イーベイ・ジャパン「Reuse × Tech Conference for 2024」に出展 !4年ぶりのリアル開催の熱気に包まれ「越境EC」の未来を共有

イーベイ・マーケティングチーム

越境ECビジネスを支援するイーベイ・ジャパンは、10月3日~4日にAP日本橋にて開催されたリサイクル通信主催のイベント「Reuse × Tech Conference for 2024」に出展。ブースにおいて越境ECに参画中もしくは新規参入しようとする人たちへの相談・アドバイスを積極的に行うとともに、eBayで3年連続「セラー・オブ・ザ・イヤー」 受賞かつ2022年度には初の「eBay Japan名誉セラー」受賞という快挙を成し遂げた越境ECの第1人者である株式会社JP.Company 代表取締役 荒木 淳平氏を招いて「eBayトップセラーに聞く越境ECの未来」と題して、熱気溢れるセッションを行った。

ブースを訪れる来場者の熱量は、「越境EC」本格化の兆し?!

ブースを訪れる来場者の熱量は、「越境EC」本格化の兆し?!来場者の質問に丁寧に応える水戸 由紀子氏(左手)

世界最大規模のマーケットプレイスであるeBayを通じた日本のセラー(販売者)の「越境EC」を日本独自のサポートプログラムで支援するイーベイ・ジャパン。同社はコアなEC出店者やこれからECを始めようとする人たちが集まる「Reuse × Tech」に開催以来出展を続けてきた。

特に今回は、コロナ禍における過去3度のオンライン開催を経て、実に4年ぶりのリアル開催。当イベントには2日間で計747人のリユース事業者らが参加し、ブースにも熱量を持った来場者が数多く訪れた。ブースに立つ同社セラーマネジメント部 セラーマネージャーの水戸 由紀子氏は、「相談・質問の内容がとても具体的だ」と、特に中身の充実を指摘する。実際の声をいくつか紹介しよう。
「国内を中心にECを展開してきたが、在庫があるので国を超えて販路を広げたい」
「遺品整理や不良品買取ビジネスを展開する中で、越境ECで海外の人たちにも届けたい」
「兼業でECを行ってきたが、本業との兼ね合いが難しくなってきたので、モバイル機能を活用して、よりシンプルに越境ECを続けたい」
「国内ECだけでは、季節に左右されるため閑散期が生まれる。オーストラリアなど、季節が逆になる南半球での越境ECを検討中」

この他、「これから越境ECを」という新規の人たちがブース来場者の約半数を占めた。ブース内に用意されたQRコードを通じて、アカウント登録していく意欲満々の人たちと接して、水戸氏は「やりたい、もっと売上を伸ばしたいという人たちを、より丁寧かつ積極的にサポートしていきたい」と満面の笑みで抱負を語った。

盛況な会場では、立ち話で熱心にメモを取る場面もみられた

「越境EC」の障壁が言語とデリバリーというのは過去のこと

「越境EC」の障壁が言語とデリバリーというのは過去のことセッションスタート時の紹介シーン
左手が荒木氏、右手が北村氏

「Reuse × Tech Conference for 2024」では、「eBayトップセラーに聞く越境ECの未来」というテーマでセッションも実施。イーベイ・ジャパン カテゴリーマネージメント部部長 北村 直樹がモデレーターを務め、ゲスト登壇者に株式会社JP.Company 代表取締役の荒木 淳平氏を迎えて行われた。

冒頭、北村氏から荒木氏の3年連続「セラー・オブ・ザ・イヤー」 受賞など数々の輝かしい実績の紹介から始まったセッションだが、マイクが荒木氏に移ったとことで意外な発言。
「僕はブランド品にはほとんど興味がないんです。今日もブランド品は一切身に付けていません。唯一、最新のアップルウォッチくらいかなぁ……」
荒木氏の偉業を受けて静まり返っていた満席の会場を、一気に笑いの渦に巻き込んだ。

荒木氏の前職は、海外の学術書の輸入販売。当時から起業を考え、100以上のアイディアを貯め込んでいたそうだが、正反対となる「越境EC(輸出)」を選んだのは、「自分自身で価格決定権を持てることが魅力的だった」と回想する。ハードルが高いことは分かっていたが、工夫次第で顧客のポテンシャル(潜在需要)を喚起できるという自負があった。実際にユースドラグジュアリー商品を中心に越境EC起業したわけだが、利益率・原価率・在庫回転率などといったさまざまな指標をきめ細かく分析。「既存とは違うやり方」に邁進した。

