「売れている商品」は、なぜ売れているのか? “売れる仕組み”を徹底分析
「特定カテゴリーの中で、消費者が今まで購入していた特定ブランドから、別のブランドへ購入を移行する購買行動のことを指す」。冒頭でこう定義される「ブランドスイッチ」は、なぜ起こるのか。そして、消費者に他社のものから自社商品に“スイッチ”してもらう/もしくは競合商品へのスイッチを防ぐにはどうすれば良いのか? 本書は、ECコンサルティング企業である株式会社いつものEコマース戦略コンサルタントとして累計200超のブランドのコンサルティングを担当してきた著者が、豊富な経験と実例データに基づいてECにおける“ブランドスイッチの法則”を示す一冊だ。
「『売れている商品』は、なぜ売れているのか?」という、EC事業者の誰しもが持つ問いに対して、自身もその答えを長年追い求めてきたという著者は、「売れている商品と売れていない商品の違いは、『ブランドスイッチ』を誘発する力が大きいか小さいか」であると提起。消費者に選ばれ続ける仕組みを、心理学や行動経済学も用いつつ解き明かしていく。
とはいえ、本書で示されるのは魔法のように消費者を導く方法ではない。消費者にブランドをスイッチさせることは容易ではなく、必要なのは「一人ひとりの消費者の解像度を上げること」であるという。本書で繰り返し語られるのが、この消費者を深く理解し、その視点に立つことだ。売上を伸ばしているブランドは、消費者が求めているものを貪欲に追求し、顧客が満足する商品や体験を提供しようと努力している。つまり、消費者を市場の“主人公”として位置付け、適切なコミュニケーションを図ることの重要性が、具体的な事例とともに語られていく。
「ブランド」が主語のマーケティングは通用しなくなる――(第1章より)。その見通しに立って、ECマーケットの最前線でいくつものブランドの成長を支援してきた著者による、「『売れている商品』は、なぜ売れているのか?」に対する一つの答えとして、示唆と刺激に満ちた一冊。
書名
ブランドスイッチの法則 消費者の嗜好が変わりやすいEC市場で顧客を勝ち取る
金額
2409円(税込)
著者
田中 宏樹(監修:株式会社いつも)
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