月商1億円のEC事業者が知るべき、物流見直しのサイン
EC事業を運営していて、月商1億円規模まで成長してくると、ふと感じる違和感があります。
「今の物流委託先に大きな問題があるわけじゃない。でも、何か物足りない」
「もっとスピード感を持って改善できないだろうか」
「将来的な事業拡大を考えたとき、今の体制で本当に大丈夫?」
こうした感覚は、決して気のせいではありません。むしろ、事業が成長フェーズに入ったからこそ見えてくる、通販物流における重要なサインなのです。
今すぐ発送代行会社を切り替える必要はないかもしれません。ただ、「一度立ち止まって見直すタイミング」である可能性は高いと言えます。
この記事では、月商1億円規模のEC事業者が直面しやすい物流の課題と、フルフィルメント会社を見直すべきサインについて解説します。
成長フェーズで浮き彫りになる、EC物流委託のよくある課題
事業が拡大し、出荷量が増えてくると、これまで問題なく回っていた物流体制に、少しずつ「ズレ」が生じてきます。
出荷量増加に対して柔軟に動けない
月間の出荷件数が数千件を超えてくると、繁忙期と閑散期の波が大きくなります。しかし、委託先の物流会社によっては、「契約時の想定出荷数」を前提とした体制しか組んでくれず、急な物量増加に対応しきれないケースがあります。
「今月はキャンペーンで出荷が1.5倍になりそう」と伝えても、「事前に言ってもらわないと難しい」と言われ、結局対応が後手に回る。こうした状況が続くと、販売機会を逃すことにもつながります。
イレギュラー対応に時間がかかる
通販事業では、ギフトラッピング、同梱物の差し替え、特定顧客向けのカスタマイズ出荷など、イレギュラーな対応が日常的に発生します。
しかし、大手の物流倉庫では標準化された業務フローが確立されているため、「特別対応は原則お断り」「対応するには別途費用と時間がかかる」といった回答が返ってくることも少なくありません。
事業側のスピード感と、物流側の対応スピードに乖離が生まれると、顧客満足度にも影響が出てきます。
システム連携の話が進まない
ECカートシステムとの連携、在庫管理システムとのAPI接続、配送追跡情報の自動通知など、システム面での柔軟性は現代のEC物流において不可欠です。
ところが、委託先が使用しているWMS(倉庫管理システム)が古く、新しいシステムとの連携に対応できない、あるいは「対応可能だが数ヶ月かかる」と言われてしまうケースがあります。
EC事業はスピードが命。システム改修に半年も待てないという状況は、成長機会の損失に直結します。
商材特性への理解が不足している
化粧品であれば薬機法対応や温度管理、エンタメグッズであれば多品種小ロット管理やイベント対応など、商材ごとに物流の最適解は異なります。
しかし、汎用的な物流サービスを提供している会社では、こうした商材特有のノウハウが蓄積されておらず、「とりあえず保管して出荷する」というオペレーションに留まってしまうことがあります。
「あるある」と感じた項目が多いほど、見直しのタイミングが近づいているサインです。
こんな状態なら、一度立ち止まって見直すタイミングかもしれません
以下のチェックリストに当てはまる項目が3つ以上ある場合は、フルフィルメント会社の見直しを検討する価値があります。
□ 委託先から改善提案がほとんど出てこない
□ 事業側のスピード感に物流が追いついていない
□ システム連携の相談をしても、回答が遅い・曖昧
□ 繁忙期の物量増加に柔軟に対応してもらえない
□ イレギュラー対応のたびに追加費用や調整が発生する
□ 将来的なBtoB対応や複数拠点展開が視野に入っているが、相談しづらい
□ 担当者とのコミュニケーションが取りづらく、相談しにくい雰囲気がある
□ 物流コストの内訳が不透明で、最適化の余地が見えない
これらは「今すぐ問題」ではないかもしれません。しかし、放置すれば事業成長のボトルネックになる可能性があります。成長している事業だからこそ、物流体制の見直しは正当な経営判断なのです。
フルフィルメントは、価格や倉庫立地だけで選ぶものではありません
「発送代行会社なんて、どこも同じでしょ?」
「安いところに変えれば、それで十分」
そう思われがちですが、実際にはフルフィルメント会社ごとに強みや特性は大きく異なります。
比較すべきポイント
1. 得意ジャンル・実績
アパレル、化粧品、食品、エンタメグッズなど、商材によって求められる物流オペレーションは異なります。自社の商材に近い実績がある会社を選ぶことで、立ち上げ時の試行錯誤を減らせます。
2. システムの柔軟性
