ECなら当たり前の「地方発全国、日本発世界。」を叶えるヒントが詰まった1冊
新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、東京一極集中の状況には顕著な変化が見られた。大きな要因はデジタル化によるリモートワークの普及や、これに伴う地方移住の増加によるものだ。東京から郊外へ、あるいは地方への移住が進んだ面はあり、今も企業によっては東京に本社がありながらも地方に居住する社員を抱えるケースは少なからずある。しかし一方で、アフターコロナの現在、再び東京への人口流入が見られるなど、東京一極集中の解消にはまだ課題が残っている。
こうした中、多くの地方企業が抱える課題──例えば人材やIT活用のノウハウ不足、資金調達の難しさ、人口減少や過疎化による商圏の縮小、高齢化による後継者問題など──を地方だけの課題と捉えず、「日本」全体の課題と捉える。これにより、「地域」に根ざしたビジネスがどのようにして成長し、広がっていくかを、解説するのが本書だ。
執筆者はローカルグロースコンソーシアムを立ち上げた企業──クロスメディアグループ株式会社、株式会社SUPER STUDIO、ソウルドアウト株式会社、株式会社PR TIMES、株式会社ロケットスター──の面々。同プロジェクトでは地方企業が持つ可能性を最大限に引き出し、持続的な成長を支えるために、様々な専門知識とリソースを提供するという。
もちろんSUPER STUDIOの真野勉氏による「顧客をファンに変える『自社EC』」の章はEC業界的に最も気になる内容だが、ECサイトやSNSを活用した地域外の消費者へリーチしていくということは、「日本」にとどまる必要がないこと、「越境EC」によってどの地域からでも世界に発信していくことが可能であることを改めて感じさせてくれる。
持続可能な方法でビジネスを成長させたいと考える人に、手に取ってもらいたい。
書名
『LOCAL GROWTH 独自性を活かした成長拡大戦略』
金額
2068円(税込)
著者
荻原猛、北川共史、真野勉、山口拓己
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