【第3回】日本初のフリマアプリ「フリル」とCtoCの変化〜前日比5倍!?急成長の2つの要因

土屋信博

株式会社Fablicの土屋と申します。
今回は、日本初のフリマアプリがどのようにして広まったか。初期のマーケティングついてお話しできればと思います。

【第1回】なぜ、フリマアプリだったのか?
https://ecnomikata.com/column/10339/
【第2回】差別化の鍵はユーザーニーズにあり
https://ecnomikata.com/column/10436/

お金がない!時間もない!

お金がない!時間もない!

2012年7月に日本初のフリマアプリとして「フリル」をリリースしました。それまでは開発だけでしたが、リリース後はどう運用していくかが主な課題となり、その中でもどうやってサービスの利用者を増やしていくかといったことを意識するようになりました。しかしスタートアップなので、広告出稿をしたくても先立つお金がありませんし、マーケティングに精通したメンバーもおりませんでした。

毎日ひたすらにどうやって利用者数を増やしていくか考えていた時、たまたま大手アプリレビューサイトが立て続けにフリルのレビューを取り上げてくれました。

特にAppBankの担当の方はフリルを使い込んでくださり、フリルの使い方からコツまで、連載で記事にしていただきました。このことがきっかけで、登録してくれるユーザーの数が伸び、フリルでの取引数も徐々に伸びて行きました。

マーケティングまで考えている余裕のない、フリルを取り上げていただけるだけでも嬉しいそんな時に、記事を書いてくださる方が本当にフリルを使い込んでくれ、ユーザー目線で記事を書いてくださったことは本当に幸運な出来事の1つだったと思います。

登録人数が前日の5倍!?

登録人数が前日の5倍!?

この当時、ファウンダーたちが日課にしていたのが「朝一番の会員数チェック」でした。
いつも通り、朝来て会員数のチェックをしたところ、いつもは数百人の登録数なのに、その日は1,000人を超えていました。何が起きたのかと思い要因を調べたところ、当時ファッション誌のモデルをしていた方がブログでフリルの宣伝をしてくれていたことがわかりました。

この効果は2〜3日続きました。その後も様々なメディアに取り上げられたことで口コミが広まり、広告出稿をしなくても順調に会員数や取引件数をのばしていくことが出来ました。

「日本初」だからできたこと

なぜ、このような幸運が続いたのか。それは2つ要因があったのではないかと思っています。

1つ目は、日本初のフリマアプリであったこと。
今ではフリマアプリを知っている人ならば写真を撮って簡単に出品できることがあたりまえになっています。しかし当時はカメラアプリは数多く出てきているものの、それを使ってアプリ上で商品を売り買いできるのはフリルしかありませんでした。そのため、口コミで広まっていくのは日々の会員数の増加数でも感じていましたし、先ほどの話でも出ましたが、人気モデルがブログで取り上げてくれることも1度や2度ではありませんでした。

その他にも、テレビや新聞などにも取り上げられました。これは、日本初の恩恵を多いに受けていたと思います。


2つ目は、ユーザーと対話し作り上げたサービスであったこと。
口コミで広がったり、AppBankで連載で取り上げていただくことが出来たのは、ユーザーインタビューを繰り返し行い、とにかくユーザーのことを第一に考えて作り、それが受け入れられた結果なのではないかと思っています。

自分たちが思い描いていたターゲットユーザーを中心にサービスが受け入れられ、さらにはそのユーザーの皆様がフリルを広めてくれている。これ程嬉しいことはありませんでした。
Fablicの目指すべき「ユーザーが中毒的(習慣的)に使ってくれるようなサービスをつくる」に1歩近づけたような体験でもありました。

そんな幸運が重なり、初期のフリルは、様々な方の手によって広げていただきました。
次回は、初期の広告を使ったマーケティングについてお話できればと思っています。


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■ フリル(FRIL)
https://fril.jp/

■ FRIL lab(フリルラボ)
若者のファッションから消費トレンドを考える調査機関
https://lab.fril.jp/
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著者

土屋信博 (TSUCHIYA NOBUHIRO)

2005年、株式会社ECナビ(現:VOYAGE GROUP)に新卒入社
新規事業立ち上げ、既存事業の業績拡大、組織戦略などに携わる。
2012年、株式会社コナミデジタルエンタテインメントに入社。
国内・海外向けネイティブソーシャルゲームの企画・運用・KPI分析を担当。
2014年、株式会社Fablic入社
ビジネスディベロップメント、マーケティング領域を担当。

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