな世界観を持った店の一部を切り取って、スマホに入れたようなものだと思う。コンパクトに店を表現する媒体なのである。

 そして、そのコーディネートとブランドをお客様が気に入れば、実際に店に足を運んでもいいし、ECショップにアクセスしてそのまま購入してもいい。また、仮に、まだEC店舗がないブランドは、誰でも簡単に作れる時代だから、必要だと思えば、店自体が作ったらいいと氏は説明している。そのくらい、いまや実店舗とECは密接に結びついている。

 改めて、このアプリで感じることは、お客様にとって実店舗もECもそれほど大差のないものになっているのかもしれない、ということだ。「stylink」は、ECを意識しながらもそことらわれない、ブランドに興味を持ってもらうきっかけ作りのアプリとなっている。ECが市民権を得て、当たり前にリアルの世界と同化していて、お客様の間で店舗に行こうが、EC店舗に行こうがほぼ関係ないことを前提に、このアプリが成り立っている。それもECのあり方だ。新しい価値観のもと「stylink」は、お客様にファッションにおけて、どんな刺激と魅力を伝えてくれるのだろうか。

企画・構成 石郷“145” マナブ


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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