Amazonのディスプレイ 広告で成果を出す!無駄をなくす運用の流れを解説

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株式会社Cyber-records

Amazonでディスプレイ広告(Sponsored Displayなど)を出してみたけれど、「表示はされるのに反応が薄い」「クリックはあるのに購入につながらない」「どこから手を付ければいいかわからない」と悩んでいませんか?
ディスプレイ広告は、ターゲットの選び方、クリエイティブ(画像や文言)、配信先、そして入札額など、複数の要素が噛み合って初めて本来の力を発揮します。
この記事では、初心者でも迷わず取り組めるよう、現状の診断から具体的な改善ステップまでをやさしく解説します。
基礎をしっかり押さえて、次のキャンペーンで無駄を減らし、確実に売上アップを目指しましょう。

配信前の現状把握と原因の特定

配信前の現状把握と原因の特定

まずは「どこでつまずいているのか」を明確にしましょう。漠然と悩むのではなく、課題を見える化して原因を切り分けることで、最初に直すべき場所がわかります。

■よくある「失敗パターン」のチェックリスト
うまくいっていない時、どのパターンに当てはまるか確認してください。

1.スルーされている:表示回数は多いのに、クリック率(CTR)が低い。
2.期待外れ:クリックはされるが、商品ページですぐ離脱され購入されない。
3.予算の偏り:一部の広告だけにお金がかかり、成果が出ていない。
4.マンネリ化:同じ画像や文言を使い続け、反応が落ちてきた。
5.迷子:レポートのどこを見ればいいか分からず、判断できない。

これらをリストアップし、優先順位を付けます。例えば「購入につながらない」が最大の悩みなら、クリック後の「商品ページの内容」や「価格・オファー」を最優先で見直す必要があります。

なぜその問題が起きるのか? 原因の分解

なぜその問題が起きるのか? 原因の分解

ターゲットのズレ(広すぎ・狭すぎ)
広すぎると無関心な人に表示されて無駄金になり、狭すぎるとデータが溜まりません。まずは「関心度の高い層(自社商品の閲覧者など)」から始め、徐々に広げるのが鉄則です。

クリエイティブ(画像・文言)の弱さ
商品の強みが一瞬で伝わらない、スマホで見ると文字が小さすぎる、画像が暗いなどは致命的です。クリック率(CTR)が低い場合はここを疑いましょう。

「広告」と「商品ページ」の不一致
広告で「セール中!」と訴求したのに、商品ページでセール価格になっていなければ、お客様は離脱します。広告の「約束」とページの「事実」を一致させましょう。

配信面のミスマッチ
Sponsored DisplayはAmazon外のサイトやアプリにも配信されます。意図しない場所にばかり出ていないか、レポートで内訳を確認しましょう。

入札額の過不足
低すぎれば表示されず、高すぎれば赤字になります。最初は安全圏でスタートし、効果が良いターゲットに予算を寄せていきます。

競合の動き
自社の設定を変えていなくても、競合がセールを始めたり、魅力的な新商品を出せば反応は落ちます。定期的に競合のページや価格をチェックしましょう。

■「Sponsored Display」と「Amazon DSP」の使い分け
Sponsored Display (SD)
セラーセントラルから手軽に設定でき、Amazonの購買データを活用できます。小〜中規模の予算で、リターゲティング(一度見た人に再表示)や興味関心ターゲットを試したい場合に最適です。

Amazon DSP
より細かい配信面の指定や、動画・音声などリッチな表現が可能ですが、一定の予算規模や知識が必要です。SDで成果が出て、さらに認知を広げたい、配信面を厳密に管理したい段階で検討すると無駄なくステップアップできます。

成功の鍵を握る「KPI」と「ターゲット」設計

成功の鍵を握る「KPI」と「ターゲット」設計

なんとなく配信するのではなく、「どうなれば成功か」を数字で決めておきます。これがKPI(重要業績評価指標)です。

■見るべき数字(KPI)と確認のタイミング
広告の目的に合わせて、見るべき指標は変わります。

インプレッション(広告が表示された回数)
確認頻度の目安:毎日~2日おき

クリック率(CTR)(興味を持たれた割合(画像の魅力))
確認頻度の目安:3日~1週間

カート追加率(購入検討まで進んだ割合)
確認頻度の目安:1週間

購入転換率(CVR)(クリックした人が購入した割合)
確認頻度の目安:1~2週間

ROAS(広告費に対する売上の倍率)
確認頻度の目安:2~4週間

NTB (New To Brand)(新規顧客の割合(ブランド認知))
確認頻度の目安:1ヶ月

過去データがない場合は、少額でテスト配信を行い、自社の基準値を知ることから始めましょう。

■「誰に」届けるか:ターゲットの優先順位
もっとも効果が出やすい順にターゲットを設定します。

1.リターゲティング:自社の商品を見たけれど買わなかった人(確度:高)
2.類似商品閲覧者:競合の商品を見ている人(確度:中)
3.興味関心・カテゴリ:そのジャンルに興味がある人(確度:低~中)

ターゲットごとに「ランディングページ(飛び先)」を使い分けるのもテクニックです。リターゲティングなら商品詳細ページへ、広い認知ならストアページへ誘導するなど、整合性を持たせましょう。

クリエイティブ(画像・文言)の準備

クリエイティブ(画像・文言)の準備

ディスプレイ広告は「見た目」が命です。技術的な仕様と、お客様に響く内容の両面から入稿前チェックを徹底します。

■入稿前の「3つのチェックポイント」
1. スマホでの見やすさ
PCで作業していると忘れがちですが、スマホの小さな画面で文字が読めるか、商品の特徴が一目でわかるかを確認してください。

禁止表現の回避「世界一」「最安値」などの誇大表現や、不正確な割引表示はAmazonの規約違反となり、広告が止まります。ガイドラインを一読しておきましょう。

3. 「約束」と「事実」の一致広告で訴求した内容(価格、特典、在庫、カラーなど)が、リンク先の商品ページですぐに確認できる状態にしてください。ここがズレるとお金を払ってお客様を失望させることになります。

配信後の改善(PDCA)サイクル

広告は「出してからが本番」です。放置せず、定期的にメンテナンスを行いましょう。

■異常を検知するモニタリング
1.毎日:予算がすぐ尽きていないか、表示回数が極端に減っていないか。
2.週次:クリック率や購入率の変化。悪い広告グループの停止や入札調整。
3.月次:新規顧客が増えているか、リピート率はどうかなどの長期視点。

まとめ

Amazonディスプレイ広告で成果を出すには、準備と運用、それぞれのステップを着実に踏むことが大切です。
まずは現状の課題を数字で特定し、KPIとターゲットを設計します。クリエイティブはスマホ視点でチェックし、配信後は「小さくテストして、良いものを残す」サイクルを回しましょう。
優先順位を決めて週に一度チェックする習慣をつければ、広告は必ず改善します。データに基づいた調整を積み重ねて、無駄なコストを減らし、売上につなげる広告運用を実現していきましょう。

<ご注意>本記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。Amazonの仕様・ガイドライン・ルール等は予告なく変更される場合があります。最新の情報は、必ず公式サイトやAmazonセラーセントラル等をご確認ください。


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著者

株式会社Cyber-records

2008年にGLOBAL EC COMPANY(GEC)として創業し、以来、ECビジネスの啓蒙者として、運営代行、コンサルティング、ブランディングなどに従事。モールおよびマーケットプレイスのEC支援サービスの提供に加え、ふるさと納税事業や越境ECの支援も行う。

https://www.cyber-records.co.jp/
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