「僕自身に商品に対する執着や愛着が少なかったことが、客観的な分析につながったのだと思います」と荒木氏は語る。

「eBayトップセラー」の株式会社JP.Company 代表取締役 荒木 淳平氏

その後セッションは本題である「越境ECの未来」へいよいよ移る。まずは2021(令和3)年度に経済産業省が発表した「電子商取引に関する市場調査」から、「世界の越境EC市場規模が2019年の7,800 億USドルから 2026年には4兆8,200億USドルへと拡大する」との予測を報告。イーベイ・ジャパンがそのバックボーンとなり得る「8つのキーワード」として①モバイルコマース、②パーソナライズ、③ソーシャルメディア、④オンラインマーケットプレイス、⑤同日・翌日配送(デリバリー期間)、⑥サスティナビリティ、⑦AI、⑧AR(Augmented Reality:拡張現実)/ボイスサーチ(音声情報検索)を設定し、ディスカッションが進められた。

「越境EC」においては、デリバリーと言語が最も高いハードルといわれているが「すでにこの壁は乗り越えられつつある」との見解が示された。その背景となっているのが、⑤と⑦の進化である。

「同日・翌日配送」は難しいにせよ、ロジスティックス(物流)会社などの努力と創意工夫によって、デリバリーは驚くほど速くなり、それが購入者の満足度にもつながっている。アメリカ国内の配送よりも、日本発の方が早いケースもあるそうだ。
一方、「言語の壁」については、AIの自然言語処理がすでに高い精度のアウトプットを実現している。さらにChatGPTに代表される生成AI、画像解析、機械学習など、AIの領域は拡大の一途を辿っている。荒木氏は、「AIに委ねるのではなく、場面に応じて人間自身がAIを使いこなすことが重要」であることを強調した。

キーワードから見えてくる「越境ECの未来像」

キーワードから見えてくる「越境ECの未来像」真剣な眼差しで聞き入る満席の会場

そのほかのキーワードで議論された内容もそれぞれ紹介する。

①モバイルコマースは、もはや当たり前の時代となっている。その中にあって荒木氏は「モバイルユーザーの着眼点は説明文よりも画像。海外の商習慣である返品リスクも、画像で正しく伝えることでリスクヘッジできる」と指摘。eBayが画像掲載を12枚から24枚に増やし、動画掲載も可能になったことを評価した。

②パーソナライズはリピート率を高める施策の1つだが、実際にレコメンデーションされるのは類似商品ばかりだ。「これだけでは、買手の潜在需要を喚起できない」と荒木氏は警告し、「顧客にサプライズやモチベーションを与える提案」に高める意義を説いた。

③SNSについては、北村氏が冒頭に「USの eBayが自社サービスとのSNS連携を進めており、近い将来、日本にも上陸する」可能性を言及。それを踏まえて荒木氏は、「SNSはどちらかといえば新製品向けだが、リユース商品においても高額商品や希少価値が高い商品に有効」とし、現在、SNSユーザーとのライブコマース(対話型)を構想中とのことだ。

④オンラインマーケットプレイスは、まさにeBayがそうであるように、常に進化を続けている。それでも、荒木氏は「eBayには先行してきたアドバンテージがある」と断言。決済システムをはじめとする豊富なツール群があり、加えて日本独自のサポート体制が、とっつきやすく優しいからだ。しかも、海外の人たちが日本人から購入するハードルを払拭し、宣伝・広告やシステム構築を手掛けるコスト・時間を大幅に軽減する。荒木氏は自身の経験から「それだけに手数料は気にならなかった」と振り返る。

時代の趨勢となっている⑥サスティナビリティだが、2人の見解は「越境ECは、特にエコ対応へのポテンシャルが高い」として、「市場拡大のチャンス」と捉えていた。

最後に⑧ARだが、荒木氏は「現在のARはVR(仮想現実)の域にとどまっている」との認識を示した。ARに不可欠なシミュレーションの手法がまだ発展途上であるからだ。一方、そこを乗り越えれば、「新たな世界観を創出する可能性がある」と期待を寄せた。

8つのキーワードは、確かに「越境EC」を語る上で欠かせない手段・動向・方向性である。しかし、「未来」を創る主役は、「越境EC」に希望を見出し、自ら考え、行動する1人ひとりに他ならない。そのサポート役としてのイーベイ・ジャパンの存在は心強い。

イーベイ・ジャパン株式会社 カテゴリーマネージメント部部長 北村 直樹氏


著者

イーベイ・マーケティングチーム

世界200か国・地域から年間1億6,700万人の購入者に利用されるグローバルなオンライン・マーケットプレイス「eBay」(イーベイ)。
この世界最大級の越境ECプラットフォームを通じて海外への販売を行う日本企業を、イーベイ・ジャパンがサポートします。