自社で開発したWMSを持っているか、主要なECカートシステムとの連携実績があるか、API連携が可能かなど、システム面での対応力は業務効率に直結します。
3. 立ち上がりスピード
委託替えを決断してから実際に稼働するまでの期間は、会社によって大きく異なります。1ヶ月で立ち上げられる会社もあれば、3ヶ月以上かかるケースもあります。
4. コミュニケーション設計
専任担当者がつくのか、複数の事業者で担当を共有するのか。定期的な改善提案があるか、困ったときにすぐ相談できる体制があるか。こうした「人」の部分も、長期的には大きな差になります。
価格はもちろん重要ですが、「安いだけ」で選ぶと、結局また同じ課題に直面するリスクがあります。
月商1億円規模のECに求められるフルフィルメントの条件
では、成長フェーズにあるEC事業者は、どのような基準でフルフィルメント会社を選ぶべきでしょうか。
条件1:BtoCを軸にしつつ、BtoB対応も視野に入れられる
現在はBtoC中心でも、今後卸売や法人向け販売を検討する可能性があるなら、両方に対応できる体制がある会社を選ぶと安心です。
条件2:システム連携が柔軟で、短期間で対応できる
ECカートシステムとの連携はもちろん、独自のシステムを持っている場合でもAPI連携で対応できる柔軟性が求められます。また、連携までのリードタイムが短いことも重要です。
条件3:商材特性への理解がある
化粧品であれば薬機法対応、エンタメグッズであれば多品種小ロット管理やイベント配送など、商材ごとの特性を理解し、それに応じた運用ができる会社を選びましょう。
条件4:委託替え時の負担を最小化できる
在庫移管、システム切り替え、運用テストなど、委託替えには多くの工程があります。これらをスムーズに進められるよう、過去の委託替え実績が豊富で、サポート体制が整っている会社だと安心です。
条件5:配送コストの最適化ができる
配送費は物流コストの大きな割合を占めます。自社便を持っている、あるいは配送会社と有利な契約を結んでいる会社であれば、コスト削減の余地があります。
これらの条件を満たすフルフィルメント会社は、成長するEC事業の心強いパートナーになります。
私たちがサポートできること
私たちは、BtoC中心の通販物流に特化したフルフィルメントサービスを提供しています。
グループで一貫したサービス提供
物流、配送、システム開発までをグループ内で一貫して対応できるため、部署間の調整や外部連携の手間を最小限に抑えられます。
自社便による配送コスト削減
一都三県向けの配送は自社便で対応可能です。これにより、配送コストを抑えながら、柔軟な配送時間指定やイレギュラー対応にも応じられます。
EC特化型WMSによる柔軟な連携
自社開発のWMSは、EC事業に特化した設計になっており、主要なECカートシステムとの連携がスムーズです。API連携も柔軟に対応できます。
商材特性に応じた運用実績
化粧品、エンタメグッズ、アパレル、雑貨など、幅広い商材での実績があります。特にエンタメグッズのような多品種小ロット商材では、保管効率を最大化するノウハウを蓄積しています。
委託替え時のヒアリングを重視
委託替えには不安がつきものです。私たちは初回のヒアリングを丁寧に行い、現状の課題や今後の展望を共有した上で、最適なプランを提案します。
ここまで私たちの特徴をお伝えしましたが、すべてのEC事業者様に合うわけではありません。まずは現状をお聞かせいただき、どんな選択肢があるのかを一緒に整理できればと思います。
委託替えを決めていなくても、まずはご相談ください
「今の物流委託先に完全に不満があるわけじゃないけど、なんとなくモヤモヤする」
「将来的には見直したいけど、今じゃないかもしれない」
そんな段階でも、まったく問題ありません。
私たちは、初回1時間の物流課題相談を行っています。この相談では、
・現状の物流体制の整理
・今後の事業計画に照らした課題の洗い出し
・他社と比較した際の選択肢の提示
といった内容をお話しします。委託替えを決めていただく場ではありませんので、気軽にご相談ください。
「相談したら断りにくくなりそう」と心配される方もいますが、ご安心ください。お互いの相性を確認する場として、気軽にご利用いただけます。
EC物流の委託先選びは、事業の成長を左右する重要な判断です。だからこそ、焦らず、じっくりと検討していただきたいと思います。
まずは現状を整理するところから。お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら
https://ec.sbs-group.co.jp/lp/ecommerce/


