アパレルECサイトの顧客ロイヤルティ(NPS)調査レポート

本レポートでは、アパレルECサイト8社を対象として、それぞれのECに対する顧客ロイヤルティ(顧客からの信頼・愛着度)を高めることで、企業にどのようなメリットがあるのかを検証した。また、調査データを分析し、顧客からの評価を高めるために重要な改善ポイントを発掘した。
参考:NPS(ネットプロモータースコア)とは?
NPS(Net Promoter Score)とは、「正味推奨者比率」と訳され、顧客ロイヤルティ(ブランドやサービスに対する信頼度・愛着度)を数値化した指標である。「親しい友人にどの程度すすめたいと思うか?」という質問から推奨度を計測し、簡単に算出できる指標でありながら、顧客満足度やその他の顧客評価指標よりも企業収益性との相関が強いことから、日本だけではなく海外(アップルやグーグル、GE等)でも導入が進んでいる。

【調査結果】~アパレルECサイトにおける顧客ロイヤルティ(NPS)調査~
■ロイヤルティが高い顧客は、利用期間・利用頻度・購入単価がいずれも高い
本レポートではアパレルECサイトにおけるNPSの有効性を検証するために、アパレルECサイトの収益を左右する「ECサイト利用期間」「買い物一回当たりの購入単価」「ECサイトの利用頻度」の3つの要素と推奨度の相関分析を行った結果、どの要素も相関を示した。
また、推奨度が1上がると1年間当たりの購入金額は約4,000円ほど向上する傾向にあることがわかった。


■NPSが最も高かったのはZOZOTOWN
今回調査対象となった企業のNPS平均は-56.1であり、その中で最もNPS高かったのは、ZOZOTOWN(NPS:-37.6)、2位に[.st](NPS:-48.6)、3位に丸井ウェブチャンネル(NPS:-53.2)だった。



■NPSに対して影響力を持っているのは「商品を探す時の体験」「購入時の体験」「広告」の順に影響度が強い
NPSを向上させるために何が重要であるかを把握するため、アパレルECサイトのカスタマージャーニー(利用の流れ)に沿って、どの顧客体験を改善すべきかを分析した。
下の図はNPS向上に対して、各顧客体験がどの程度重要か(影響しているか)を比較したグラフである。縦軸は各体験のNPS向上における重要度合い(影響力の強さ)を示しており、横軸は時系列で認知段階から購入後までの顧客体験を並べている。アパレルECにおいては、「商品を探す時の体験」や「購入時の体験」「広告」がNPS向上に重要であることがわかった。


※青線は各顧客体験がNPSに与えている影響の度合い(数値が高いほど「重要な顧客体験」)

■「商品を探す時の体験」が最も優れているのはZOZOTOWN
NPS向上において重要な顧客体験である「商品を探す時の体験」において、最も評価が高かったのはZOZOTOWNであった。そこで、次に「商品を探す時の体験」を向上させるために何が重要化を更に細かく分析した。その結果、​特に「絞り込み機能」や「ブランドや商品の種類の豊富さ」、「キーワード検索のしやすさ」など、自分が希望する商品を見つけるのに役に立つ機能が特に重要な要素であることがわかった。

株式会社Emotion Tech
顧客の声を起点とした経営課題の解決、 サービス品質の向上を行うサービス、 「Emotion Tech」の開発・運営、 独自の感情データ解析技術とクラウドシステムを用いた、 企業の顧客や社員へのエクスペリエンスマネジメントサービスを展開。