【第1回】日本初のフリマアプリ「フリル」とCtoCの変化〜なぜ、フリマアプリだったのか?
【第2回】差別化の鍵はユーザーニーズにあり
https://ecnomikata.com/column/10436/
はじめまして。株式会社Fablicの土屋と申します。
当社は、日本初のフリマアプリ「フリル(FRIL)」の開発・運営をしています。今でこそフリマアプリは若い人たちを中心に浸透してきていますが、当社がサービスを開始した2012年にはまだ、フリマアプリという概念もなくCtoCのサービスも今ほど多くはありませんでした。
そんな中なぜフリルを開始し、500万DLを超えるサービスに成長させることができたのか。
それは社名にも込めた「ユーザーが中毒的(習慣的)に使ってくれるようなサービスをつくる」ため、徹底的に ユーザーファーストな開発・運営をしてきたからだと自負しています。
そのユーザーファーストな開発・運営について、この連載を通じて少しお伝えできればと思っています。
第一回目は、当社の紹介となぜフリマアプリを始めようと思ったのか、その話をしたいと思います。
Fablicとは
代表の堀井と前職の同僚3名の4名で立ち上げた会社です。
ビジネスサイド1名、デザイナー1名、エンジニア2名の小さなチームから始まりまりました。
上記でも少し触れましたが、Fablicという社名はfabulous(とてもすばらしい;驚くべき)とholic (…中毒者)を組み合わせた造語で「ユーザーが中毒的(習慣的)に使ってくれるようなサービスをつくる」という想いを込めてつけており、その想いを形にしたのが「フリル」です。
立ち上げ当初は情報共有ロスをなくすのと、スピードを持って開発するため、一軒家で創業者の4人が寝食を共にし24時間食べる・寝る以外はサービス開発に時間を注いでいました。今でもこの頃を忘れずいつまでもハングリー精神を持ち続けるといったことは大切にしています。
フリルとは?
不要となった商品をフリマ感覚で簡単に売ったり買ったりできるサービスです。スマホのカメラを使って出品できる手軽さと、エスクロー決済(商品購入代金を当社に支払い、受取確認が取れてから販売金額が出品者へ振り込まれる仕組み)による安心・安全さが評価されています。
その中でも「フリル」は、洋服やファッション小物・ハンドメイド商品などファッションアイテムの売買が強く、2015年にはお客さま満足度No.1(※1)に選ばれました。
※1 「Fastask(ファストアスク)」による「フリマアプリの利用状況に関するアンケート調査」2015年11月調べ
https://fril.jp/safety
日本初のフリマアプリが生まれたきっかけ
そもそも、なぜフリマアプリをつくろうと思ったのか。
それは代表の堀井が前職時代にモバイルの広告事業を担当しており、女性がSNSのコミュニティやブログなどを使って自分のいらなくなった洋服を売っているのを知ったことがはじまりでした。
なぜSNSやブログで服を売る人がいるのか?といったことに疑問を持ち、直接聞いた方が早いということでいろいろな人にヒヤリングすることにしました。SNSで実際に服を売買している女子高生や女子大生はもちろん、子供服の売買に需要はあるのかなども検証するために、子供がいる方にもインタビューを実施し、実在する人々の、実在する課題を探して、仮設の構築と検証を繰り返しました。
その結果女性に強いニーズがあることを確信し、ターゲットをあえて女性だけに絞り女性限定のフリマアプリ(※2)にすることに決めました。
また、ユーザーインタビューの中で、SNSやブログなどにアップするぐらい簡単に出品できたら良いといった声も多かったので、スマートフォンのカメラで商品の写真を取るだけで簡単に出品できる初期のフリルが出来上がったのです。
※2 2015年7月にフリルは男性解放し、女性だけではなく男性にも使っていただけるようになりました。
今も昔も変わらず、頭の中の仮説だけではなく実際にユーザーになりうる人たちの課題や行動パターンを把握することが、ユーザーファーストなサービス開発につながっています。
次回は、フリルの開発にあたりどのようにして女性に受け入れられるサービスを男性だけのメンバーで形にできたのか。そのことについてお話しできればと思います。
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■ フリル(FRIL)
https://fril.jp/
■ FRIL lab(フリルラボ)
若者のファッションから消費トレンドを考える調査機関
https://fablic.co.jp/frillab
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