【最終回】花屋の軌跡!店舗からECまで生き残るための術
誤解を恐れずに言うと、遠くない将来、街の花屋はなくなると思います。もちろん全ての花屋がなくなる訳ではありません。
駅に隣接している花屋、商業施設にテナントとして入っていたり、集客力のある立地にある花屋は生き残っていけるでしょう。もしくは、これからお話しする「店舗販売だけでなく、他の利益を生み出す仕組みを作っている花屋」は生き残るはずです。
本コラムでは私が10年間に「花」を商材とした「仕組み作り」を行っていた軌跡をお話しさせていただきたいと思います。「花」をみなさんの商材に置き換えていただき、少しでもみなさんのヒントになれば幸いです。
第1回:https://ecnomikata.com/column/10455/
第2回:https://ecnomikata.com/column/10508/
第3回:https://ecnomikata.com/column/10509/
第4回:https://ecnomikata.com/column/10530/
脳ミソから汗をかこう!
今ではEコマースをされている企業は珍しくありません。色々なショッピングカートもASPで提供されているので、Eコマースを始めることが難しい時代ではなくなりました。弊社が扱っている「花」で言ったら、競合他社は無数に存在します。Yahoo、Googleで検索すると花屋だらけです。これだけEコマースが普及した中で競合他社の中に埋もれないために、インターネットを使ってどこを目指すかだと思います。
もちろんノウハウやテクニックは必要だと思いますが、ここまでEコマースを取り巻くサービスが充実してくると、他社との技術的な差はそれほど大きくありません。それよりも画面の向こう側にいらっしゃるお客様を意識して、店舗にご来店されているお客様と同じように接客をしていくことが大事だと思っています。気持ちよく、楽しく、買い物がしたい。そこにお金を払っていただく価値があるかどうかだと思います。
私はお酒が好きなのでよく飲みに行くのですが、食事が美味しいのはもちろん嬉しいです。しかしながら、やはりスタッフの方の接客が気持ちいいお店に行ってしまいます。もしかしたら食事は二の次なのかも、と自分でも思います。
私達が扱っている「花」も同じなのかもしれません。花は綺麗で当たり前です。「花」はお客様の気持ちを届けるものです、花は心の贈り物だと思っています。そんな気持ちが入ったものだからこそ、気持ちよく買っていただくことが大事だと考えています。
「自動販売機」と「商店」のいいとこ取り
その「気持ちよく」が難しいです。お客様によってはスタッフとの会話が煩わしいと感じることもあるでしょう。スマートフォンを持つのが当たり前の今、インターネットの良いところである、いつでも、どこでも、好きな時に買い物ができる「自動販売機」のようなサービスを目指しつつも、あくまでも「商い」を忘れずに人間臭さを出していきたいと考えています。
「自動販売機」は24時間、お金を入れてボタンを押せば、決まった商品が、決まった納期で、決まったところに出てきます。誰が買っても、いつ買っても、品質も納期も変わりません。人と会話する必要もなく、煩わしさもなく、ほぼ100%ミスもなく商品が購入できる画期的な機械だと思います。
それに対して「商店」はスタッフとの会話を楽しみ、商品を選ぶことを楽しみ、自身の手に取って商品を確認し、納得して買い物ができる。もしも気に入らなければ返品にも応じてくれるかもしれない。
そんな「自動販売機」と「商店」のいいとこ取りを実現可能なものがEコマースだと感じています。まだまだやれることは山ほどあります。脳ミソから汗ができるくらい考えれば、きっとお客様から支持されるサービスを創ることができると思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。このような機会をECのミカタ伊藤さん、関係者のみなさま、ありがとうございます。少しでもみなさんの商売のヒントになればと思い書かせていただきました。お役に立てれば幸いです。
株式会社花大 澤野裕悟