広告予算はLTVで決定!LTV計測により最適な広告予算配分で利益最大化
EC事業の担当者が悩ませる問題に関して、88のECサイトを運営したオンサイトが答えていきます。
今回のお悩みは『広告予算はどう設定することが適切なのか。』です。
こんにちは。
ECビジネスの運営支援をしているオンサイトのマーケティングラボです。
今回は、『広告予算はどう設定することが適切なのか。』という担当者のお悩みに
現在88のECサイトを運営しているオンサイトがお答えしていきたいと思います。
ズバリ、その商品の粗利とLTVから算出すれば最適な広告予算を割り出すことが出来ます。
それでは、少し具体的に説明していきます。
広告予算はLTVから算出するべき
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、LTVとはマーケティング用語集によれば
LTV(Life Time Value)とは、顧客生涯価値と呼ばれるもので、一人の顧客が取引期間を通じて企業にもたらす利益(価値)のこと。
と書かれています。
簡単に言うと、1人のお客さんが生涯自分たちにいくらお金を支払ってくれているのかという事です。
例えば、商品の販売単価は3,000円の商品でもリピート購入が多く1人あたり10回はリピートしてくれるという事であれば、LTVは30,000円になります。
LTVの算出計算式は、以下のように表すことができます。
LTV=平均購買単価×平均購買頻度×平均購買期間
では、なぜLTVから算出する必要があるのでしょうか。
その理由は、もしLTVを無視して目先の利益を重視しまうと、結果的に大きな機会損失を生むことになり、生涯利益の最大化にマイナスになってしまうからです。
LTVが分かれば、顧客が他のサービスに移る前にどれだけ購買してくれるかが明確になるため、顧客1人あたりにかけられるCPA(広告獲得単価)の上限値が把握でき、広告予算を最大限使うことができます。
【Case Study】商品単価4,000円の化粧品
ではここで、ある化粧品ショップの例を見てみましょう。
こちらのショップでは、平均的に1回の購入金額は4,000円です。(原価率は25%とします。)
リピート率も高いので1人あたり平均5回ご購入いただいています。また、購入サイクルだと3ヶ月に1回購入されるサイクルになっています。
この場合、限界のCPAは
①LTVを考慮しない場合だと、3,000円(4,000円×75%)
②LTVを考慮する場合だと、15,000円(4,000円×75%×5回)
になります。
それでは、広告の予算を設定していきましょう。
①の場合ですと3,000円がマックスになりますので利益も考えると
CPAは2,000円が妥当なラインになってくると思います。
この場合、効率的に広告設定を行う必要があるため件数はそこまで多くでません。
仮にCPA=2,000円で獲得できる新規の件数を100件としましょう。
この場合、月の広告費用=200,000円です。
②の場合ですと15,000円がマックスになりますが、配信ボリューム等を考慮しますと
8,000円が妥当なラインになってくるでしょう。
この場合、ビッグワードや一般名詞、競合にも出稿できるため件数を増やすことが出来ます。
仮にCPA=8,000円で獲得できる新規の件数を300件とします。
この場合、月の広告費用=2,400,000円です。
この時に二つの販売戦略によって得られる利益の累計額の推移が上記のグラフになります。
CPA=2,000円に設定した戦略では最初から利益を見込めることが出来ますが、
時間が経つにつれて利益総額に大きく差が出てくることが分かります。
このようにLTVまで考慮した上で販売戦略を立てることで
ショップの利益の最大化を実現できるのです。
現状のLTVの算出方法
では、具体的にどのようにしてLTVを算出することが出来るでしょうか?
LTVを算出するにあたって、主に2つの方法があります。
1つ目は、ショップを始めてから現在までの期間の売り上げから購入した人数で割ることで算出することが出来ます。
ただ、商品ごとであったり期間であったりで区切ってみることが出来ないため適してはいません。
2つ目は、エクセルでお客さんごとに過去の注文データをまとめ、算出したい時期や商品があれば、その中からフィルターをかけて算出することが出来ます。
多くの担当者がエクセルやアクセスを駆使して、この方法で取り組んでいます。
オンサイトでも3年前までは、この方法で算出をしていたのですが
データが重くなりすぎてファイルが壊れてしまったり、データの変更などで修正に膨大な時間がかかっていました。
では、そんな問題を持っていた中で現在オンサイトはどのような方法でLTVを算出しているかを紹介します。
独自開発!サイト横断型LTV計測システム
先ほどの
・商品や期間ごとにLTVを出すことができない
・エクセルなどの手計算でLTVを算出するのは膨大な時間がかかる
という問題を解決する為、現在オンサイトは独自にLTV算出システムを開発しました。
このシステムは、独自の技術で各サイトや各モールの注文データを自動取り込みを行い、システム内で計算行います。そのため、LTVを商品や期間などの細かい粒度でも算出できることを可能にしました。
これにより、各広告やイベント・キャンペーンの施策が中期的にどのような結果として現れているのかを正確に把握することができます。
これまでイベントやキャンペーンで獲得した顧客は他の顧客と同じ購買行動をすると仮定して計算しているかと思います。今後は、実数で追いかけ今後の施策により正確な数値データとして活用することが出来ます。
また、LTV以外にも、LTVの要素でもある購入回数ごとの指標を算出できるため、どの段階の購入層がボトルネックになっているのかを瞬時に把握することができます。
そしてそれらの情報が毎日が自動で更新される為、PDCAを高速で回し続けることができます。
事例紹介
ここで、オンサイトが提供するLTV算出システムを導入した2社の事例を紹介します。
自社ECサイトと4モールを運営する美容・化粧品会社のA社では、LTVまでみて広告の運用を行うことを望んでいましたが、各モールごとにLTVを算出することが出来ず、適正な広告費用を設定できていないことが課題となっていました。
そこで、各モールや商品毎にLTVを算出できるオンサイトのシステムを導入し、自社のECサイトよりもモールのLTVが高いことが判明。その後、モールに広告費を3倍掛けることで、利益の最大化に成功しました。
また、健康食品を扱うB社では、LTVの重要性に気付いていたので独自にエクセルを活用して算出。
しかし、期間に合わせて算出にするのに膨大な作業時間がかかり、PDCAを短期間で回すことが出来ないことが課題でした。
オンサイトのシステムを導入したことでLTVの算出を短縮化に成功。施策ごとのLTVを振り返ることができ、短期間でPDCAを回すことが出来ました。
また、購入回数ごとにも数字を見ることが出来るのでどの層がボトルネックになっているのかを数字で把握することで施策を打ち続け、売上を30%伸ばすことに成功しました。
このように今まで膨大な時間をかけて算出してきた施策の効果計測を自動化することで、正確にかつ効率的に次の打ち手を模索することが出来るのです。
まとめ
ECサイトの事業利益を最大化するためには、LTVを使った広告予算の算出が不可欠です。
ただ、期間や商品、サイトに応じて算出するとなる膨大な運営コストがかかるため、あまり追い切れていないのが実態です。
オンサイトのシステムでは、よりスピーディーにかつ正確な情報を把握することが出来るので、より効果的な施策を打つことが可能となります。
オンサイトはEC事業の企画・設計・制作・開発・販売・PR・受注処理・CS対応等
全ての領域を一気通貫で支援しています。
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