12年を経たFutureShop2で自社ブランドはさらに強く
サービス開始から12年、現在2000店舗に利用されているASPカートFutureShop2。変化の激しいEC業界において、自社ECに何が起こっているのか。(株)フューチャーショップの安原貴之氏に伺った。
ファンを作る自社ECサイトの実現のために
ECで買う理由としてこれまで消費者にとって一番分かりやすい価値というのは「安さ」でした。ですが、これだけECが普及した今、価格での比較は簡単にできてしまう。つまり、「安いということ」は強い差別化要因にはならず、価格以外にもお客様から購入して頂く理由が必要なのです。
新たな価値を生み出すために必要なのがエモーショナルな部分。店舗や商品が持つ魅力やストーリーをECサイトで表現し、感性に訴えかけること。様々な施策を仕掛け、「このお店だから購入する」というファンをつくり、ブランドを育てていくことが必要なのです。
それを実現できるのが自社ECサイトだと考えています。デザインの自由度の高さやサービスの豊富さを武器に、「モノ」だけを売るのではなく、それにまつわる経験や価値を提供しようと本気で取り組んでいる店舗様を支援するプラットフォームが弊社のFutureShop2です。
消費者に寄り添う形でプラットフォームを提供
また、消費者自身も購買行動が変化してきました。
スマートフォンの普及と共に実店舗とECといったチャネルを行き来して買い物をするようになった結果、企業として誰がお得意様なのかが分かりづらくなりました。チャネルを通して来店、購入している顧客を確実に把握し、その方にしっかりと優遇することで更にファンになっていただけます。
そうした変化への対応は、実店舗だけでも、ECだけでも実現するものではありません。その垣根を越えたオムニチャネルに対応できるプラットフォームが必要になるのです。
その中で生まれたのがFutureShop2Xです。実店舗とECのポイント統合を行い、会員にさらなるメリットを感じてもらうと同時に顧客データの統合を実現。実店舗もECも一つにしたデジタルコマースを更に活性化することが可能です。
導入いただいた店舗様も徐々に増えています。お話を伺うと、チャネルを越えた買い回りが思った以上に行われている状況が確認できた、また、実店舗で購入したポイントをECで使うような動きが確認できたなど、LTV向上に役立ったという嬉しいお声を頂きました。
弊社ではこのような価値提供や消費者の購買行動の変化に対応するため、3つのプロダクトを提供しています。
まずメインとなるのが、国内市場向けECプラットフォーム、FutureShop2。サービス開始から12年を経て、現在は2000店舗にお使いいただいています。
そして、先ほど紹介したオムニチャネル対応のFutureShop2X。
最後にもうひとつが、越境ECのためのFutureShop2OVERSEASです。
この3つのプラットフォームを中心に、ECアドバイザーが2000もの店舗様と日々向き合っています。
システム提供とノウハウ共有、両軸で店舗様をバックアップ
FutureShop2が恵まれていたのはサービス開始から、自社ECでブランドを成長させてきた店舗様が数多く集まっていること。FutureShop2にはそのような店舗様をサポートしてきたノウハウが蓄積されており、新規の店舗様で在っても経験豊富なECアドバイザーからアドバイスを受けることができます。
それぞれのお客様の「やりたいこと」を実現させるため、システムだけではなく、ECアドバイザーもプラットフォームの一部としてお客様のお悩みを解決できるパートナーになれるよう、切磋琢磨しています。
特に、弊社が提供しているようなプラットフォームでは、業界で何かが流行し始めてから開発するのでは遅い。店舗様が使いたいと思った時には既にサービスとして提供している、そういったスピード感が要求されます。そのために、国内外を問わず、現在業界で何が起こっており、何が今後日本のトレンドとなるかを調査しています。
インターネットの世界では、米国の事例が市hば楽して日本でも、という流れが昔から続いています。弊社でも米国で開催される世界最大級のECのイベントに参加し、最新情報を社内で共有するなど、数年後を見越したサービスを作り上げるために、日々情熱を傾けています。
FutureShop2の強みは、システム提供とノウハウ共有の良いサイクルを実現していることにあります。定期的にリリースした機能を2000店舗にお使いいただく。新たに生まれてくるノウハウをFutureShop2に取り込む。それをさらに別の店舗が実践し、新たなノウハウとなる。それが弊社の合言葉でもある「Happyをシェア」の根本であり、FutureShop2というサービスなのです。
「FutureShop2」の3つのポイント
1. 消費者の購買行動に寄り添うプロダクト開発
2. プラットフォームだからこそできる変化への対応
3. システムだけではない、ノウハウをも提供
<ECのミカタ通信 2016 SPRING vol.11より抜粋>